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24.「なんでも完璧に」になりがちなあなたへ

今日は完璧主義になりがちな人に向けたお話になると思います。
(それに関して絵のお仕事に関する考え方についてもお話します)
私自身も完璧主義の考え方に陥りがちです。
育ってきた環境、周りの言葉の影響、期待、色々な要因で「もっとやらなきゃ」「自分は努力が足りない」「これでは周りが納得してくれない」という考えになってしまいます。
これは自分で望んでしていることではなく、無意識のうちになってしまっているんですね。

もちろん、完璧主義全てが悪いではなく、良い面もあります。
ただ何かに対して一生懸命取り組むこと自体はとても素晴らしいことですが、完璧主義の考え方が強すぎると自分自身をコントロールできなくなり、自分自身を素直に認めることができなくなってしまいます。
それでは日常生活、仕事でも大きな弊害となってしまうわけです。

私も完全ではないですが、前よりも少しずつ自分自身を認めるようになってきました。まず頑張って何か成果を残したのなら、それは紛れもない事実だからそこは素直に認めようと思ったのです。

今日は完璧主義について私なりに考えたこと、また完璧主義の人がどのようにすればもう少し楽な考え方にシフトできるかをお話してみようと思います。

1.完璧主義のメリット

完璧主義にも一応メリットはある程度あります。
まず言えるのは「物事をきちんとこなして成果を上げる」ことができることですね。
それをどのように評価するかは個人によりますが、客観的な事実としてまず「タスクをこなしている」ことは言えると思います。
完璧主義の人は物事をさぼったり、手を抜くということに罪悪感を感じることが多いので、その結果手を抜かずにきちんと物事をこなすんだろうなと思います。実際私も手を抜いたり、休憩をとることでさえも罪悪感を感じますので…。
そして、完璧主義の場合、現状に満足できないので「常に向上心があって、そのための努力をする」ことができることも挙げられると思います。

以上のように、完璧主義にも一応メリットはあると考えています。
でもこのバランスが崩れると精神的に自分を追い込むことになるので、そこを気を付けなければならないなと思うのです。


2.完璧主義のデメリット

メリットについて軽く触れましたが、本題はここからです。
このデメリットを理解してバランスをどのようにとっていけば良いかというのが今日のテーマになると思います。

私なりに思ったデメリットはまず「自分自身を大事にできなくなる」です。
完璧主義の考え方にハマってしまうと、どれだけ物事をこなしても、どれだけ人から褒められてもその言葉がすっと入ってこないんです。(昔自分自身かなりその考え方が強く、苦労しました)
自分の目指す目標や、それに対する自分の現在のレベルを常に比較してしまうため、現状の良いところに目を向けることが難しくなってしまうのです。

そして自分が今やれていることから目を背け、上ばかり見ているので今まで自分が努力してきた足跡を振り返って見ることもなくなってしまうんですね。ただそのようなことばかりしていると、常にストレスを抱え、自分のことを嫌いになってしまいます。

その状態になれば周りからの温かい言葉も自分の中で消えてしまい、その時は感謝できても残らなくなってしまうんですよね。
そして最悪の場合人を信じることができなくなり、人間関係が悪化してしまいます。自分の殻に閉じこもってしまうわけです。
でもこれは本当に悲しいことだと最近気づいたんです。

イラストレーターの場合、生み出した絵を褒めてもらう時、そのような考え方でいると、その言葉を伝えてくれた人の気持ちも大事にしないことになってしまいます。


完璧主義最大の弊害は



自分自身を大事にできなくなった結果、周りの人も大事にできなくなる


これだと私は感じています。


3.完璧主義から少しでも開放されるには

完璧主義を明日からすぐやめる!というのは中々難しいです。
何故なら人それぞれ長年の経験の中でそのような価値観を持ってこれまで生きてきたから、その価値観、考え方を急に180度変えるのはとても大変なことなんですね。
なので、少しずつ時間をかけてもいいから完璧主義から解放されるための私なりの考え方、またリンクも添えつつお話していきたいと思います。


1.全てを100%にしないで、まず70%を目指す
まず先に私が常に100%を求める必要はないんだ、と気持ちが楽になるきっかけになった記事をご紹介します。

「ゼルダの伝説」、「スターフォックス」、「F-ZERO」等のアートディレクションを担当された今村孝矢さんのインタビュー記事です。
この記事の中で今村さんはこのように仰っています。

僕は作業がめちゃくちゃ速いんですよ、光の如く作品を作る。それは子供の頃からで、任天堂にいて培ったものではないのですが。

親父が漫画家だったんです、新聞の4コマ漫画とかスポーツ記事の挿絵とかの。その親父から一つだけ教わったのが「100点を出すよりも、納期を守って毎回70点以上を出すのがプロ」ということ。それはそうだなと、今だに思ってます。

100点だったら絵の上手い素人でも時間をかければ作れるわけで、それを限られた時間内で出すのがプロだと。ゲーム開発でもよくあることで、見切りが難しい。そこが僕は速いんですよ。

『スター・ウォーズ』の衝撃が自分のスタイルを作った。今村孝矢さんのクリエイティブの源泉


読んだ瞬間、これだ!!!と思いました。
仕事上では納期というものがありますから、自分が納得できる100%を出せるまで延期してもらうなんてことは不可能なわけです。
信頼にも影響しますし、仕事上では「納期」「求められるものを届ける」これが一番大事なんですよね。
ただ「求められるものを届ける」は自分が納得するかどうかではなく、あくまでクライアントが納得するかどうかなんです。
だから自分が多少納得していなかったとしても、きちんと納期を守って、相手が納得したらそれがベストなんですよね。
これが趣味で絵を描くのと、仕事で絵を描くことの大きな違いだと思っています。

私は無意識のうちに仕事絵ではそのような考えの元で、絵を描いてきましたが、(やはり納期を守ることがいかに重要なことかは、仕事をすれば一番感じることなので)プライベートで描くものに関してはその頃100%を漠然と目指していました。

でもこちらの記事を偶然目にして、あの今村孝矢さんがそうおっしゃるなら、そういう考えにシフトしても良いんだと心の底から納得できたんです。
それ以来、趣味絵に関しても常に100%ではなく70%で良いから描くことが大事だと思えるようになりました。(本当にこちらの記事を執筆して下さったミッチーさんには感謝しています。。)

こちらの記事を執筆されたミッチーさんの記事も併せてご紹介します。


2.相手からの言葉を素直に受け止める

これについては以前別の記事でもお話したので、そのリンクも貼っておきます。

これも自分自身で気づいたことではなく、友人から教えてもらったことになります。



「相手からの気持ちを素直に受け止めることが、相手への感謝の気持ちに繋がる」


私は褒められてもいやそんなことはない…と自分を否定しがちで、せっかく伝えてもらった言葉も受け取りにくかったんです。
でも友人にこの言葉をかけてもらって、初めて素直に受け取って良いんだと思えたんです。それまでは自分を上げ過ぎないで下に下に考えている方が良いと思っていましたから…。

でも考えてみればシンプルで、例えば自分が憧れの人に「あなたのこの作品が好きです!応援しています!」と伝えて相手が「いやいやそんなことないです…」と言ったら伝えた方もなんだか悲しい気持ちになりますよね。
相手が良い、素敵だと思ってくれている気持ちを踏みにじってしまっているような感じだなと今になって思います。


今回の記事は割と長めだったような…完璧主義とずっと戦ってきた自分だからこそ、伝えられることがある気がして今日はこんなお話になりました。
まだまだ完璧主義について思うことはあるのですが、それはまた今度お話できたら良いなって思います。
完璧主義のバランスをうまくとればそれは弱点ではなく、強みに変えられると私は思います。完璧主義の自分はだめなんだと自分を下げる必要もないと言いたいです。少なくとも人一倍努力をしている人達だと私は周りを見て良く感じますから…。

記事を読んだ読者の皆さんが少しでもこれは使えそう、こういう考え方もあるんだと気持ちが少しでも楽になりましたら幸いです。


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