月が綺麗ですね

夏目漱石の有名な逸話として、漱石が英語教師をしていた時に、ある生徒が「I love you」を「我、君を愛す。」と訳したのを見て、「月が綺麗ですね。と訳しなさい。日本人にはそれで通じます。」と言ったとされるものがあります。まあ、ほんとにそんなことを言ったのかはわかりませんが。でも普通の感覚をしている人なら好きな人に告白するときに「月が綺麗だね。」なんて言葉は使わないと思います。「そうだね。」と返されて会話終わるでしょうし。

でも、もし仮に「月が綺麗ですね。」=「I love you」だと普通に解釈できる人物同士が会話をしたらどのようになるのでしょうか。

例えば、「今日は日差しが強いですね。」という言葉を「Shall we dance?」と解釈することが可能であり、「夕暮れが綺麗ですね。」という言葉を、「お腹減った。ごはん食べに行こう。」という意味で会話が出来るとしたら、おそらくはこのようになるでしょう。

【会話例】

A:「雨が降りやみませんね。」

B:「そうだね。朝起きるのが辛い季節です。」

A:「でも、桜の花が見頃ですよ。」

B:「うん。うららかな日だね。」

A:「もう冬の匂いがしなくなったね。」

B:「たしかに。若草がもえたつようだよね。」

A:「そういえば、今夜はおぼろ月夜らしいよ。」

B:「そうなんだ。学生は今日から衣替えらしいしね。」

A:「そう言われればそうかも。冬将軍も隠居だもんね?」

B:「そうしよう。じゃ、どうかご自愛のほどを!」

A:「どうかご健康にはくれぐれもお気をつけて!」

【会話の翻訳】

A:「宇宙人ってたぶんいるよね。」

B:「そうだね。宇宙ってすごいでかいし。」

A:「でも、まだ宇宙人がいる証拠ってないよね。」

B:「うん。やっぱいないのかな。」

A:「いるなら少しくらい姿見せてほしいよね。」

B:「たしかに。宇宙人はみんな人見知りなのかも。」

A:「そういえば、昔アメリカにUFO墜落したらしいよ。」

B:「そうなんだ。じゃあ、あそこの山に墜落する可能性もあるのかもね。」

A:「そう言われればそうかも。今夜探しに行こうか?」

B:「そうしよう。20時にいつもの公園集合で!」

A「懐中電灯忘れるなよ!」

【まとめ】

スパイの映画とかドラマで、盗聴されても会話がばれないように暗号を使うシーンがあるかと思いますが、もしかしたら本当のスパイの会話もこんな感じかもしれません。一般の人が聞いたら「なんの話ししてるんだろ?」と思ってしまうような意味のわからない会話。

野球では、監督が帽子を触ったら「盗塁」のサインであったり、肘をさわったら「バント」のサインであるという風に、ある意味での暗号を用いていますが、監督が、「例年より寒さが厳しいですね!!」と叫んだら「盗塁」の合図で、「ゴールデンウィーク楽しめましたか!!」と叫んだら「バント」の合図であるとした方が観てて面白そうな気がします。「このチームはこんな合図使っているんだ。面白いな。」と思う人が増えれば、野球ファンも増えるはずです。

今年のプロ野球も最後まで盛り上がりますように。




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