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ポラリス保健室だより 5月


五月病

もう5月もあと一週間ほどとなりました。
GW明けからずっとしんどかった方、頑張ったけれど、なんだかここまできてガクッときてしまった方・・・ みなさんはいかがですか?
今年はGW直前から急に暑くなったり、かと思えば天気の悪い日は急に気温が下がったりと寒暖差が激しく、私のまわりでも体調不良者続出という状況です。
かくいう私もなんとなくずーっとスッキリせず、この保健室だよりをまとめあげるのにいつもの5倍ぐらい時間がかかってしまい、気がつくともう5月も残り1週間・・・ ネイチャーテーブルも5月初めのころのままです・・・
しかし、ここで大事なのは「こんな自分はダメだ」となるのではなく
「そういう時もある」
「基本的ないつもの生活をいつものようにできていることが大事」と
あるがままの自分を受け入れることを心がけてくださいね。
ということで、そんな体調不良をひきおこす”5月病”を話題に取り上げたいと思います。

自律神経

5月病の正体は、4月からの生活環境の変化へ適応がうまくいかず、自律神経が乱れてしまっている状態であることはよく知られていることです。
自律神経は、その名の通り自律的に働く神経です。
心臓を動かしたり、内臓を働かせるなど生命維持に関わっていて、24時間365日休みなく働き続けています。
自律神経には”交感神経”と”副交感神経”という反対の働きをする2つの神経があります。
簡単にいうと日中活動ができるように働いているのが”交感神経”
夜間に、睡眠、休息ができるように働いているのが”副交感神経” です。
だからといって、日中副交感神経が働いていないかといったらそうではなく
常に一定の状態を保つようにバランスをとりながら働いています。
交感神経や副交感神経が例えばどのように働くかを示した図です。

自律神経の働き

自律神経は、ホルモンバランスをつかさどる内分泌や免疫機能ともお互いに作用しあうので、自律神経が十分に働かず、バランスが取れなくなるとホルモンバランスも乱れ、内臓の働きが低下、免疫力も低下、結果として全身の不調を引き起こすことになるのです。

規則正しい生活

近年、地球温暖化の影響によって農作物も海産物も今までのようにいかなくなってきているニュースをたびたび耳にします。
今後、地球規模の環境の変化に適応し続けていけるのか少し心配です。
人間は身体の内部、外部からのさまざまな刺激、変化を受けたとき
一定の状態を保とうとするようにできています。
これを恒常性といいます。この役割を担っているのが自律神経です。
つまり、常に安定を求めるようにできているわけです。
よく自律神経を整えるためには「規則正しい生活」が大事といわれますが
・朝決まった時間に起き、決まった時間に寝る
・だいたい同じ時間に食事をとる
この2つだけでも意識するだけで安定の下支えになります。

自律神経を整える”朝の過ごし方”

ポイントは”時間に余裕をもってゆったりと過ごすこと”
朝は休息モードから覚醒モードへ移行していく時間帯です。
朝、バタバタと支度をして慌ただしく過ごすと、副交感神経が一気に低下、交感神経の働きが急上昇!
つまり、まだエンジンが温まっていないうちに急発進という状態と同じになります。こんな風に負担をかけ続けるとうまく働かなくなってしまいます。

モーニングルーティーン

まず、朝、目が覚めたら起き上がる前に全身の伸びをしましょう。
睡眠中は副交感神経が優位なので、体温や血流が低下しています。
全身の伸びをすることで血流がよくなり、筋肉がほぐれ過度に緊張することを防げるので、日中交感神経が優位になりすぎなくてすみます。
そして、起き上がったらカーテンを開けて陽の光を浴びます。
雨が降っていても、明るくなった朝の光を浴びるようにしましょう。
光が目から脳神経に伝わることで体内時計がリセットされ”セロトニン”の分泌が始まります。
また、陽の光を浴びることでビタミンDが作られます。
ビタミンDはこころを安定させたり、集中力を高めたりする神経伝達物質
”セロトニン”を作り出すことに関わっています。
”セロトニン”は夜になると快眠を促す”メラトニン”に変化するので
朝に”セロトニン”が作られる作られることが大事です。
次に、コップ1杯の水を飲んで胃腸に穏やかな刺激を与えます。
水は冷水ではなく常温か白湯にして急な刺激にならないようにします。
このことで過度な交感神経の上昇を防ぐことができます。
また、人間は睡眠中でもコップ1杯分ぐらいの不感蒸泄があるといわれているので、朝は若干の脱水傾向となっています。
寝起きの水は水分補給のためにも大事ですし、胃腸に刺激を与えることで排泄も促しますし、食欲も促す効果もあります。

セロトニンを作り出す食品

朝食は朝の支度をすませてゆっくり食べてほしいのですが、毎日同じ時間にとることも大切です。
中身はタンパク質(アミノ酸)と炭水化物(糖質)が有効です。
”セロトニン”を作り出すためには、”トリプトファン”というアミノ酸が必要です。
優秀な代表選手は”バナナ”です。
バナナには、トリプトファンのほかにセロトニンの合成に役立つビタミンB6や炭水化物(糖質)が含まれています。比較的食物繊維も多く含まれていますし、欠乏するとストレスが増えることが知られているカリウムも含まれています。そのまま食べてもよし、焼いてもよし、スムージーなどドリンクにしてもよし。
これまで朝食を食べる習慣のなかった方でもバナナなら手軽に食べられるのではないでしょうか?

自律神経を整える”夜の過ごし方”

リラクゼーション睡眠を目指しましょう

ポイントは”3時間かけてリラックスすること”
夜は覚醒モードから休息モードへ移行していき、副交感神経が優位になってきます。副交感神経がしっかり働いて快眠になるようにしましょう。
夕食は寝る3時間前までにすませます。もちろんお酒もです。
消化器官の働きを促進するのは副交感神経の働きですが、本来、副交感神経は脳を含め身体を休ませるために働くので、消化吸収にそのエネルギーを使ってしまうと休むことができなくなってしまいます。消化吸収にはおおよそ3時間かかるので、寝る3時間前までにすませるのがよいのです。
筋肉を緩め、血管を拡張していくために、ぬるめのお風呂に15分ぐらいは ゆっくりとつかりましょう。
自律神経のバランスが乱れていると筋肉がずっと緊張状態にあって、肩コリ、首コリなどがひどい方が多くいらっしゃいます。よく半身浴がよいといいますが、肩コリや首コリなどがある方は、逆にしっかり肩や首までお湯につかって温めてください。血管が拡張し血流がよくなることで、コリが改善できます。お風呂では身体を自分の手でなでていたわってあげるとオキシトシンというホルモンがでてリラックス効果が高まります。
そして、よく言われているとおり、TV、PC、タブレット、スマホは寝る前最低でも1時間は見ないようにしましょう。
目から光が入ると交感神経のスイッチが入ることになります。ですから、寝るときは照明を消して薄暗い状態が望ましいです。

これから梅雨の時期に向かってますます蒸し暑くなり、引き続き自律神経を乱される環境ですが、できることをできるときにできるだけ!をモットーに自分自身をちょっと甘やかしながら穏やかな毎日を過ごしていきたいですね。


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