マガジンのカバー画像

【第4章】猫に飼われたヒト フルーメンへ

9
創作小説『猫に飼われたヒト』第29回〜をここからまとめて読むことができます→人間研究所主任のフルーメンは苦悩していた。突然失踪してしまった憧れのアウラ元所長。彼を探しフルーメンが…
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

【創作小説】猫に飼われたヒト第30回 決意

【創作小説】猫に飼われたヒト第30回 決意

2530年の12月某日、18歳になった私はアウラさんから呼び出された。

「フルーメン」

「はい、なんでしょう」

「お前は、日頃から研究所の中心となって職務を全うしてくれている。だから、お前を主任に命じ、私の右腕となって今後も役立ってもらおうと思う」

「…本当ですか!」

「ああ。今後は外部との連携や研究所の研究目標についても一緒に相談し、人間の未来のために一層精進していこう」

「ええ…も

もっとみる
【創作小説】猫に飼われたヒト第29回 フルーメンの過去

【創作小説】猫に飼われたヒト第29回 フルーメンの過去

小さい頃から他人と群れるのが苦手で、いつも1人で過ごしていた。

他人に全く関心がなく、友達は当然いない。友達は勉強だった。周りからは変わり者と言われて育ってきた。

しかし、そんな僕が唯一興味を抱いた猫、それが
アウラさんだ。

アウラさんの生い立ちは僕に似ていた。

他人と馴れ合うことなく、勉学に励み自分の実力だけで名を馳せていった猫。

アウラさんは人間に関する研究で社会に名を馳せていった。

もっとみる