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”失敗学を意識したふりかえり”と ”アジャイル実践での心掛け”の話 in Advent Calendar

本記事は スクラムマスター Advent Calendar 2023 - Adventar の14日目のエントリーです。前日の”いわむーさん”から、バトンを受け取っています。

何を書こうか迷いましたが、私がスクラムマスターとして携わる場合における「失敗学を意識したふりかえり(レトロスペクティブ)の工夫」「アジャイル実践での心掛け」を紹介します。


工夫:失敗学×ふりかえり

スクラムでは、ふりかえり(レトロスペクティブ)は重要な要素の一つですが、私の場合「失敗学」という学問のエッセンスを取り入れてやっている場合があります。

失敗学とは?

失敗学とは、事故や失敗が発生した原因を解明し、(将来)経済的な打撃をもたらしたり人命に関わるような重大な事故や失敗が起きることを未然に防ぐための方策を追求する学問です。この分野では,畑村洋太郎先生や濱口哲也先生の書籍が有名です。過去に濱口哲也先生の講演を聞いたことがあるのですが、とても面白かったです。

失敗の10要因

私はこの学問の中に書かれている「失敗の10要因」を特に意識しています。

失敗の10要因

たとえばKPTを実施した際、P(問題)のコメントで「〇〇を未確認のまま進めて手戻り発生」「△△の確認不足で誤った作業をしてしまった」というのがあったとします。
ただ、未確認・確認不足というのはかなり曖昧なワードです。曖昧なまま鵜呑みにして原因-対策を考えて改善実行しても、思った改善効果が見られなかった。ということが発生する可能性があります。

そこでこの「失敗の10要因」を見える所に記載したり、自身の頭の中にインプット状態でふりかえり実施すると、より自身・チームメンバーの原因の言語化・深堀が進み、原因の具体像を明確にさせることができます。

例:深堀につながる問いかけ
・確認作業の存在自体知らなかったのか? 
→この場合は[無知]
・確認作業は知っていたが、実施し忘れたのか?
→この場合は[不注意]
・確認作業内の基準・手順を理解せず、何となく実施したのか?
→この場合は[不遵守]
・確認作業内の基準・手順を理解した上で実施したが、失敗したのか?
→この場合は[誤判断]
といった具合に未確認・確認不足という曖昧なワードが具体化されます。

また、失敗の要因の中に[未知]という要因もあります。これは、今まで誰も体験したことのない失敗のことです。超レアです。このような場合はむしろ見つけたこと自体が素晴らしいことと捉えることもできます。再発防止策を展開すれば他社が同じ失敗発生する前に防ぐことにつながります。

このように、「失敗学」は問題・課題の原因分析にかなり使える要素があります。本気記事に乗せた内容は一部ですが、その他にも活用できるエッセンスは色々あります。興味ある方は書籍を手に取ってみてください。

ふりかえり手法の選定

私は目的や深堀したい内容に合わせて上手く手法をフィットさせることが大事と考えているため、以下の「ふりかえりカタログ」を参考にしています。
ただ、数多くの手法やればよいという分けではないので、そこは注意ですが、KPTだけだとふりかえりがマンネリ化するチームを多く見てきたので、もし、ふりかえりのやり方に困っている人は是非活用してみてください!


心掛け:Don’t just Do Agile. Be Agile.

アジャイル界隈で時々見かける言葉。私はこの言葉好きで時々使っています。ざっくりいうと、Do Agile状態ではなくBe Agile状態を目指そう!

アジャイルのプラクティスは沢山あるため、どうしてもそっちに目が行きがちですが、「アジャイルをすることが目的では無く、​アジャイルな状態(迅速・俊敏に改善し続けられる状態)に個人・チーム・組織がなることによって、​素早くユーザに価値を届けて、顧客の満足度を上げ、ビジネス成功につなげること。」
これこそがアジャイルを実践する上で大事な心掛けと感じています。

どうしても目の前のことに追われがちになったり、開発メンバーがアジャイル開発ルール守れば良いんでしょ、といった雰囲気になりそうな場合、こういったスローガン的な言葉を活用しながら、自分自身・チームの視点をアジャイルの原点に戻すこともアリかと思います。

最後に

本日もご覧いただきありがとうございました!
今回、スクラムマスターというテーマ話なので、過去記事ですがA-CSM取得の記事も載せておきます。A-CSM取得考えている人が読んでみてください。

明日以降も、スクラムマスター Advent Calendar 2023 - Adventarは続きますので、是非他の方の記事も読んでみてください!



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