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児童書編集者が選ぶ「クリスマスプレゼントにおすすめの絵本」🎄

もうすぐ待ちに待ったクリスマス!
街中がイルミネーションでキラキラ輝いて、何歳になっても、こどもの時のような気持ちでワクワクしてしまいます。みなさん、大切な人に贈るクリスマスプレゼントはもう買いましたか? もしもまだ悩んでいて、「間に合わない、どうしよう!」と思っていた方に朗報です!

今年のクリスマスプレゼントに、絵本はいかがでしょうか?🎅🎁
今日はポプラ社の児童書編集者が心からおすすめするクリスマスプレゼントにぴったりの絵本3冊をご紹介します。📕
もちろん来年のプレゼントの参考にしていただてもOKですよ!
では、どうぞ~!!✨🎄🎄🎄✨

こどもが喜ぶ! めくるのが楽しいしかけ絵本『クリスマスのかくれんぼ』

さっそく個人的な話ですみません。

最近あった、クリスマスプレゼントに関するエピソード話しても良いですか?

私、とあるマンションに引っ越してから2年くらい経つんですが、同じ建物に大家さんのご家族も住んでるんですね。80代後半のおばあさんは、いつもマンションの周りの掃除をしてくれて、元気な、とても良い大家さんなんです。ある日、朝出勤する時に声をかけられました。たくさんいる孫、ひ孫たちのために、クリスマスプレゼントを買いたいんだけど、何を選んで良いのか分からない、と。そこで私、やはり児童書編集者ですから絵本をおすすめしました。今回取り上げるのは、その中の1冊です!

どうぶついろいろかくれんぼをはじめとした、いしかわこうじさんの大大大人気シリーズ「これなあに? かたぬきえほん」の中から、『クリスマスのかくれんぼ』(いしかわこうじ 作・絵)をご紹介します。

ページが型抜きになっていて、かくれていたモチーフがあらわれる、とっても楽しい絵本です。
クリスマスのスペシャル版ということで、ゆきだるまや、プレゼントツリートナカイなど、クリスマスムードたっぷりのアイテムが次々と登場します! 表紙も金色に輝き、とっても華やか! うちの子も絵本を見せた途端、ページをめくる手が止まりませんでした。小さなお子さんにプレゼントを考えている方にはおすすめの1冊です!

大家のおばあさんにこの絵本をおすすめしたところ、とっても気に入ってくださり、全国にいる6人のひ孫たち全員に、この本をプレゼントする! と言っていました。
さて、来年は何の本をおすすめしようかな、と思いめぐらす今日この頃です。

(文・齋藤侑太)

クリスマスは、うさこポジティブに過ごそう!
『めがねうさぎの  クリスマスったらクリスマス』

わたくしごとですが、メガネがないと世の中がぼんやりとしか見えず、家のいたるところにメガネを置いています。

今回ご紹介したいのは、メガネをすぐに失くすうさぎのうさこと、おばけが出てくるめがねうさぎの クリスマスったらクリスマス』(せなけいこ 作・絵)。

この絵本、もう、すべての登場人物がツッコミどころ満載なのです。

まずは、おばけ。

モミの木の上で昼寝をしていたものだから、

クリスマス用に切られた木とともに、そのままうさこの家へ……。

次は、サンタクロース。

くまの子用のグーグージュースを飲んでぐっすり寝てしまい、プレゼント配りができなくなるのです……。

そんなこんなで、メガネを探しているうさこのところにサンタ代役の依頼が。うさこの家のツリーに隠れていたおばけも、「ぼくも行く!」とサンタクロースの仕事を買って出ます。

サンタの代役なんて、それだけでもうらやましい話ですが、ちゃんと終わりにはプレゼントが。

うさこはすぐに失くすメガネを大量にもらい、おばけは欲しかったクリスマスケーキをもらい、めでたしめでたし!……かと、思いきや、

作者のせなけいこさん、そんな簡単には終わらせません。

気前の良いうさこはメガネを友達や植木鉢や長靴にまで配ってしまったので、またまた「メガネはどこいった」という日常に戻ってしまうのです。

さてはて、友達は度の合わないメガネをもらって本当に嬉しいのだろうか……そんなことは、気にしない気にしない!

見えても見えなくても、気にしない。

何事もぼんやりくらいがちょうどいいのかもしれない、そんなことまで考えさせられる、うさこの奥深さです。

大人のみなさまも、うさこポジティブを見習って、どうか楽しいクリスマスをお過ごしください。           
                         (文・小堺加奈子)

夢のように美しく、幻想的な写真絵本でクリスマスを……!『サンタクロースの おてつだい』

『サンタクロースの おてつだい』(ロリ・エベルト 文/ペール・ブライハーゲン 写真/なかがわちひろ 訳)の原書をはじめて見たとき、私はその写真の美しさに一目惚れしてしまいました。これを見たら、子どもたちはきっと、サンタクロースは本当にいるんだ、って思うにちがいない……! 
そう思って翻訳出版したのが2014年。今でもその想いは変わりません。

見てください、この素敵な表紙を……!

この絵本は、寒い北の国に住む女の子・オンヤが「そうだ、サンタクロースにあいにいこう。おてつだいを しますって いいにいこう」というシーンからはじまります。
みてください……この不思議な美しい世界……!
真っ白な雪景色の中、サンタクロースに会うために出かけたオンヤを助けてくれるのは、森にすむ鳥や馬、そしてしろくまたちです。

中でも私の一番のお気に入り、みなさんにご覧になっていただきたいのは、
このシーン。昼寝をしようと提案するしろくまに、オンヤが本を読んであげるうちに、ふたりはぴったり寄り添って、広いゆきのはらの中で眠るのです。
ああ、なんて気持ちよさそうなんでしょう……! 小さな女の子と大きなしろくまの友情がとても優しく伝わってきます。

ふかふかの、もうふのようなしろくまにくっついて眠ります。

オンヤは動物たちのおかげで、サンタクロースのもとへたどり着き、一晩中プレゼントを配るおてつだいをします。そして、最後にサンタクロースから、オンヤにも素敵なプレゼントが………。
「ほんとにいるのかな? どこにいるのかな?」と様々な想像をめぐらす子どもたちに、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

裏表紙にもご注目ください♪ 

ちなみに、これを読んだ我が家の娘は、「わたしも、サンタさんのおてつだいをする!」と、さっそく手紙を書いていましたよ。

(文・仲地ゆい)


🎁今回ご紹介した絵本たち🎄

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