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【短編小説】 6月21日

足立区のミニシアターが主催する短編映画のコンペティション。自分よりも10歳くらいは若い監督の現場を見る。

僕はインスタグラムなんてやっていないからよくわからないけれど、フォロワーの数がとても多くて……実際アカウントを覗いてみるとなかなかいい絵を撮っているんだよ、と僕の映画の編集を手伝ってくれている人が言った。「撮影現場は事前に告知されていて、見学は自由らしい。行ってみないか?」



僕はあまり乗り気ではなかった。しかし誘ってくれる人の情熱に負けて足を運んでみることにした。

現場へと向かう電車のなかで僕は新しい小説を読み始めた。半年くらい前に、僕の自主映画を観てくれた人が勧めてくれた小説だ。

その人は2つ年下の大学の後輩で、僕とその人は同じ映画サークルに所属していた。多くの人が映画を「大学時代の趣味」と割り切って足を洗うなか、僕とその人は映画をあきらめなかった、めずらしい種類の人間だ。サークル在籍時は、僕の映画に出演してもらったこともある。僕が先に卒業してしまってからは、連絡はとくにとっていない。



半年前に新作を上映した。新宿駅からしばらく歩いたところにあるミニシアターでの単館上映。その人は僕の映画を観てくれたらしい。どういう経緯で僕の映画を観ることになったのかは知らないけれど。


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