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科研費振り返り(2020年度):読む人に理解されるための、ごく基本的かつ重要な書き方

(2月5日追記)
・(3)の見出しを変えました。(旧)いきなり書き始めていませんか(新)いきなり書き始めていませんか--アウトラインの存在が見えない
・木下の文献情報に「82版」を追加しました。

 当プロジェクトは、理系研究者の方を対象にした、きちんと伝わる文書を作成するためのパートナーです。去る2019年11月に締め切られた2020年度科研費申請において、当プロジェクト参加者の先生方の文書を見ていて気づいたことをまとめました。書くことが苦手な人に共通する部分も多々みられたことから、同様の課題を感じている方のために共有します。

 ポイントは、①共通してみられた書き方と分析、その②対処法、③今後のために--の3点に絞っています。なお、本申請時に当方で対応した分野は創薬、再生医療、動物行動、宇宙物理、消化器内科などです。

 当記事が特に想定している読者は、文章を書くことが書くことが苦手だと自覚している方や、自分が書いたものが理解されないことが多いと悩んでいる方が中心です。有料記事につき予めことわっておきますが、文章を書くことが得意である、それほど苦にならないという方はお金を払って読まなくても問題ないでしょう。つまり、内容は書く作業をする上ではごく当たり前のこと(だが実践されていないことも非常に多い)です。しかしながら当記事では、広く理解される文書を書く上で、あらゆるレベルの方に共通して必要なことをまとめています。

 なぜなら、当プロジェクトにおいて文書をチェックする担当者は文系学位を持つ者であり、担当者が理解できる程度に文章をまとめることを目指しているためです。ここをクリアできれば、査読者にもたいていは理解されるはずです。当プロジェクトについては、「科研費始めました。」をご覧ください。また、書くことが本当に苦痛で苦手で、でもどうにかして研究費を確保するアシストが欲しいという方は、弊社ウェブサイトをのぞいてみてください。

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5,142字

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