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新竹ビーフンのできるまで(後編)

2016年春の台湾旅で新竹ビーフン工場見学したときの記録。前編はこちら。後編は製造工程をメインに記載。


東德成でのビーフン製造工程

1.米を数時間水に浸した後にすり潰す
2.すり潰した米を麻袋に入れて脱水
3.筒状にして蒸す
4.練る
5.シート状に伸ばす
6.ビーフンの細さに押し出す
7.蒸す
8.カットして乾かす

作業は朝4時からスタート

前日の夜に米を水に浸けておき、柔らかくなった米をすり潰すところから1日が始まる。その時刻は朝4時。
このお米を水に浸す時間を気候によって変えることが大事なポイントなんだそう。

1日に使う米は150kgから200kg。すべての作業を1日で終えてしまう。
次の日に加工途中の材料を持ち越すと発酵してしまってダメになってしまうそうだ。
私が工場に着いたのは9時半くらいだったので、既に3が終わりつつあるころだった。

最初の蒸し工程

米をすり潰してドロドロになったものを麻袋に入れて上から圧力をかけ、水分を抜いて、こんな感じに筒状に丸めて蒸す。

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この最初の蒸し工程は、3割だけ蒸すのがコツ。
塊を割って見せてくれたものがこちら。外側の3割程度だけ、蒸されていて、ちょっと色が透き通ってきているけど、真ん中はまだ白くて火が通っていない。

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練り工程

最初の蒸し工程を終えた生地(右側の塊)を機械に投入して練る。
左側が練られた後の塊。まだ温かくて湯気が出ている。
これをまた機械に投入し、さらに練る。
練りすぎてもダメ、練らないのもダメ。食感が良くなるのが2回。

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伸ばし工程

次にこの練られた生地をシート状に伸ばす。

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この伸ばし工程の次には、押し出して麺にするので、シート状伸ばす必要性がわからなかった。
わざわざシート状に伸ばす意味はなんだろうと思って、理由を聞いたところ、これはちぎれないビーフンにするために必要な工程なんだそう。
2回練って、さらに伸ばしてという手間のかかる工程によって、食感が良いビーフンができるのだろう。

押出し工程

ローラーで伸ばしたシート状の生地をくるくると丸めたら、この機械の円柱の筒に差し込み、上から押し出すことで麺状になったものが出てくる。

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この機械の押出口には、細かい穴が空いたこんな金具が取り付けられている。(写真はもう穴が大きくなりすぎて使えなくなったもの)
穴が想像以上に細くて驚く。
こちらでは、穴が太めのものと細めのものを付け替えて、2種類の太さのビーフンを作っている。

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蒸し工程

長く押し出されたビーフンは、長いままこんなふうにセットされ、蒸し器に入れられる。

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カットして乾かす

蒸されること30分。
熱々の長いビーフンは、女性たちによって手際よく広げられ、冷まされていく。

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大きな扇風機を何台か回しながらの作業で、かなり暑そう。
モワンとした熱気に包まれながら、家族経営ならではなのか、みんな息があって無駄な動きがなく、テキパキと作業が進んでいく。

ある程度冷めたビーフンは、商品となる長さにカットしていく。
これを風通しの良いところに広げ、乾燥したら見慣れたあの硬いビーフンが出来上がる。
天気が良ければ8時間くらいで乾燥するそうだ。

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出来たてビーフン

乾燥しなくても、蒸しあがったビーフンはそのまま食べることができる。
蒸したて熱々のビーフンを冷ましている作業中に、オーナーの奥さんがその出来立てビーフンをちぎって、「味見してみて!」と食べさせてくれた。

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お米のいい香りがする。
蒸したてだから、フニャフニャなのかと思いきや、すごく細いのにしっかりとした歯ごたえで、驚きの食感。
これが、何度も説明されていた「食感を良くするため」と言われていた成果なのかと実感した。

乾かすためのビーフンとは別に取り分けられて、束ねられているものがあったのだが、これは近所の飲食店に卸している生ビーフン。
生ビーフンは、2日もすると腐ってしまうため、通常販売はされていないが、飲食店ではこの出来たて生ビーフンを使った料理を食べる事ができる。
この生ビーフンを工場見学後に、お店で食べたのだが、それは前編記事の最後のほうで紹介。

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