6/25 シューベルト「ザ・グレイト」👏

本日は東京交響楽団×ミケーレ・マリオッティ指揮の演奏会へ。


前半はモーツァルトのピアノ協奏曲21番、後半はシューベルト「ザ・グレイト」。久々にとんでもない演奏会に出会ってしまった。

まずモーツァルトから感想を。
短いフレーズを繰り返したり、引き延ばしたり、それが難しくなると転調して全く異なる展開へと連なっていったりするものの、それが一つの統一感のある音楽になってしまう、このモーツァルトの手腕に改めて驚いた。

単調な音階の動きも、モーツァルトの音楽の中では生き生きとしたうねりに変貌する。これが実に不思議。

また、モーツァルトのピアノ協奏曲特有の、管弦楽によるピアノを引き立て方は上手いなといつも思う。今日の演奏は、ピアノに翼が生えているかのような印象を受けた。

モーツァルトのピアノ協奏曲といえば、10月に控えている内田光子さんのリサイタルも楽しみだ。


続いて後半のシューベルト「ザ・グレイト」。この演奏は見事だった。以前に一度実演でこの曲を聴いたときは凡庸な曲だと見限ってしまったが、今日の演奏を聴いてシューベルトに謝りたいと思った。50分程度の曲だが、一瞬一瞬が文字通り「闘争」であった。終始高い心拍数を保っていたし、目もずっと大きく見開いていた。

この曲ではシューベルトの曲に通底する、メランコリックで、絶望的で、悲壮的な反面、苦笑いの歓喜をも見せる内面が剥き出しになっている。特に今日の演奏では、オペラ経験が豊富なマリオッティがそれを上手に炙り出した。

また夏に山形交響楽団でこの曲を聴くが、そちらも楽しみだ。

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