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ロゴを見れば、本に込められた思いがすぐ分かる!――新しいロゴが出来るまでをデザイナーにインタビュー

本づくりの裏側をご紹介する、「新しい本が出来るまで」のコーナ。
今回取り上げるのは……

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6月に出たばかりのこの本の…

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背表紙の……

無題

ここです!!

ずばり、本の「ロゴ」についてご紹介したいと思います! 

まずは、こちらのロゴを、ぱっと見てみてください。


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どうでしょうか? このくまのロゴ。
かわいいですよね^^ 楽しそうな感じもします。
くまの下には「GO!GO!ブックス」とポップなフォントで書かれていますね。
なにやら勢いの良さを感じます。

全身だとこんな感じ。

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歩いてます! 
くまがどんどん進んでいく様子と「GO!GO!ブックス」という文字から、「読書体験の第一歩」という感じがしてきませんか?(強引ですね)



こちらは6月に誕生した新シリーズ「GO!GO!ブックス」のロゴです。
このシリーズは、「読書が苦⼿な⼦にも読む楽しさを感じてほしい!」、「自分にぴったりな1冊と出会ってほしい!」という編集部の熱い思いから出来上がったシリーズなのですが、その思いを受けてデザイナーさんがこのロゴを生み出してくださいました。GO!GO!ブックス編集部のお気に入りのロゴなのです。

このロゴはこんなところや、

棚プレ1

こんなところにも。

チラシ2

いろいろなところで本の魅力を発信してくれています!

本をつくるとき、内容や帯のキャッチコピーにメッセージを込めるのはもちろんですが、ロゴにもその作品のメッセージが込められています。文章は読んでみないと伝わりませんが、パッと見ただけで印象をつたえることが出来るのがロゴの強み。そんな素晴らしいロゴについて、今回はGO!GO!ブックスのロゴを生み出してくださった、デザイナーの野条友史さん(BALCOLONY.所属)にお話を伺いました。


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〇まずは、野条さんの普段のお仕事を教えてください!

――ブックデザインをメインに担当しており、実用書から小説、漫画、雑誌、画集など広いジャンルで制作しております。
また、所属しているBALCOLONY.という会社は、アニメ・漫画やゲームなどエンタメコンテンツを得意とする会社ですのでCDやBDなどのパッケージからプロモーションのグッズ、Webサイトやキービジュアルの制作など、自分もその中で、様々なエンタメ系のデザインを行っております。

〇児童書の新シリーズのロゴをご依頼させていただきましたが、このお話が来たときはどう思われましたか?

――新しいシリーズのロゴということで緊張もありましたが、同時にやり甲斐のあるお仕事を頼んでもらえたなと感じました。児童書ということもあり、愛着を持って貰えるようなものが作れたらいいなー、とイメージを膨らませつつ初回の打ち合わせに臨みました。

〇今回のロゴの制作では、まず、なにから始めたのですか?

――私の場合はどの制作でも同じく、ご依頼してくれた担当者さんのお話を聞くところから始めます。今回はコンセプトシートを丁寧に頂いてましたのでそこを元にしつつ、現状で持っている形や色などのイメージなどあれば聞いてみたりします。
その後、下調べする作業です。同じ児童書のロゴはもちろん、実際にこどもが好みそうなものや、最近のロゴの傾向、GOGOと名前が付くものなども可能な限り調べてみます。
大体のイメージやコンセプトが固まったら、今回のロゴでは一緒に制作してくれたデザイナーとイメージを共有して実際にロゴを作り始めます。

〇ぜんぶで何パターンのロゴを考えたのですか?

――一緒に制作した荒川くんがロゴ制作がとても得意なデザイナーなので
ちょっとしたものも入れると20案くらいを考えてくれました。

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▲野条さん・荒川さんが考えてくださったロゴ。バリエーション豊かで面白いです!


〇どのように案を絞っていったのですか?

――今回の場合は初回で5つの案を提案しましたが、バランスを見ていろいろな考え方が提示できるように絞っていきます。
「このロゴの場合だと少し真面目に感じるし、このロゴだとやや砕けた印象になるかも~」みたいな感じですね。

アピールポイントが同じものに関しては、集約して絞っていきますが
今回は少し多くなってしまいました。

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▲最終的にポプラ社にお出しいただいたロゴ。それぞれにコンセプトや使用例が。


〇動物をロゴに取り入れるアイディアはどこから来たのですか?

――GO! GO! ブックスの名前に込められているのが「本をひらいて、いろんな世界へGO! GO!」という読書体験の第一歩への誘いということでしたので
読書体験を誘ってくれるようなキャラクターをロゴにするというアイデアが出て来ました。児童書ですので、あまりかっちりしたものよりも、親しみが湧くような、可愛いキャラクターを探りつつ、あまりにエンタメっぽくなりすぎないバランスをとったつもりです。

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▲初期のロゴ。最初は様々な動物たちが候補として挙がっていました。

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▲楽しいロゴの展開案もいただきました。もう完成したかのようなクオリティの高さです!


〇複数の動物のロゴの中からくまを選ばせていただきましたが、くまのロゴになったときはどう思われましたか?

――社内的にも気に入っている案でしたので、嬉しいなと思いました。
動物を他にもいくつかお出ししていましたがクマってロゴなどにしやすいし、形の収まりもよく、余計なイメージもついていないので、やっぱりクマだよね~と思いました笑


〇このキャラに名前はありますか? 心のなかで呼んでた名前などは?

――動物ロゴ全体を「アニマルズ案」と呼んでいましたが、くまだけになったので、名前がなくなっちゃいましたね。ポプラ社さんで是非つけてください!

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▲GOGOぶっくま、くまGORO、GOGOべあ、など社員もみんな独自の名前で呼んでいます(笑) 今後読者のみなさまから名前を募らせていただくかも?


〇このロゴの「ここを見てほしい!」というところはどこですか?

――書籍のジャンルによって背のロゴが表情が変わることでしょうか。遊び的なポイントなので、知らなくてもいいのですが気づいた人がちょっと嬉しいといいなと。これからシリーズがだんだんと増えてきた際に本屋さんでいろいろな顔が見れるといいなあと思っています。ロゴに関してはシリーズに書籍が増えて来たり、プロモーションを行うことで育っていくものだと思います。是非ポプラ社さんで可愛がって育ててくださると嬉しいです!

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▲くまの表情は全部で4パターン。お話の内容によって変わる予定です!

〇野条さん、ありがとうございました!

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ぜひ書店さんに行かれた時は、棚にささった本たちもチェック☆キャッチ―なロゴたちが、お出迎えしてくれるかもしれませんよ!

★「GO!GO! ブックス」シリーズについては、こちらの記事でも作家・高楼方子さんからアイデアを生み出すきっかけや執筆時に考えていることなど創作のヒントをお話しいただいております。合わせてぜひご覧ください!