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下斗米伸夫『ソビエト連邦史』

下斗米伸夫『ソビエト連邦史』

概要スターリン時代に外相を務めたモロトフを軸に据えつつ、ソ連の成立から崩壊までを描いた概説書。

要約レーニンが無神論者であり、フルシチョフ時代に苛烈な宗教弾圧が行われたことから、ソ連と言えば無宗教のイメージが強い。ところが、ボリシェヴィキ革命で重要な役割を果たしたのは17世紀にロシア正教から分派した「古儀式派」と呼ばれる会派であった。農村に出現した「ソヴィエト」は古儀式派の集会としての性格がある

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【要約・感想】『歴史の終わり』フランシス・フクヤマ

1989年に『ナショナル・インタレスト』誌に掲載された”The end of history?”という論文をもとにした著作。リベラル・デモクラシーは人類がたどり着いた政治思想・政治制度の最終形態であり、「歴史の終わり」が訪れたと主張する。

【内容】
① 近代科学の導入と経済の自由化は歴史的必然である
② 政治的民主化は経済的自由化の必然的帰結ではない
③ 歴史のプロセスは「承認を求める闘争」であ

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