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FET&真空管ハイブリッドプリアンプ。ポングの息抜きトーク(2)
【今のメインはこのプリアンプ】
FETと真空管のハイブリッド、アイデア自体は安易な感すらあるけど、これが本気でとんでもなく良い。
「今時さぁ、もう真空管とかないっしょ?」って思ってたのが、音出したら手の平くるっくる。
「やべぇ!何だこれ!?こんな良い音が存在するのか!?」とまぁ、一発で虜になったってやつ。
いやほんと、真空管って言うと、
「だからもう古いっしょ?」
「ローファイ路線には良かったりすんの?」
「俺、モサイの嫌いなんだけど?」
こんなイメージが強かった。
加えて言うなら、
「いくら良くても重いのは勘弁だわ….」
「良い音ったって安定しないんじゃなぁ….」
「やたらノイズ多いとかさ….」
そういう部分があるんじゃないかって、そこも懸念事項だった。
にも関わらず、こいつをメインに据えたって事はマジもう~、信じられんぐらい良いってワケっすわ。
これまで手が届かなったトコにビシバシ響いてくるのなんの。
真空管=ローファイ?
そんな概念ブッ飛ばしますぜ!
真空管=安定しない?
いやいやハイブリッドでっせ旦那!
真空管=重い?
片手でひょいって持ち上げられますわ!
勝手な思い込みを爽快にボコしてくれるのが最高。
こんなアンプが存在するのか、こんな美味しすぎてヤバイ回路を作れるものなのか、心底驚愕するしかない。
「勝手な思い込み」とは言いつつ現実問題、ベース用の真空管プリとしてここまでハイクオリティに応えてくれる物なんて、まず皆無だったのも事実だと思う。
「これぞロックじゃオラァ!」って感じのサウンド、サイズ、重量、それが堪らなく魅力的ってモンはあるだろうけど、それはやっぱり、個人的な好みとしてあまり印象良い物ではない。
それが最強に好き、それでしか出せない音にハマるってのも凄く分かる。
でも、そのアクや個性故に、色々な意味で限定的な感じになってしまうのでは、自分の中ではちょっと特殊な感が強くなっていってしまう。
だからこそ、このハイブリッドプリアンプがめ~っちゃくちゃ美味しく輝く。
こいつの何が良いって、「真空管=キャラを押し付けられる」って感じが無く、自由にやっていける感覚が素晴らしい。
真空管の特性、大雑把な味付けに頼るのではなく、求めたのはあくまでも基本性能。まずあるべきフラットな特性、プレイヤーの感覚、応答性をクリアーしてるってのが大きい。
その基本性能に加え、より多様な要素を贅沢に融合。艶、コシ、抜け、厚み、立体感など、ひたすら欲張りに仕上げてるのが見事すぎる。
真空管らしく、ぶっとくかつ抜けてくる絶品な歪みを求めてもよし。歪み感を抑え、キレ良くハイファイなサウンドを狙っても全然問題ない。
そのまま通すだけでも最高に良いんだけど、EQをONにしてベースアンプなノリが出せるってのもまた贅沢。そこにハイカットも加えると、良い感じにごん太なベースサウンドにもなる。
で、ここだけの話、出発点は「ライブのジャコの音を出してぇ!」ってトコだったりもするので、フレットレス鳴らすと激烈に絶品、大真面目に涙が出てきたりする。
濃密贅沢なDIとしての活躍も期待できるし、シンプルながら実に多彩なキャラクターと可能性を秘めてると自慢できる。
「フルディスクリート!」ってだけじゃ届かなかった部分、ある意味で凄く曖昧でいい加減な領域、扱いが難しい音世界をこうも上手くミックス出来るのか、ここまでの仕上がりになるのか、割と本気で自分の中での価値観が一変したと言える。
なんて絶賛しつつ、大出力のベースで低音フルブースト、ローBまでゴリゴリ鳴らしまくるって感じの使い方だと、さすがにちょっとボワ~ッて歪み感が気になるのかなぁって懸念なんかもあったりする。
ひたすらソリッドソリッド、一切の歪み感を拒否するってノリだとやっぱり、真空管の必然性は薄くなっていくのかなって印象もある。
でもそれってのは、全く違う特性のアンプに任せるべきだと思うし、このアンプの使い方にしても、ゲインの設定とローカットの仕方で話が全く異なってくるところでもある。
そういう、どクリーン路線に行き過ぎてしまった故に分からなかった世界、逃してしまっていた美味しさがある、それを物凄く強く痛感させられたのがこのアンプってわけだ。
【真空管】っていう、古臭いと馬鹿にしたり、懐古主義だって嫌悪してたような存在。
それが今日でもバリバリ現役で生き残ってる理由、それでしか出せない音がある事実と重さ、ここまで実感させられるとは全く想像もしなかった。
さてはて、「これぞ究極!これぞ完成形!」なんて感じにお送りしておいて何だけど、実のところは試作段階っちゃそんな気もする。
なので、自分が今後も絶対的にこれに落ち着くのは何ともかんとも。
新たな世界が開けたって事は、まだまだ全然知らなかった世界に触れ始めたって事でもある。となれば「あれが欲しいこれが欲しい!」って欲深になっていくのも必然だ。
これが原点にして頂点に君臨する可能性もあるし、より発展させた形になるのかもしれないし、先がどうなるかは全く分からない。
確実に言えるのは、
「これからもっと楽しくなるよ!」
って事である。
回路一つで人生変わる事もある。
マジでそれぐらいの衝撃って存在しますぜほんと。
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