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女性にこそおすすめする、フリーランスとして働くメリットとは?

今回は、さまざまなライフイベントによって生活に変化が起きやすいと言われている「女性」にスポットを当て、女性がフリーランスとして働く際のメリットを中心に理解を深めていきます。

近年、女性の社会進出が世界的に進んでいます。日本は残念ながら世界でもジェンダーギャップ指数が低く、まだまだ女性の社会進出においては遅れている国ですが、世界では性における差別をなくす「ジェンダーフリー」や、性差の境界線をなくす「ジェンダーレス」という考え方が広まっており、「男性」「女性」という区別自体が問われていますね。

今回のテーマである「女性フリーランス」という言葉もそのうちなくなっていくのではないかと思われますが、日本においてはそもそも女性の社会進出が世界水準に満たないという現状がありますので、まだまだ「男性」「女性」という区別がなくなるところまでは遠い印象があります。

企業というブランドや高収入を良しとする既存の価値観から、自分らしく生きる・働くことに重きを置く「個人の時代」への移行が進む今、世界的パンデミックや戦争などの影響で世界情勢が大きく変わりつつあります。

そのため、好む好まざるにかかわらず、これまでの価値観をアップデートせざるを得ない状況であるとも言えるでしょう。実際、性別や労働環境にかかわらず、働き方ひいては生き方そのものを見つめなおす人が増えているようです。

データから見る女性フリーランス

フリーランスの女性比率は半分以上

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書 2022」には、フリーランス市場の動向がわかりやすくまとめられています。この調査において、女性フリーランスの比率は50.3%となっており、フリーランスの男女比はほぼ半々とは言え、女性の方がやや多いという結果が出ています。

近年はイクメンといった言葉が流行するなど、男性も子育てや介護に積極的にかかわるのが一般的となりつつありますが、かつて育児や介護は女性が担当するもの、という考え方が一般的でした。

そのため、女性は結婚や出産、育児、介護などによるライフスタイルの変化を理由としてキャリアを中断せざるを得ないことが多く、多くの日本企業ではキャリアの再開が難しいことが、これまでの働く女性にとって大きな悩みとなっていました。

フリーランスであれば時短やフルリモートなど柔軟な働き方を選ぶことができるため、育児中でもキャリアを中断せずに済むといった声も。そういった理由からか、近年、フリーランスとして活動している女性は増加傾向にあるようです。

平均収入「200万円未満」が多い理由

「フリーランス白書 2022」によると女性フリーランスの平均年収は200万円〜400万円程度であり、もっとも割合の多い「200万円未満」が30.8%、「200万〜400万円未満」が28.9%、「400万〜600万円未満」が17.4%、「600万〜800万円未満」が8.9%、「800万〜1,000万円未満」が6.2%、「1,000万〜1,200万円未満」が3.3%と続きます。

男性に比べて「200万円未満」の平均収入となっている女性フリーランスが倍以上も多いのですが、これは配偶者控除を得るために収入を抑えている人数が男性フリーランスよりも女性フリーランスの方が多いのが理由のひとつだと考えられます。

平均就業時間は男女ともバラバラ

女性フリーランスの平均就業時間は「フリーランス白書 2022」によると100時間前後。労働時間については男女共にかなりばらつきがあります。職種によるところもありますが、労働時間を自由に設定できるフリーランスならでは、かもしれませんね。

割合が多い順に「140時間以上」が26.2%、「20時間以上」が20.7%、「100時間以上」が17.4%、「60時間以上」が14.1%、「200時間以上」が9.5%、「20時間未満」が9.2%、「250時間以上」が3.0%となっています。

男性と比較して女性ならではの特徴があるとすれば、「20時間未満」から「100時間以上」までの割合が多いことです。女性フリーランスは育児などの合間に副業として活動している人が男性よりも多いため、このような結果になっているのではないでしょうか。

女性にとってメリットの多いフリーランスという働き方

「場所にとらわれない働き方」を望むなら、フリーランスという選択肢は非常に魅力的なもの。

ポンとオーナースタッフは全員がフリーランス経験を持っていますが、筆者自身、フリーランスというワークスタイルは場所も時間も自分でコントロールしやすいため、ライフイベントにキャリアが左右されがちな女性にとって、思っている以上にメリットの多い働き方だと実感しています。

でも一方で、安易に会社員という立場を捨ててフリーランスになることがベストかというと、そうでもないとも感じます。会社員とフリーランス、それぞれの働き方は二者択一のものではなく、どちらも複数ある選択肢のひとつにすぎないからです。

女性がフリーランスとして働くメリットとは

自分のキャリアやライフスタイルに疑問を感じた時、その先にある答えのひとつにフリーランスがあるのだとしたら、まずは自分の理想に合った働き方なのかを充分に見極めてからでも遅くはありません。

とは言え、フリーランスというワークスタイルがさまざまなライフスタイルに柔軟に対応できる働き方のひとつであることは確かです。この項では、女性がフリーランスで働くメリットについて解説します。

年齢問わず活躍しやすい

フリーランスは年齢性別問わず始めることができ、無理のない範囲で働くことが可能な働き方です。
「もっと自分に向いている仕事があるのでは?」そう思ったなら、転職と同時にフリーランスを選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。とは言え、集客や仕事の取り方など、フリーランスになって初めて直面する課題もあるでしょう。
まずは副業からスタートし、資格を取得するなどスキルを高めるための下準備をしてから本格的にフリーランスになるという方も多いようです。段階を踏んでチャレンジするとより安心ですよね。
いずれにせよ、何歳からでも始めることができるというのは男女問わずフリーランスという働き方の大きなメリットですが、特にキャリアの中断が起こりやすい女性にとっては嬉しいポイントのひとつです。

働く場所を自由に設定できる


在宅での作業が可能な職種や案件であれば、働く場所を自由に選ぶことができるため、転居しても同じ仕事を続けることができます。

女性はライフイベントによって男性よりもキャリアの中断が起こりやすいというのは前述した通りですが、キャリアの中断は出産や子育てだけでなく、パートナーの転勤など、転居の必要があるイベントによっても起こり得ます。

働く場所を自由に設定できるフリーランスというワークスタイルなら、住む場所にキャリアを左右されることがありません。

働く時間を自由に設定できる

契約内容にもよりますが、フリーランスはスケジュールを自分で調整し、柔軟に対応することが可能です。妊娠や出産、育児などのライフスタイルの変化に応じてスケジュールを調整できるのは女性にとっては非常に嬉しいことですよね。

また、女性は生理痛など特有の不調によって仕事をすることが難しいこともあります。生理休暇を設けている会社もありますが、取得率は非常に低いと言われています。例えば男性が上司の場合、理解してもらえず申請しづらいといったケースもあるようです。理解のある男性上司だったとしても、男性相手だと言いにくいという意見も。

働く時間を自由に設定できるフリーランスなら、そういった心配はありません。

キャリアを継続できる

すでに何度か言及していますが、女性がフリーランスで活動する大きなメリットとして、キャリアを中断せずに済むことが挙げられます。

女性は妊娠・出産といったライフイベントを機にキャリアを中断せざるを得ないことがあります。以前に比べて職場の理解も得られるようにはなってきましたが、職種や立場によってはブランクが生じやすいため、長期間仕事を休むと職場復帰が不安だという声も多く聞かれます。

仕事量を自分で調整できるフリーランスなら、都合や体調に合わせて仕事を調整することでキャリアを無理なく継続することができます。

家庭との両立がしやすい

家事、育児、介護といったライフイベントはライフスタイルを大きく変えるものです。そのため、働く環境にも大きな影響を与えます。

会社に所属している身だと、フレックスであってもコアタイムが存在したり、気軽に休みを取ることが難しかったりします。
働く時間や場所を調整できるフリーランスなら、動きやすい時間帯に買い物を済ませたり、手が空いたときに家事をおこなうなど、柔軟な対応が可能です。

最近はフリーランスという働き方の認知度と人気が上がったためか、会社員のうちから将来フリーランスになることを想定して働く、もしくは最初からフリーランスとして働くことを選択する方も増えつつあるようです。

女性がフリーランスとして働くデメリットとは

女性にとって嬉しいことの多いフリーランスというワークスタイルにもデメリットはあります。

配偶者控除が受けられない

フリーランスに限りませんが、配偶者がいる方の場合、所得が年間133万円を超えると「配偶者控除」「配偶者特別控除」を受けることができません。控除を受けるために収入を調整する方も多いようですが、中には配偶者と籍を分けることを選ぶ方もいるのだとか。

保育園の入園審査が通りにくい

フリーランスの場合、「在宅勤務」や「勤務時間が短いこと」を理由に、保育園の入園審査が通りにくくなるというケースがあるようです。

この場合は、就労証明書などをきちんと提出することで勤務状況を正しく理解してもらうようにしましょう。万が一に備え、家族や親族の手を借りるなどの方法も選択肢に入れると良いでしょう。

まとめ

時間や場所などを自由に選択できるフリーランスという働き方は、ライフスタイルの変化が仕事に及ぼす影響が大きい女性にとってメリットが多いワークスタイルです。

今後、日本のジェンダーギャップが埋まっていけば、会社員とフリーランス、どちらも女性にとって働きやすいワークスタイルとなるのかもしれませんが、今の時点ではキャリアを継続しやすいフリーランスにやや軍配が上がる、といったところでしょうか。

ジェンダーギャップの大きい日本ではフリーランスになっても職種やクライアントによっては男性の方が有利、というケースもまだまだあるでしょう。しかし近年、女性の経営者が増え、女性支援を目的とした企業も増加しており、女性フリーランス向けの人材紹介会社なども登場しています。

少しずつではありますが、女性が働きやすい環境が整い始めています。

フリーランスという働き方が一般的になってきたのもつい最近のこと。多様性を認める社会が性差だけでなくさまざまなギャップを埋め、働くすべての人が気持ち良く働くことができる社会となることを願います。


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