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【PubMedで翻訳練習】Mの巻:mental health(メンタルヘルス/心の健康)

*PubMedでアルファベット順(A-Z)にキーワード検索→論文を1つ選びアブストラクトを和訳。(キーワード・論文の選択は、独断と偏見、その日の気分です。)

●本日のアルファベット:M (mental health) メンタルヘルス

●本日の論文:『深刻な精神疾患におけるメンタルヘルスへのデジタル介入を使用した治療連携:ナラティブ・レビュー』
Tremain H, McEnery C, Fletcher K, Murray G. "The Therapeutic Alliance in Digital Mental Health Interventions for Serious Mental Illnesses: Narrative Review." JMIR Ment Health. 2020;7(8):e17204. PMID: 32763881

●アブストラクト和訳

背景:メンタルヘルスへのデジタル介入は、独自の利点を持ち、これらの介入が様々なメンタルヘルスの問題に対して有効であることが、研究によって示唆されている。これらの介入は、深刻な精神疾患患者に対してはまだ確立されていないが、非常に期待が持てるものである。従来の対面診療では、治療連携に関心が寄せられているが、デジタル介入による連携の特性や転帰との関連には、特に深刻な精神疾患患者において、一層の関心が必要である。

目的:このナラティブ・レビューでは、特に深刻な精神疾患患者に対するデジタル・メンタルヘルスの治療連携に関して、更なる検討および批判的評価を促すことを目的とする。

方法:文献の主要3分野を組み合わせて、ナラティブ・レビューを行った。1つ目が、深刻な精神疾患におけるメンタルヘルスへのデジタル介入に関する論拠を調査すること、2つ目が、デジタル介入の治療連携の特性および役割を明らかにすること、3つ目が、デジタル治療連携を促進するための実用的な方策の検討である。

結果:結果は、深刻な精神疾患に対するデジタル介入において、治療介入を促進することは可能であるが、デジタル分野では、独自のまだ確立されていない特性がある可能性を示した。さらに、治療連携と転帰との直接の関連性は、対面診療に比べて、デジタル介入の方が低いと思われる。一つの可能性として、デジタル治療連携は、デジタル介入への関与や順守を高めることにつながり、そのことによって転帰に影響を与えていると考えられる。人によるサポートや技術的な機能を含む、様々なデザインや施策によって、デジタル治療連携を促進できる可能性がある。

結論:深刻な精神疾患に対するデジタル介入における、治療連携の特性や特別な役割の理解を深めるため、特に情報デザインにおいて、更なる研究が必要である。本レビューにより、デジタル介入の治療連携を発展させるためのカギとなる研究焦点を、いくつか明らかにすることができた。

●PMID: 32763881

●検索日:2020年8月24日

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Full text リンク ↓

https://mental.jmir.org/2020/8/e17204/pdf

●感想・難しかった点

精神疾患を患う人は年々増加し、現代病と呼ばれることもあります。そこに最近話題のデジタル介入や、治療連携といったキーワードを取り入れ、検討したレビューのようです。

現在のコロナ渦で、ますますデジタル介入が叫ばれていますが、ユーザーフレンドリーなインターフェースなど、利用する患者さん自身が、この潮流から置き去りにされないよう方策が必要だと感じました。

メンタルヘルスやデジタル介入など、カタカナが多くなりましたが、すでに市民権を得たカタカナ英語だと思いますので、無理やり日本語に直さず、そのままの表記にしました。ナラティブ・レビューも、日本語ですっきり伝わる訳はないですね(;^_^A

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