科研費はじめました。:理系と文系がつながるサイエンス

株式会社ポッセ・ニッポンによる、「理系研究者のための文系伴走者」プロジェクト。当プロジ…

科研費はじめました。:理系と文系がつながるサイエンス

株式会社ポッセ・ニッポンによる、「理系研究者のための文系伴走者」プロジェクト。当プロジェクトのミッションは、文章で科学に貢献すること。https://www.posse-nippon.com/kaken

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科研費はじめました。

 文章は、研究者であろうとうまく書けるとは限らない。しかし、専門外の人にも分かるように書かねば理解されない。この点を克服する「理系のための文系伴走者プロジェクト」を、株式会社ポッセ・ニッポンの新しいプロジェクトとして始めました。対象となる文書は、科学研究費(科研費)など競争資金への申請を想定しています。ポイントは、筆者(弊社代表の堀江、文系)でも大意を把握できるようにきちんと書かれた文書に仕上げることを目標にしています。誰が読んでも理解できる文書を仕上げるための伴走者であり、

    • 科研費申請書の編集「無料トライアル」は、シーズン本番となると混み合います。お試しは今のうちに

      繁忙期は、一時的に受付を停止することもあります 来年度の科研費の応募スケジュールの見通しが示されました。去年と比べて、学術変革領域が大幅に前倒しになったほかは、昨年同様のスケジュールとなるようです。  当プロジェクトでは、初めてご利用を検討されている方向けに無料トライアルを提供しております。過去に不採択だった申請書をご提供いただき、編集作業(めやす:冒頭1.5ページ程度)+Zoomによるフィードバック(30分)の組み合わせです。どのような効果が得られるかを、お試しください

      • 科研費の動画講座を無料限定公開 5/9まで

        5月9日(月)までの期間限定で、科研費の動画講座の前編をご覧いただけるように、クーポンを設定しました。クーポンコードは「KAKEN2022May9」です。こちらからクーポンコードをご入力いただくことで、無料でご視聴いただけます。 今回、無料で提供する「前編」は、科研費というより文章を書く上での基本中の基本の内容です。 内容については「こんなことは当たり前じゃないか」と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでさまざまな申請書のドラフトを見てきた経験からしますと、

        • 研究の向こうにアントレプレナーシップが見える

          「研究スキル売買」について問題提起をする記事が先だって、毎日新聞に掲載されました。記事によれば、インターネット上のスキルマーケットなどで、研究者の人たちが論文執筆やデータ解析などの研究スキルを販売し、取引は売買側ともに匿名で行われているという内容でした。大学教授などの肩書を持っている人も含まれていたとのこと。毎日新聞の調べでは、スキルマーケットのうち7社で118人が研究スキルを売っていたことが確認されたとしています。売買側ともに匿名でのやり取りなので、研究不正につながりかねな

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          PCR検査を受けにオランダへ?

           仕事で、オランダ・アムステルダムに1週間ほど出張しました。この時期の海外渡航は、コロナ対策にはじまりコロナに終わる、という印象でした。PCR検査を受けにオランダに行ったような気分です。  本稿は、本コラムの趣旨(サイエンス x 文章 x 科研費等)とは違いますが、今後に渡航を考えている人のために、自分の経験の範囲ですが共有します。決して読みやすくないのですが、急ぎ書いているので乱文お許しください。オミクロン株の流行を受けてまた動きが変わりましたが、今後にふたたび状況が変わ

          科研費(2020年秋対応分)ご報告

           弊社クライアントの皆様から、昨秋にお預かりした2021年度科研費申請について、少し時間が経ちましたがご報告します。内容は主に、ご提供した内容と今後の課題についてです。  当プロジェクトは開始から2年目となり、多くのお申し込みをいただきました。手探りで始めたのですが、早期にご利用くださった皆様がさまざまなフィードバックや質問を寄せてくださいましたので、プロジェクトの改善につながりました。 改善点について さらなる改善点としては、特にズームのやり取りを含む場合において、文書

          小2の涙は、無駄にならない(国語の宿題と文章、そして自分は作文が得意だった訳ではないことに気づいた話)

           弊社スタッフのお嬢さん(小2)が先日、泣きながら国語の宿題に取り組んでいたそうです。宿題の内容は、釣りざおを工作するイラストを示され、「自分の言葉で作り方を説明しなさい」。  その時に国語の教科書で学んでいた単元は、何かの作り方を説明するという内容で、教科書の記述を参考にして宿題を仕上げるよう求められていたとのこと。しかし、教科書をいくら読んでみても、そこに書かれていることは自分が普段使わない言葉である上に、そもそも内容をすべて理解できているわけでもないので、大変苦しんで

          小2の涙は、無駄にならない(国語の宿題と文章、そして自分は作文が得意だった訳ではないことに気づいた話)

          「専門的なことをウェイトレスにも分かるように」と、物理学者は言ったのか?

           マンガ「決してマネしないでください。」を読んでいたら、「専門的なことをウェイトレスにも分かるように説明できない時は、原理のほうに問題があるのだ」と物理学者のラザフォード は言った、という引用を見つけました。  我が意を得たり! 自分がかねがね伝えたいと感じていたことを、偉大な先人が言っていた、と飛びつきました。理系研究者の方に書き方をアドバイスするなかで、「きちんとした構造の文書を仕上げられれば、さまざまなタイプの査読者にも理解されるはずだ。もちろん文系の私(筆者)もです

          「専門的なことをウェイトレスにも分かるように」と、物理学者は言ったのか?

          「ぐずぐず主義克服シート」

           個人的な例で恐縮ですが、私は典型的な「先延ばし」型人間です。大事なことを目の前にして、部屋の掃除やクローゼットの整理を始めてしまうことがあります。積ん読に手を伸ばすのは、こんな時が多いです。こんな自分は、夏休みの宿題をギリギリまで着手しない子供時代からまったく成長していないとか、先延ばしで時間を無駄にしているなどと考えてしまい、さらに落ち込みます。 「スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考」(ペリー 2013)によると、先延ばしをする人の傾向としては、完璧主義者であ

          科研費指南本の「一行(+α)情報」

           来年度科研費を意識する季節になりました。準備は順調に進んでいますでしょうか。  既にご存知の方も多いと思いますが、科研費獲得に照準を当てた指南本がいくつか出版されています。科研費申請において肝心なことは、ハウツーよりも研究の中身であることは論を俟たないのですが、申請書のエディットをしていると、申請者の方が依拠する情報に限りがあるのではと感じられることが、少なからずあります。所属研究機関のURAなどによる講習会が開催されている一方で、長年の慣習のままに何となく書いてしまって

          「自粛を要請する」に似た表現

           政府の緊急事態宣言に伴い(5月25日に全国で解除)、もはやおなじみのフレーズになった「自粛を要請する」。感染状況によっては今後も「再要請の目安を上回った場合には、また外出自粛の再要請を行っていく」(小池百合子都知事・5月22日の記者会見より)など、当たり前のように使われるようになりました。  感染を抑え込んで人命を守るためとはいえ、自粛(自分で自分の行いをつつしむこと。広辞苑)を要請する(強く請いもとめること。同)とは、「自分を律せよ!」と、自分の道徳心について政府から指

          リトラクション(論文撤回)の扱いについて:当プロジェクトのポリシー

           理系研究者の方々とお仕事をさせていただく中で、特に大学教員の方は教務が増える一方で、研究と両立させるために大変な苦労をされていることを知りました。同時に、クライアントの先生方からよく聞くのは、研究不正についての懸念です。極めて多忙な中で、結果を出すことに対する強いプレッシャーがあるため、不正に走ってしまう誘惑を感じる人は結構いるのではないかという指摘を割とよく耳にします。  研究領域に関わらず、こうした懸念は研究の世界では近年特に、広く共有されていることも知りました。弊社

          リトラクション(論文撤回)の扱いについて:当プロジェクトのポリシー

          パンデミック下の「二つの文化」

           コロナウイルスの流行が始まって以来、SNSは集団ヒステリーに近い状態になっています。気が滅入るので出来る限り避けるようにしていますが、それでもこの数日間にツイッターでC.P.スノー言うところの「二つの文化」を感じさせる発言をいくつか見つけました。  スノーは、「私の信ずるところでは、全西欧社会の人びとの社会生活はますます二つの極端なグループに分れつつある」(スノー1967 :5)として、一方の極に「文学的知識人」が、もう一方の極には「科学者(その代表的存在として物理学者)

          全額保証で臨んでいます(初回のみ) 科研費「請負人」ではないけれど。(4/4)

           すでに述べましたとおり、私どもは科研費「請負人」としてではなく、「伴走者」としてお手伝いさせていただくことで、理系研究者の方が当該文書で競争資金を獲得することにとどまらず、「書いて」自身の研究の成果を明らかにしていくという、今後の研究者人生で切り離せないスキルを少しずつ高めるお手伝いをすることを最終的なゴールにしています。  しかしいずれにしましても、初めてご利用いただく方は不安だと思います。安心してご利用頂くために、初めてご利用される方に対しては、①サンプルの無料エディ

          全額保証で臨んでいます(初回のみ) 科研費「請負人」ではないけれど。(4/4)

          コーチで伴走者 科研費「請負人」ではないけれど。(3/4)

           「請負人」でないのなら、何者なのか。私どもは、「伴走者」であると考えています。申請者の方が書いたものを客観的な目で読み、伝わりづらいと考えられる部分を指摘すると同時に改善点を提案します。質問をどんどん投げかけて、筆者の方の頭の中にありながら言語化できていない要素を引き出し、文字に置き換えていくという点では、コーチングに近いと言えます。  従いまして、当然のことながらゴーストライターにはなりませんし、「ほどほど」に書いた文書を丸投げしてもらっても大丈夫!とは決して申しません

          コーチで伴走者 科研費「請負人」ではないけれど。(3/4)

          効果を期待できるタイプは? 科研費「請負人」ではないけれど。(2/4)

           科研費等競争資金の文書対応をしていながら、科研費取得の「請負人」にあらず、と前項にて申し上げました。少し勇気がいりましたが、何をしているのかを具体的に説明するには、必要なことであると考えております。  その大きな理由としては、資金の獲得は、結局は研究計画そのものの質に依存するからです。このようなことを書くと、身も蓋もない感じになってしまいますが、ここはきちんと説明しておきたい部分でもあるので、以下で述べます。  競争資金の申請書における大事な要素は何でしょうか。研究計画

          効果を期待できるタイプは? 科研費「請負人」ではないけれど。(2/4)