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#8 ポシュロウの人たち【森 和美さん】

山本:
わざわざ、これ、また僕が聞くのもおかしいですけど、和美さんの今のお仕事とか、これまでのお仕事などを、読者の方に伝えたいので、お願いしてもよいでしょうか(笑)
 
和美:
はい、はい、自己紹介的な?なんかシンプルな感じでいい?(笑)
 
山本:
シンプルで大丈夫です!ざっくり系で!(笑)
 
 


・・・
良い意味で、そんな雑な会話でも成り立ってしまう、
今回は私の前職からの仲間であり、ポシュロウの監修者の一人でもある
森和美さんにお時間をいただきました。 


森 和美(Mori Kazumi)
ソーシャルワーカー
精神保健福祉士/公認心理師

【略歴】
大学で心理学を学び、社会人経験を経て精神保健福祉士取得。社会福祉法人で就労移行支援/就労継続支援B型に約8年半携わりサビ管・管理者を経験。その後株式会社LITALICO入社。採用/HR(人事)で福祉専門職採用や社内で働くスタッフのサポートに携わる。2021年~フリーソーシャルワーカーとして活動中。NPO法人Social Change Agency メンバー。

【好きなこと】
・美味しいものを美味しく食べること
・お酒を飲みながら話して笑うこと
・ヨガやストレッチをした後のリラックス

【苦手なこと】
・好きそうと言われるけど動物が苦手
・だいたいじゃだめな細かすぎること

“ポシュロウを良い意味で「新しい」と感じなかったわけ”

和美:
えー、森和美です。精神保健福祉士と公認心理師という資格を持っていて、主にキャリアとメンタルヘルスの領域で活動してきました。
これまでは障害のある方の就労支援を8年半ぐらいと、企業の人事の経験をスタートに、フリーランスのソーシャルワーカーとして独立し、今はメンタルヘルスやダイバーシティ推進に関わる活動をしています。
 

山本:
すばらしい!綺麗にまとめて頂いて(笑)
ちなみに和美さん直近の仕事のボリュームはどの辺が多いんですかね?

 
和美:
これまでは障害のある方と関わることが多かったんですが、
直近は障害の有無関わらず、働くにあたって、自分の軸を探したりとか、
キャリアチェンジする時に今後どうしていこう?みたいな。
転機のときって、どうしてもメンタルの影響を受けるので、モヤモヤや不安というようなテーマで相談を受けることが多いですね。


山本:
最近、関西に拠点を移されたんですよね。大きな変化はないですか?
 

和美:
基本はオンラインでできる仕事をやっているので、オンラインカウンセリングとか、ライターもやっているので、企業インタビューの記事を書くとか、そういった既存の仕事はずっと続けている形です。

あとは、これまでつながっていたけど、直接お伺いできていなかった企業の人事さんにお会いさせてもらったり、メンタルヘルスに関して社員の相談のお話をいただいたり…とか。

そんな話をもらったりしてます。
 

山本:
引き続き幅が広いですね~!
 

和美:
私は組織の人間でも、制度上の施設の人間でもないので、そうじゃない形だからできることをやっている感じですね。
 

山本:
今の時代便利だから、遠隔でも色々できちゃうしね。
 

和美:
私は子育て中とか、夫が転勤族だとか、そういう要因からオンラインを選んでいるけど、現場に出たくないというのは特にないので、出れる機会があれば、全然出れたらと思います(笑)
 

山本:
呼ばれたらね(笑)和美さんは勝手に輪が広がっていきそうだし。
 

和美:
そうそう!だから逆に広がりすぎないようにするのが大事だなと思っていて。
広がりすぎると、色々生活のバランスが崩れてしまうので(笑)
それも私のキャリアや、子どもの成長とともにどれくらい広げて、どれくらい稼働するかとかも変わっていくだろうなと思います。
 

山本:
そんな中でポシュロウの監修に入っていただき、もう半年くらい?経つわけですが。
 

和美:
早い~!
 

山本:
ポシュロウの話が最初来た時、どう感じました?
 

和美:
たぶん、監修の話よりも前に、実は社内でこういう発表しようとしていて、構想を聞かせてもらった気がする。
 

山本:
そうか、コンテストのタイミングでもう話してたんだ。
 

和美
私はたぶん前職の時からずっと、直さんとそういう話ばっかりしているから、いい意味で『意外!』とか『新しい!』っていうよりかは『直さんらしいなぁ』みたいなことだったり、
『うんうん、ここだよね!』みたいな感覚が一番強かったかも知れない。
 

山本:
嬉しい感想だなぁ。
たしかにその時は、いいよねって、ナチュラルに背中を押してもらった気がしますね。
で、その後に事業化するってなってから動画コンテンツの監修を依頼したんですよね。
 

和美:
そうそう、「お、動画コンテンツの監修か、おもしろい」みたいな。
 

山本:
その「おもしろい」はどういう「おもしろい」だったんですかね?
 

和美:
たぶん「中田のYouTube大学」が好きみたいな話をしてたと思うんだけど、
一番伝わりやすい形って動画じゃないかと感じていて。
ちょっと難しかったり、触れづらかったりするようなテーマだからこそ、音声とか視覚とか、そういうものに乗せて伝えると、受け取る側もスッと受け取れるんじゃないかと思った記憶があります。


今回はオンラインでの対談となりました。

 

“ポシュロウの難しさと、面白さ”

山本:
これまで和美さん個人がお仕事として、研修動画をつくったり、インタビューを受けたり、ラジオをやったりはあると思うんですが、
いろんなプロの人と一緒に動画をガッツリつくるみたいなのは初めてになるのかな?
その難しさとか逆におもしろさみたいなものって、実際進める中でどう感じますか?
 

和美:
そうですね、本当にこういう色んな人と協力しながら作るみたいなのは初めてです。
難しさでいうと、今、担当しているコンテンツのテーマが就労支援だったり、障害者雇用の法律的なところとか、制度、仕組みたいなところなので、
わかりにくかったり、硬くなりがちなテーマをどんな言葉でかみ砕けばわかりやすくなるのかなとか。
聞いている側も退屈しなかったり、聞きやすくなったりするかが一番難しい。
ソーシャルワークとか、相談支援の専門性とはまた別のところでの、
どうやったら伝わるのかというのは新しい取り組みで、試行錯誤しなきゃなと思ってます。
 

山本:
なるほど!
 

和美:
逆にエンジニアさんとか、デザイナーさんとか、いろんな方と関わらせてもらう中で、
みんなで「ダイバーシティや障害者雇用ってなんだ」とか「自分らしく働くとはなんぞや」と話をしていて、
必要な人に届く前の段階で、これまではそこに関わってなかった人たちが「そういうことか!」と視点を広げられるところを感じられるのはすごく面白いなと思います。
 

山本:
手前味噌ですけど、社内でもポシュロウをはじめとする社内での取り組みをきっかけに、DEIについて、ご自身で必要だと思って差別の歴史まで調べて勉強されていた畑さんという社員さんがいたり、
先日も、アクセシビリティの解釈についての社内のやりとりで、私が介入する前に、井川さん(#7に登場)が気づいて、こうだよ!って説明をしたり、みんなで理解を深めている姿を見て、すごすぎる!!と感動していました。

和美:
へえ~!そういう繊細さが必要なのはこの領域の特徴ですよね~!
 

山本:
ほんと、そうかもしれませんね!
ちなみにシステムの設計やデザインにも少し入っていただきましたが、そのあたりはどう感じていますか?
 

和美:
もし私が中途障害になったとして、福祉とか、障害者雇用とかワードを使うものの中に自分が使いたいって思えるものって、この世の中にどれくらいあるのかなって思うことがあって。
『かわいい!』『使いたい!』っていうような、まさにポケットに入れたいと思える、デザインもそうだし、クオリティとか、こだわりとか、そういうのがポシュロウらしいなと。
 
福祉の言葉を使うと『尊厳を大事にする』みたいな言葉になるのかなって思うんですが、やっぱり人生ってうまくいかなかったり、凹んだり、自分の存在が小さなものに思えたり、傷ついたりするわけじゃないですか。
 
なんかそういったときに、今の社会の中で、あなたの選択肢これだよって提示されるものって、中にはちょっとがっかりするものもあったりすると思うんですよね。
そうではなく、こんな選択肢があるよって出てきたものがポシュロウだったら、私はすごく心が軽くなるというか、使いたいとか、こんなのあるんだとか思えるようなものだなって思ってました。
 


山本:
いやぁ、そう思ってくれていたなんて嬉しいです。
 

和美:
まぁ日々伝わっていたと思うけれども(笑)
 

山本:
あと、そういう意味では、価値の共通認識が持てたうえで、和美さんに、他の監修者の方をつないで頂いたのも大きかったな。
 

和美:
私の最も大きな功績はそれではないだろうか(笑)
 

山本:
ほんと!ほんと!(笑)
ちなみにつないでくださった方は、どういう部分というか、フィーリングが合うと思ったのか、それを言語化するとどんな感じですか?
 

和美:
共通しているのは、自分の軸、芯もあるし、熱量とかも高いし、若干それぞれ頑固なところも合ったりするんだけど、でもアウトプットとしてどれを選ぶかっていうときに、みんな基本柔らかい、優しい感じ。
ポシュロウもサービスを言語化するプロセスで『御守り』みたいなキーワードがあったけど、『勇気付ける』とか『背中を押す』とかよりは、『そこに居る』みたいな。

無理に伴走したり支えたりするとものではなくて、主導権は使ってくれる人にあるというのが前提にあると思うので、そういうアウトプットが共通しているかなって思います。
 

山本:
なるほど~!その感覚は、まさに和美さんのソーシャルワークですね。
自分をきちんと理解している方と一緒にやっているのはすごく大きかったですし、
最近やっと自分の中で煮詰まったパーパスやビジョン、クレドづくりのところとか、壁打ちの時間もらったのもありがたかったですね。


和美さんとサービスの在り方を壁打ちしていた際のメモ


“ポシュロウにおける「揺れる」”

山本:
先ほどおっしゃっていた『動画を作るうえで、わかりやすさを大切に』という話もありましたが、もう少し広い文脈で、サービスに関わるうえで、大切にしていることみたいなものって和美さんの中でどうですかね?
 

和美:
私はフリーランスなので、いろんな仕事をやっているうちの一つとして、ポシュロウにコミットさせてもらっているのだけど、それはポシュロウというサービスだからというよりは、直さんがやっているからみたいなところが一番で。
直さんが目指していきたいところって、私も目指していきたいところとすごく近しいところが元々あって。
私はサポートの立場で、できることをやろうっていうのがあるんですけど、
その目指したいことからブレないようにしていきたいです。
 

山本:
ありがたい・・・。
 

和美:
商品にしていくことってとても難しくて、いろんな人も巻き込むし、お金のこともあったり、できること、できないこと、本当はこれくらいやりたいとか、いろんなことがあるじゃないですか。
でもここは押さえておかなきゃいけないというところを見失わないようにしたいなと。
そこが一番なんじゃないかと思います。
 

山本:
僕はビジネスサイドの視点を持ちながら、サービスとしての本質みたいなことを考えて、両軸のバランス持って回し続けるって、相当タフだと思っていて。
よく福祉だと、運営の管理を中心としたセンター長という役割と、支援の質を中心としたサービス管理責任者と二人体制で運営するみたいなケースがあると思うんですが、やっぱり脳みそは基本的に二つあって、二つ使った方が良いんじゃないかと思っているんですよね。
 

和美:
うん、うん!
 

山本:
なので、一人でできているつもりになっていると怖いというか。
一つの脳だと、どっちもバランスしているつもりでも、結局体重乗りすぎちゃことがあるかもしれないので、和美さんがサービスの本質みたいなところで、ちゃんと軸をぶらさないようにって関わってくださっているのは、ありがたいですね。

 
和美:
直さんが、たまに『揺れながら進む』みたいな言葉を使うと思うんですけど、今ふたつの脳を使うっていうので、すごいしっくりきました。

 
山本:
ほう!なるほど!

 
和美:
Aさんと、Bさんがいたとして、別々の意見があって、Aさんからみたらそれが正解だし、Bさんから見たら別の正解あるよねっていう、そういう意味もあると思うんですけど、「自分の中」でもなんだなと。

 
山本:
そうそう、自分の中での「揺れ」を大切にするというはあります。
 

和美:
そういう揺れることを許せない人もいるじゃないですか。
どっちかに決めなきゃいけないとか、こっちが正解とか、その方が、スムーズに行ったり、普通とされるところあるけど、
それこそポシュロウは『揺れていいところがあっていいよね』という感じですよね。
 
山本:
そうなんです!
最近思うのは、大なり小なり、人って無自覚に矛盾している側面がいっぱいあるんじゃないかと思うんです。
そこをある種、それを前提として、悪としないというのはあるかもですね。
揺れることが悪いんじゃなくて、揺れたときになぜ揺れているのかって考えるのが、自分の価値観に触れるスタートだったり、他者との対話の始まりだと思っています。


 

“ポシュロウのこれから”

山本:
最後になっちゃいますが、ポシュロウというサービスに対する期待って何かありますか?
 

和美:
先日のミーティングで、これからサービスがリリースされて、企業の方とも色々やれたらいいなっていう話をしていたと思うんですけど、
ただ動画を見てもらうサービスではなく、ポシュロウが作れる循環があるだろうなと思っています。
それが障害者雇用っていうテーマで関わっている企業さんだとしたら、
ポシュロウをきっかけに、その企業の担当者の方同士がダイバーシティについて色々話せる場があるといいよねとか、
ポシュロウに触れることによって、はじめてこういうテーマを知ったとか、自分以外にもこういう人いるんだなぁとか、そういう気付きや繋がりが増えるといいなと。
 
私たちが、作っている段階で、それを身近に感じているように、ポシュロウっていう、複数の人が関わって作っているプロダクトだから、個人でやるよりもっと大きな循環がつくれるんじゃないかという、すごい楽しみがあります。
 

山本:
和美さんがこないだ企業の人たちが思いを持っていて、いろんな工夫をされている方がいて、そのナレッジをシェアできる仕組みがあると良いよねっていうツイートしていたと思うんですけど、それ、ポシュロウでやりましょうって思っています(笑)


和美:
私も、これポシュロウでやれることだなと思いながらつぶやいた(笑)
 

山本:
そうだったんですね!
いやぁ、今日のこれ、もうそのまま文字起こしして記事にできそうだな。
ある種、客観的に違う言葉で、ポシュロウを語ってもらって、違う輪郭が見えた気がして面白かったです。
 

和美:
なんか普段からしゃべっているけど、色々出てくるところが面白いですね!


【編集後記】
和美さん、改めて今回はお話のお時間ありがとうございました。

福祉では「伴走」とか「エンパワメント」とよく言いますが、きっととても繊細な作業で。前を走るわけでも、後ろを走るわけでもなく、でもたしかにその方が一緒に走っていて、それが力になったり、もう一歩に踏み込むための勇気になったり。
まさに私は和美さんのそんな伴走により、エンパワメントをしてもらっている一人なのですが、
普段、感覚的にお互いに色々わかるからこそ、今回の対談を通じて、改めて言葉にしあうことで、ポシュロウの在り方がさらに深まった気がします。
そして、昔からあるビジネス書の代表的なものに「ビジョナリーカンパニー」という本がありますが、その中で「プロダクトよりも企業文化そのものが重要な資産である」ということが書かれています。

ポシュロウにおける大きな資産(カルチャー)の基盤を作ってくださっている一人が、間違いなく和美さんであると思いました。
                                山本



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