ぽっきぃ

フリーライター/みんながみんな、ことばを食べて肥えてしまえ/好きなことばだけを抱きしめ…

ぽっきぃ

フリーライター/みんながみんな、ことばを食べて肥えてしまえ/好きなことばだけを抱きしめて生きたい

最近の記事

息。まっすぐに、長くのびて

息をする。鼻から吸って口から吐く。 意識してもうまく息ができないのだから、無意識ともなれば、呼吸が止まった状態で生きているのではないかとつい疑ってしまう。 *** よく箸が転んでもおかしい年頃なんて言われるが、今の私だったら箸が転んだとしても泣くだろう。それくらい精神的に参っていた。 感受性が強く繊細な性格。そのうえ共感性も高いからか、パルミジャーノチーズのようにゴリゴリと身を削って生きていく感覚が常につきまとってくる。 駅で電車が通過する時、今急にホームに飛び降り

    • 汚れながら生きる

      子どもの頃、大人が嫌いだった。エアコンの風は身体に悪いからと灼熱の中、冷房なしで行われる授業。休み時間に職員室に行くと、冷房がガンガンにかかっていて、大人はずるいと思った。 テレビをつけると、芸能人の不倫や浮気の話で盛り上がるワイドショーや略奪愛に燃える恋愛ドラマ。大人の世界に綺麗な愛はないのだろうか。 それでも私は早く大人になりたかった。大人になれば理不尽なことも自然に受け入れられるようになると思っていた。 そんな当時小学生の私に、こんなことを教えてくれた大人

      • 底見えコスメとランジェリー

        シャワーを浴びて、下着姿で髪を乾かす。鏡でボディチェックをして、もうちょっとくびれがあったらな、と横っ腹をつまんでみる。 そうだ、今日はワンピースを着るつもりだし、このままメイクもしてしまおう。 日焼け止めを塗ったあとに、下地を塗る。ファンデーションを重ねて、パウダーをブラシでのせた。この日のために1週間以上も前から丁寧にスキンケアをしていたので、化粧ノリは悪くない。 眉毛を描いたら、4色のアイシャドウパレットを手に取る。上の2色は底が見

        • 生得の位とは長也。嵩と申すは別の物也。

          一昨日、話の流れで風姿花伝について書いたら、なんとなく気になって久しぶりに手に取ってみた。私が1番好きな古典文学の書。 確か高校時代の教科書に登場した記憶があるが、 風姿花伝の中でも1番有名なこの部分が取り上げられていたと思う。 秘する花を知ること。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、となり。この分け目を知ること、肝要の花なり。(中略) この花の口伝におきても、「ただめづらしきが花ぞ」と皆知るならば、「さてはめづらしきことあるべし」と思ひまうけたらむ見物衆の前に

        息。まっすぐに、長くのびて

          「な」⇒「あ」で、「ホ」⇒「こ」

          自粛生活をしていると、好きな人に会いたいだとか、お酒を飲みに行きたいだとか、そんなことを考える。まぁ、これは普段の生活とあまり変わらない。 ただ、2ヶ月もこうしていると、そろそろ美容室に行きたいと思い始める。でも、ロングヘアだから切る必要はないし、髪色もそんなに明るくないから我慢できるなぁ、なんて躊躇して、思わぬところから、普段の生活が送れることの有難みを感じたりもする。その中でも、私が今、1番行きたいのは、博物館だ。 なんで博物館?と友達に聞かれた時、自分でも不

          「な」⇒「あ」で、「ホ」⇒「こ」

          シャーペンの恋

          ねぇねぇ、知ってる?恋愛のおまじない!シャーペンを好きな人の名前の数だけノックするでしょ。そして、ハートを書いて、芯がなくなる最後の最後まで、綺麗に塗り潰せたら両想いになれるんだって! そんな話を聞いた日。授業開始のチャイムと同時にシャーペンを7回ノックする。少しでも力を入れると、折れてしまう。そのドキドキ感が心地よかった。 ◇ シャーペンの芯が折れるような恋がしたい、のに、 折れるその一瞬、息が止まって、刹那―――。 何度も何度もシャーペンをノックしては、折れない

          シャーペンの恋

          ため息と幸せのハッピーセット

          中学生の悩みは尽きない。 小テストがあるのを忘れて勉強してなかったとか、今日の部活は体力メニューだから嫌だなとか、そんな小さなことがあの頃はとても大きく感じた。 それだけじゃない。同じクラスの子と些細なことから口論になった。気になる人が異性と仲良さげに話してるのを見てしまった。そんな一時的な悩みが一生続くようにも感じた。 ふぅーーーっ。思わずため息が出る。どちらかといえば、深呼吸のような長いため息。ちょっとくらい嫌なことがあっても、落ち着いていこうと自分に言

          ため息と幸せのハッピーセット

          涙の処方箋

          涙の数だけ強くなれるという言葉があるが、はたしてそれは本当なのだろうか。泣き腫らした目を保冷剤で冷やしていると、ふとそんなことが頭をよぎった。 生まれてから今日までに、数え切れないほど涙を流したけれど、その度に強くなってきた実感はない。第一、弱いから泣き虫なのだ。 でも、人間にとって笑うことよりも泣くことのほうがストレス解消効果が高いと聞いて驚いた。科学的にも根拠があるようで、過剰に分泌されたストレスホルモンの排出を促す効果を持っているらしい。 確かに、「涙

          涙の処方箋

          はじめまして。

          みなさん、はじめまして。ぽっきぃです。 よく骨折するのであだ名は、ぽっきぃ。今まで15回くらい骨を折ってるんです、と話せば大体の人がすぐこの名を覚えてくれます。 今回なぜnoteを始めたかというと、ただ単に文章を書くのが好きで、誰かに読んでもらいたいと思ったからです。 今日5月18日は、ことばの日です。ことばを大切にして生きている私にとって、始めるのにもってこいの日ってことで始めてみました。 好きなこと・もの、私の空想、自作のショートストーリー、最近読

          はじめまして。