見出し画像

2‐2 出社至上主義に対して思うこと

ポイント:出社しても生産性は上がらないことを理解できる。


コロナウイルス(以下「コロナ」)感染拡大をきっかけに、多くの企業が、在宅勤務をはじめとするテレワークを導入しました。

少しずつ、コロナに対する国民の危機意識も薄まっており、政府も、コロナに対して、2類相当から5類へ移行し、インフルエンザと同等扱いにする方向性を示しています。

国民や政府の危機意識が薄まっていることから、企業も、テレワークから出社に切り替えるか検討しているように感じます。ここでいう出社とは、事業所へ赴くことを指します。

私自身、

  • コーポレート人事(以下「HR」)であり、

  • 部下(メンバー)をもち、

  • 3人の父親(共働き)である。

というステージにいますが、3つの立場で考えても、テレワークから出社へ切り替えることに対してネガティブです。

一方で、部下(メンバー)が早期に自立するためには、「ちょっといいですか?」と聞きやすく、タイムリーに回答できるスピードも必要であるため、シェアオフィスやテレワークできる環境がない場合は、一時的に出社する必要性はあると考えます。

2020年の内閣官房と経済産業省の調べにはなりますが、日本では、8割の労働者が在宅勤務であると生産性が落ちると回答し、9割の企業が生産性が落ちると回答しました。


一方で、アメリカでは、在宅勤務であることで生産性は上がる傾向にありました。

2023年になり、日本でもずいぶん在宅勤務(≒テレワーク)でも生産性が上がったと回答されるようになりましたが、それでもZoomやビジネスチャットに慣れない社員からは、
「チャットより電話の方がはやい」
といった類の話を受けます。

良くも悪くも、同質性が高く、阿吽の呼吸が前提で仕事をしていた日本の企業は、仕事の考え方や仕組みを変えずにテレワークを導入したため、生産性が落ちたと回答するのも無理ないと思います。

ただ、これはテレワークが生産性を落としているのではなく、これまでの仕事の考え方や仕組みがそもそも生産性が高くないように感じます。

その大きな例が、通勤や満員電車です。

しばらくテレワークで働いており、最近になって電車に乗って出社するようになってから、通勤がこれほど疲れるものとは思いませんでした。体力的にも精神的にも100%スタートではなく、60%くらいの状態から仕事をスタートすれば、そもそも世界の企業と生産性を比べられたら、大きなハンデです。

その他、過干渉やマイクロマネジメントが、未だに上司の責務と思っている社風や評価制度というのも、非生産性的な考え方や仕組みであると思います。

このような非生産的な考え方や仕組みのもとにテレワークを導入すれば、テレワークを導入した結果、生産性を落としたと思うのも無理ありません。

また、時間×労働、を前提とする日本の労働関連法令も非生産性に拍車をかけているように思います。

テレワークが生産性が上がるグローバルスタンダードである中で、時代錯誤な仕事の考え方や仕組みを見直し、テレワーク併用で仕事が上手く回るようにすることが、今のHRに求められているように思います。

また「飲みニケーション」や対面のコミュニケーションも人間関係構築には必要だと思いますが、なにも出社しなければ達成できないわけではなく、テレワーク併用で生産性を上げ、例えば8:30~14:00まで仕事をして、15:00~18:00で交流を図ればいいのになと思うとともに、願っています(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?