![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85966954/rectangle_large_type_2_54c5f7aec133dda9086ec9bedc936fc0.png?width=800)
Photo by
xxnashimexx
【超短編小説】HERO
あるところにとても強い無敵のヒーローがいました。どんな悪い怪人もけちょんけちょんにやっつけてしまうのです。無敵のヒーローは悪い怪人にひどいことをされたので、誰にも自分と同じ思いをしてほしくないと思って、ヒーローを始めたのです。人々は無敵のヒーローを讃えました。子供たちは握手を求めました。無敵のヒーローは大人気でした。みんな無敵のヒーローのことが好きでした。
そんな無敵のヒーローは今、怪我をして道端に蹲っています。いつものように悪い怪人と戦ったとき、怪我をしてしまったのです。無敵のヒーローの胸元からは血が流れています。人々は無敵のヒーローを助けませんでした。
「あれは無敵のヒーローじゃない」
「無敵のヒーローはあんなことで怪我をしない」
「どうして無敵のヒーローはあの程度のことで怪我をしてしまったんだろう」
「なんか思っていたのと違う」
怪我をしてしまった時点でヒーローは無敵ではなくなりました。無敵のヒーローは無敵ではなかったのです。幻滅した人々は蹲るヒーローを道端の石のように扱いました。
そんなとき、悪い怪人がやってきました。人々に悪さをしています。傷ついた無敵のヒーローは最早以前のようには動けません。
人々は口々に言いました。
「どうして無敵のヒーローはこんなことになってしまったんだろう?」
気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)