産後クライシスにならないために②

前回の記事では産後クライシス防止策として、夫婦の在り方から紐解いてみた。今回は、改正育児法・介護休業法の観点から考察してみたい。

ポイントとしては、以下の通り。
①産後パパ育休制度の創設
従来の育休制度とは異なり、今回新設された制度となる。子の出生後8週間以内4週間まで取得可能。(育休とは別に取得可能)
②育休の分割取得
今までは原則分割不可であったが、法改正により夫婦ともに分割して2回取得可能。
③育休開始日の柔軟化(1歳以降、2歳まで)
今までは1歳を過ぎてからの育休開始日は1歳、 1歳半の時点に限定されていたが、その条件が撤廃され、育休開始日が柔軟化されることにより、1歳以降も夫婦が育休を途中交代できる。

他にもいくつか特筆すべき点があるが、ここでは割愛する。

私の場合は2022年1月出産予定のため、産休・育休申請済みの状態だが、復職時期は1回だけ変更可能である。従って、状況によっては③の恩恵にあやかれる可能性もある。ただ、気になったのは、1歳以降に育休を途中交代する場合(例:2023年1月パパ育休、2月ママ育休、3月パパ育休、4月パパ、ママも復職)短期間で育休を交代した場合の仕事への影響が気になるところである。職場のメンバーとどう折り合いをつけるか、目下の課題となりそうだ。

実際、「プレパパ・パパ向けの仕事と子育て両立戦略」に関するオンラインセミナーの中でも塚越氏が仰っていたのが、育休取得の大きな障壁は「職場の理解」が約半数であるとのこと(給料等はさほど重要視されていない)。男性育休取得率の低さ(2020年度で12.65%!厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」より 引用)や職場風土の醸成がなかなか進まない背景に次のことを挙げていた。
多くの日系企業で決裁権を持っているのは40〜50代の年齢層が多く、子育て経験がなく、仕事にまい進してきた世代である故、世代ギャップがあるとのこと。
法改正に伴い、「事業主には、上司や同僚からのハラスメントを防止する措置を講じることが義務付けられている」事が改めて強調されているものの、どこまで現場に落とし込まれているのか可視化されにくい部分でもあるため、引き続き、今後の動向には注目していきたいと思う。

いずれにせよ、環境整備という面では、法改正という心強い後ろ盾が出来るため、利用できるなら利用し、どちらかに過度な負担がかかる事なく、チーム体制で子育てしていく。それが産後クライシス防止はもちろんのこと、「当たり前」の社会になることを願う。

最後に2021年1月放映された「逃げるは恥だが役に立つ新春スペシャル」での沼田さんのセリフを紹介したい。

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沼田「育休だから嫌なの?他の理由だったら?」

沼田「例えば、突然の事故、家族の病気介護、自分自身の体調が崩れる場合もある。育休でもほかの理由でも同じ。いつ、誰が長い休みを取るかなんて分からない。働いているのは人間なんだから。」

「その時何が大事かと言ったら誰が休んでも回る。帰ってこられる環境をふだんからつくっておくこと。それが職場におけるリスク管理。」
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名言すぎる。

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