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【エッセイ】思い出って大切、な話

昨晩、東京アラートが発令されたんだとかされなかったんだとか。
とにかくここ最近は「緊急事態宣言」やらなんやらいろんな要請を受けている我々だが、要は「外出を避けて人と会うな」と言うのを手を替え品を替え呼びかけられているわけだ。
友人と気兼ねなく居酒屋でお酒を飲むことや、あてもなく買い物に出かけたりすることができなくなってはや2ヶ月くらい経った。
政府の自粛要請が解けた今でも、まだまだ手放しに楽しむことができない状況がまだまだ続いている。

そんな日々を毎日過ごしていると、ふとした瞬間に「そういえばあの日、あいつ酔っ払いすぎてめちゃめちゃ吐いてたなぁ」なんてことを思い出して1人ほくそ笑む時がある。
今は便利な時代で、その時その瞬間を写真や動画に残してSNSに投稿しておけばいつでもその時に戻ることもできるので、そんな時は昔の投稿を遡ってみたりすることも増えてきたように思う。
そんなことを日々繰り返していると、ある事実に気がつく。

「あれ…俺…思い出全然ない…」

溜息ひとつついて、涙が出そうになる。
思えば私は「緊急事態宣言」が発令される前から独り巣篭もり生活を実施しており、友達からの誘いも適当な理由を付けて断っていた。
億劫だったのだ、外に出るのが。
こんなことを以前にもどこかへ書いた気がするが、世の中がこの様になってしまった今ではさらに後悔している。
なぜ、あの時みんなと遊んでおかなかったのかと。

孤独を感じる瞬間は誰にも必ず訪れるし、その時大切なのはやっぱり思い出だと思う。
「あの時楽しかったなぁ」
「みんな元気かなぁ。また一緒にでかけたいな」と思うだけで、辛い気持ちも和らいでいくし、今は堪えて頑張ろうという気持ちになる。
思い出が少ない人生は、最期に人生を振り返った時寂しいのではないだろうか。
「結局俺の人生はなんだったんだろう」とはならないだろうか。
いまはそれが非常に怖い。
よく、「人生を豊かにするためにはいろんな経験を積んだほうがいいよ」なんて言ってくる人がいるけれど、そうじゃなくて、結局酸いも甘いもひっくるめて美味しい思い出をたくさん作りたいのではないかとここ最近思う。

そう考えると、この自粛期間にしかできないことはかけがえのない思い出になると思う。
友達とオンライン飲み会をするとか、あえてアナログなパズルをやってみたりだとか。
2〜3ヶ月も外出してはいけないなんて状況は今後2度とあるかわからない。
世界中で起こっている今の状況も、いつかは「いい思い出だね」なんてみんなで笑えあえる日が来たらなんて素晴らしいだろう。
そしてまた新しい思い出をたくさん友達や家族や恋人と一緒に作りたい。
その時は以前よりも積極的に集まりに参加できたらいいな。
これから作りたい多くの思い出たちに思いを馳せながら、その一つ一つをノートに書き連ねておくことにしよう。
コロナの収束を願いながら。

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