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憧れは「おちょやん」の浪花千栄子さん。 いつか町家で猫や犬に囲まれて暮らしたい! 絵描き・犬ん子(いぬんこ)さんの夢

猫って、不思議な生き物です。言葉は通じないけど、感情が伝わってくる。でも、何年一緒にいても、わからない部分がある。あの絶妙な距離感が、わたしたちを惹きつけます。
「猫の日」に向けて、その魅力を味わい尽くしたい。この特集では、そんなあなたのために、作家さんやポプラ社メンバーによる「ねこがたり」を一週間にわたってお届けします。

■連載第二回目は、絵描き・犬ん子さん。

ポストカードやてぬぐいなどで縁起のいい猫の絵を数々発表し、絶大な人気を誇る犬ん子さん。そのちょっと懐かしく、愛らしい絵の世界は見る人を惹きつけてやみません。でも、お名前には「犬」の文字が。本当は犬派? 猫派? それともどっちも派?? 現在放送中のNHK連続テレビ小説のオープニングでも千代猫をはじめ魅力的なイラストを手がけられている犬ん子さんに、猫愛について、語っていただきました。

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こんニャちわ、絵描きの犬ん子と申します。
何度となく聞かれるのですが、名前の由来は犬好きだから、ではなく
旧姓が「犬島(いぬしま)」とゆう珍苗字で、昔から犬ちゃんと呼ばれてたことからきています。


生まれた時から犬も猫も、それこそ哺乳瓶を一緒に飲んだりしてずぅっと身近にいたのですが、東京に越してからは住宅事情もあり、今は何も飼っておりません。
いつの日か憧れの町家なんかで小さな庭があって、猫や犬に囲まれて暮らしたい‥、何ていうのは、夢のまた夢。


そんな憧れの晩年を京都で過ごしたのが、今放送中の連続テレビ小説「おちょやん 」のモデルとなった浪花千栄子さん。

大の動物好きで、特に猫は「命の恩人」として、とても可愛がられたんだそうです。何でも奉公時代に辛過ぎて便所で首を吊ってしまおうとした所、どこからともなくやってきた猫がじゃれついて離れなくなり、その気も失せたんだとか…。

浪花千栄子と猫 再


そんなエピソードもあって、「おちょやん 」オープニングの主人公を猫にしたのを、この絵を描いていて思い出しました! 京都の撮影を見学に行った際には、浪花千栄子さんのお墓参りに伺いましたが、今回は千代猫がご挨拶の図を描いてみました。

浪花千栄子さんには、これからも天国から御見守りいただければなと思っております。

■プロフィール

絵描き 犬ん子(いぬんこ)                     挿絵師。東大阪出身。浮世絵や大津絵、引札など日本の大衆絵画に影響を受けたユーモアと哀愁あふれる独自の世界が幅広い層から支持されている。NHK連続テレビ小説「おちょやん」のオープニングイラストや子ども向けテレビ番組、展覧会ビジュアルの他、絵本作品も多数発表している。作品に『おかめ列車』(好学社)、絵を手掛けた作品に『こんぴら狗』(今井恭子作/くもん出版)、『ねこのたまたま』(倉本美津留/好学社)、『モモリン』(立川志の輔/あかね書房)、『おちゃわんかぞく』(林木林/白泉社)、2020年には『はっけよーい』(ケロポンズ/ポプラ社)を刊行。コロナ禍で思い切り体を動かせない子どもたちに元気を届ける絵本として、人気を呼んでいる。