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やかましい気持ちへ(小説)

やかましい先生がいた。
学年、学校の中で一番嫌われている先生だ。
最初に担任だと判明したときには絶望した。
その先生は女子には優しく、男子には死ぬほど厳しい。
4月になってしまった。
担任が早速女子に話しかけに行っているが女子が全力で会話を終わらせようとしている。
だがたった一人だけそんな担任のことを鬱陶しく考えず、親切に接している女子がいた。
その女子は誰にでも優しく、クラスでもモテていた。
その女子をSとしよう。
愚門、私もその女子に一目惚れした。
優しく、清楚で、よく笑ってくれる。
そんな女子に担任もしつこいほど話しかけていた。
その担任は独身で、女子に向けて話しかける時にハッキリ胸を見ていた。
女子たちからも、その話をよく聞いていた。
あいにく、私の好きなSは胸がなかったのでそんな話は聞こえなかったが…

そんなある日、Sが珍しく課題を忘れた。
初めて忘れても、狂ったように怒り散らかす担任だったが、その時だけは別人のように接していた。
他には見せないような寛容さで、
「しょうがないな~今回は許すけど~」
戯言を垂れていた。
その件から担任の噂でささやかれているのが、

担任はSのことが好き

鬱陶しい考えだ。
全男子を差し押さえて自分が仲良くなろうとしているのだ。
勿論俺らは抵抗するで?言論で。
校長に対して抗議をした。
「私たちと比べてどう見ても態度が違う」
その日から教頭が偵察にくるようになった。
Sも私に対して、
「最近、担任が私に対してしつこい」
不満を抱いているようだった。

ここからは私の話だ。
私に対しての待遇は厳しい物だった。
1学年の時に遊んでいるだけで通報されたことで、
先生方から一目置かれていた。
その担任は、理科の先生だった。
それでかわからないが、テストでいい点を取っても、
実験結果の書類を詳しく書いても、A評価をもらえなかった。
成績表も、あまりいい評価をもらえず先生に気に入られている馬鹿の評価が私よりいいという、周りから言われて気づいたおかしな点もいくつかあった。
趣味という趣味もないような担任は、校長から嫌われていた。
校長から怒られたら、私に当たりその結果校長から怒られるという
不のスパイラルだった。

その担任は嫌われたまま、学校を離任した。

そこからすべての先生の機嫌がよくなり、
女子の顔色が良くなったように見えた。

皆さんも、自分が雰囲気が悪くなる原因かもしれません。

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