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ソクラテスの血

「ソクラテスの血」と呼ばれる植物が存在することをご存知でしょうか。

世の中には恐ろしい植物がたくさんあるということを想像しただけで、楽し......いえ、ゾッとします。


ドクニンジン

ドクニンジン(毒人参)はセリ科の有毒植物のひとつで、多年草です。
ヨーロッパ(地中海地方)が原産 Conium maculatum と、北アフリカ原産 C. chaerophylloides の2種類があり、ヨーロッパ種のほうが中毒性が高く、薬草として使われることも。

古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの処刑の際に毒薬として用いられたのがこの植物で、
ヨーロッパでは茎の赤い斑点のことを「ソクラテスの血」
と呼ぶことがあるのだそう。

ドクニンジンはかつては日本に自生していない植物でしたが、近年北海道の山野に不法に持ち込まれたものが植生していることも。
結果、似た植物のシャクと誤認して食べたことによる死亡例も報告されているとのこと。

コニイン、N-メチルコニイン、コンヒドリン、N-プソイドコンヒドリン、γ-コニセインといった各種の毒性アルカロイドを含み、中でもコニインは成分強く神経毒性の成分で、中枢神経を興奮させ呼吸筋を麻痺させてしまうのだそう。

参考⇒ ドクニンジンドクニンジン(毒人参)


植物の本

たまに植物関連の本を読むことがあるのですが、本当に自分は植物が好きなのかどうか疑うくらい、読んでいると睡魔が襲ってきます。

ドクニンジンの項目を読んだあたりではもう意識がなかったようで、「名前も見た目もかわいい花だな」程度にしか思っていませんでした。

今回調べていて謎だったのが、
食べると中枢神経を興奮させ呼吸筋を麻痺させ、死に至る可能性が高い。にも関わらず、薬草として用いられることがあるという点でした。

これは私自身医療の知識がないため知らなかったことなのですが、ごく少量の服毒量にすることで、薬としての役割を果たすことがあるのだそうです(ただドクニンジンに関しては、治療法によっては必ずしも効能が期待できるというわけでないそう)。

北海道以外の土地にドクニンジンが植わっているかどうかは不明ですが、私個人の意見としては、北海道で育っていることがわかっている以上、他にも日本国内のどこかで育っているのではないかと思っています。

もしドクニンジンかそれ以外の安全な植物か見分けがつかないような植物があった場合は、ドクニンジンの毒性の高さを考慮して廃棄するべきだそうですよ。

外来種対策として、報告(通報)するのもひとつの手段だと思います。
連絡先⇒ 日本の外来種対策


ソクラテス

ソクラテスはドクニンジンで処刑されたわけですが、なぜ処刑されたのかということについても少し内容を読みました。

ソクラテスは無知の知を広めて人々を良い方向へ導こうとしたそうですが、権力者から反感を買ったそうです。

ちょうどその頃「ペロポネソス戦争」が勃発し、アテネは敗戦したため、重苦しい雰囲気が国内に蔓延していたとのこと。

敗因の一因となっていたアテネ軍の覇権を握っていたアルギビアデスがソクラテスの影響を受けていたと言われていたほか、政権の中心人物にもソクラテス派がいたそう。

そのため「ソクラテスがアテネの情勢を悪化させたのだ」と捉えられたことが、この死刑に繋がっているようです。

ソクラテスは自身の弁明を行い、自説を曲げたり自身の行為を謝罪することを決してせず、追放の手も拒否。
結果的に死刑(毒殺刑)を言い渡されたのだそうですよ。

“無知の知”とは「人はどう生きるべきなのか」「正しい行いとはどういったものか」といった疑問について研究する倫理学なのだそう。

※かなり端折っているので詳しい話はこちらへ⇒ ソクラテス


これを読んで、ちょうど私のまわりには似たようなことを話す人が数人いることに気づき、彼らは様々な人間を目の前に、自分の思想を必死に訴えかけているのだなと思いましたね。

およそソクラテスにちょっと近いのではないかと思われる人物から似たような話を聞いた際、私の場合は30%理解した上で、残りの70%で一気に崖が崩れていくような感覚がありました。

これがもっと高い確率で自分の中にしっくりきてしまうと、崇拝するようになるのだろうなということを身をもって実感する瞬間があります。






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