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かくれ繊細さん/外を見過ぎている人


ふたりでふたつのケーキを食べます。ショートケーキとガトーショコラ、どっちが食べたい?と聞かれたら、あなたはすぐに答えられますか?

私は殆どの場合、即答できません。敢えて答えるのならば「あなたが選ばない方」という答え方になります。つまり、「お先に選んでください」と答えます。

あなたがショートケーキを食べたいのであれば私はガトーショコラを食べたいし、あなたがガトーショコラを食べたいのであれば私はショートケーキを食べたいです。だけど本当は、本当の本当は、あなたの回答がどちらであれショートケーキが食べたかったな。と、思っている。そういう人間です。いや、そういう人間でした。んー、半分くらいは今もそういう人間かもしれません。

前回、お話させていただいた、かくれ繊細さん=HSS型HSPのこと。

少し時間が空きましたが、こちらの続きを書いていきます。

はみ出した感受性を隠してしまって自分の本当の気持ちが分からなくなってしまう。そしてその事実に落ち込んでしまう。ということを前回お話したのですが、私はこれらを改善出来てきました。それは何故なのか?それは、海外生活のおかげです。というより、海外生活で出会えた友人のおかげです。

冒頭の2択質問。これほど苦手なものはありません。「本当のこと言っていいの?私が私の欲しいままに選択することで、あなたや誰かが我慢することにならない?」という考えが過るので、即答なんて出来ません。仮に私が心のままにショートケーキ!と答えたとして、あなたが、本当はショートケーキを食べたかったのになという顔を覗かせたら、申し訳なさの後味が消えないと思います。

けれど、この世は選択問題で溢れています。海外に行っても、やはりそうでした。いえ、海外は2択どころではありません。仲良くしていた友人からは「何がしたい?」「どうしたい?」とよく聞かれていました。もはや選択問題でもなく自由回答問題。WhatとHowを駆使した質問攻撃です。私はいつも即答できないでいました。選択問題よりも遥かに正解を探すのが難しい。そうして答えられないで、えーっとね、、と考えていると、いくつかの選択肢を与えてくれるのです。Whichにまで絞ってくれる。

そして「あなたに合わせるよ」は、通用しませんでした。いくら時間がかかっても、彼女たちはあくまでも”私がしたいこと”を一緒にしよう、というスタンスでいてくれました。私の答えを待って、私の答えを受け入れてくれる。私のビザが1年間の期間限定だということもあって、やりたいことしようよ!という思いだったのかもしれませんが、その優しさによって私は少し変われた気がします。

彼女たちは、いつだって私にチャンスを与えてくれました。選択するチャンス、意思表示をするチャンス、自分のことを考えるチャンス。そんな優しさによって、私は自分の本当の気持ちを伝える練習を、繰り返しさせてもらっていたのです。

そして何より、彼女たちが彼女たち自身の感情に正直に生きていることを、素敵だなと思っていました。年齢に関わらず学びたいものがあるならば大学に行く。好きなことにお金をつかう。食べたいものを食べる。会いたい人に会う。自由奔放なようでいて、”好き”に忠実に、自分が自分の為に選択した日々を自分で生きる。それが、自分の人生に責任を持っている。というように私には思えました。

私はいつだって「相手にどう思われるか」「周りが私をどう見るか」「みんなやその場の雰囲気」を意識していました。選択問題や自由回答問題の質問をされた時は、まるでテストかのように正解を探します。自分の気持ちではなく、相手やその場にとっての正解を。

かくれ繊細さんの本にも記されていたように、いつも自分の外に注意を向けているのです。自分自身ではなくて。だから感情表現さえも思いのままに出来ないし、何がしたいかも言えないし、ケーキだって選べない。けれど、外に注意を向けている分、周りに合わせることは得意です。

以前、自分がかくれ繊細さんであることを知る前に、このような記事を書きました。

正しく、この通りだったのです。自分を見る前に周りを見る。他人のフィルターを通して自分を確認する。だから本当の自分が分からないし、周りと比べてばかり。本を読む前に、海外で彼女たちと過ごすことで、この事実に気付くことが出来ていたのです。文章だけで知るよりも、自分で体験・体感して気付けたことは良かったなと思います。

自分の本当の気持ちが分かるようになってから、本当に生きやすくなりました。周りと比べることもなくなりました。キラキラしていなければならない気がするインスタ投稿にも興味がなくなりました。そしてすっかりnoteの住人です。

外側に向けていた注意を、内側へ向ける。誰かに向けていた意識を、自分自身へ向ける。そうすることで、自分のことが分かるようになってくる。自分が持っているものが愛おしく思えてくる。自分の気持ちを自分が大切にする。そうすることできっと、もっと他人の気持ちも大切に出来るのかなと思います。


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