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ジョブのポートフォリオは、ローリスクハイリターンが存在する!副業をはじめる前に知っておきたいこと

 複数のポストで研究を生業にしているポンヌフと申します。上のnoteで取り上げたような、ジョブ型雇用をベースにしたポートフォリオワーカーのような働き方は、より普遍的なものになっていくと予想していますし、研究者・エンジニアのより充実したライフスタイルをデザインするために重要な視点を提供すると思います。

 しかし、現在の日本において、ポートフォリオワーカーになることが決してお勧めだとは思いません。なぜなら、もともとジョブ型雇用の応募は一部のAIエンジニアを除いて少なく(少なくとも、私のnoteで扱っているようなバイオ系の研究業務において、派遣やパート以外のものとなると殆どありません。)、経済的な安定を求めるのにはセンスが必要だからです。そして、経済的な安定がなければ、マズローの欲求五段階説に示されるように、承認欲求や自己実現欲求は高まらない傾向があります。ポートフォリオワーカーの醍醐味の1つは高次欲求を満たすことにありますので、経済的安定が揺らぐ状況ではメリットが乏しいです。従って、完全なポートフォリオワーカーとならずとも、考え方ととして必要な要素を自分の職業のデザインに活用していければ、今は十分と考えます。

ジョブのポートフォリオにおけるハイリターンを決定づける行動とは?

 ポートフォリオワーカーは、ジョブをポートフォリオとして、人生のステージでその比率を変化させていくと説明しましたが、そのポートフォリオに何を選ぶか、リスクをどこまで取るかによって、スタンスが大きく異なるのです。

 金融商品の分類は、ハイリスク・ハイリターン/ローリスク・ローリターンに大別され、その中間にミドルリスク・ミドルリターンというのがあります。ここでいうリターンとは、資産の増加であり、リスクというのは資産の減少を意味しています。つまり、金融商品においては、リスクとリターンはトレードオフなのです(当たり前のことですよね)。

 しかし、ジョブのポートフォリオはそうではありません!

 ハイリスク・ローリターンや、ローリスク・ハイリターンが存在するのです。なぜならば、金融商品のように、リスクやリターンが単一の指標(お金)ではないからです。

 ジョブにおけるリターンは、自分自身が稼ぎたい価値の達成を意味しています。例えば、十分な金銭的報酬を受け取っている人は、そこまで収入アップには拘らなくなると言われています。逆に、名誉や人気、好きなことをする時間などが欲しくなる傾向にあります。例えば知名度を稼ぎたいというケースでは、1時間X円の内職を副業として行うよりも、実名でツイッターをつぶやいた方が価値を稼いでいることになるでしょう。

 つまり、自分にとって稼ぎたい価値を分析し、その価値を稼ぐ方法を実行することが、=ハイリターンとなります。稼ぎたい価値の分析には、マズローの欲求五段階説やキャリア・アンカーを活用すると便利です。詳しくは下記のnoteをご覧ください。経済的な価値を安定して稼ぐためのメインジョブを基盤として、メインジョブで稼げない価値を補う副業をハイリターンなポートフォリオとして位置づける方法が効果的です。

ジョブのポートフォリオにおけるリスクとは?

 ジョブにおけるリスクは、自分の資産価値の減少を意味しています。例えば、貯金の減少、年収の減少、離職、将来性の消失などの経済的なものが第一に考えられます。次に、本人の、能力低下、信用失墜、人気減少、モチベーション低下などの、承認欲求や自己実現欲求に関連するファクターの変化も関係しています。加えて、健康という価値は代替できない何よりも大切な物です。

 ジョブをポートフォリオ化して考えるメリットは、自身が取り組む仕事とそのリターンを最大化する仕組みを全体最適により生み出すことです。新しいジョブに挑戦する際は、現状のメインジョブへ悪影響を及ぼすことがないかを考える必要があります。特に、年収や貯金の減少によって、自分自身の価値観が変わってしまう(例えば、欲求のステージが自己実現欲求から、生理的欲求「衣食住」中心にシフトしてしまう)ことがないかは十分に留意してください。

 逆に言えば、上述した資産価値の減少と、得られる価値を天秤にかけて、得られる価値が多い場合は、迷わず挑戦してみると良いでしょう。ジョブのポートフォリオ化は、自分らしい自分の職業をデザインするための方法論でしかありません。

まとめ

 以下は、上述のエッセンスを分かりやすく、まとめた図表です。新しい情報があるわけではありません。役に立ったと思われた方は投げ銭頂ければ幸いです。また、内容をおさらいしたい方、手帳に貼り付けて整理したい方、結論だけ知りたい方などにも、ご活用頂ければと思います。

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