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詩の図書館
2021年6月4日 18:23
インドの詩人、タゴールの詩を紹介するシリーズ。5回目は旅を思う歌を集めました。歓喜(よろこび)の海路(うみぢ)より 今日 寄する沖つ波皆人よ 今 櫂(かい)取りて 漕ぎ出(い)でな 皆人よ 出で立たな浄く真白き帆に孕(はら)む美(うま)し微風(そよかぜ)後方(しりへ)に騒ぐ波の音 高鳴る大空面(おも)に さし来る 朝日影船出の情景です。遠方(をちかた)に 眼を見開き
2021年6月4日 17:54
インドの詩人、タゴールの詩を紹介するシリーズ。4回目は暗くもの思う歌を集めました。咽喉(のんど)に 歌を求めて 空し 言ふ術(すべ)知らに 口吃(ごも)る 詮方(せんかた)なし わが生命(いのち) 泣く 君 われに わなをかけ われを包む 歌の網に歌の師である神に呼びかけようとも、歌を編めずに悔やむタゴールです。わが心 固陋(かたくな)なれば君 寄りますに相応(ふさは)ねど
2021年5月30日 22:29
インドの詩人、タゴールの詩の紹介です。今回は、タゴールの詩のうちでもとくに喜び、遊戯、光について歌ったものを引用します。師よ 如何(いか)に唄ひたまふや 口つぐみ ただわれは聴く歌の光明(ひかり) 地(つち)を 掩(おほ)ひ歌の息吹 天(そら)に 漂ふいざ われも ともに唄はむ来ませ いざ 天霧(あまぎ)らひ 雨降らす雲──翠(みどり)濃き 大恵みもて 来ませ この生命
2021年5月24日 21:39
インドの詩人、タゴールの詩を紹介します。敬虔な心で、インドの神に深い敬愛の念を示す詩集『ギーターンジャリ(歌の捧げもの)』より、一篇の一部を引用します。織るや 真薦(まこも)の玉蓆(たまむしろ) 編むや しうりの花かづら新草(にいくさ)の 初穂をとりて 籠(こ)を作り来ぬ来ませ 秋の女神(めのかみ) 白雲の車 召し来ませ 浄き蒼天(あおぞら)より「来ませ」の呼びかけがくり返
2021年5月20日 17:08
インドの詩人であり、1913年にアジアで初めてノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴールの詩を紹介します。『ギーターンジャリ(歌の捧げもの)』(ベンガル語本)より。神に捧げられた歌といえます。わが頭(かうべ) 垂れさせたまへ 君がみ足の 塵のもと請(こ)はずとも われに賜(たま)はる虚空(そら) 光明(ひかり) 身 心 生命日に日に われにもたらすこの大恵みに ふさは