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36歳の夏休み

お盆、地方転勤している友達がバッグいっぱいにおもちゃを詰めて帰省した。

彼は雨が降ることも考え、室内で遊べるホビーと外用のホビー、両方を準備してきていた。さすが仕事ができる営業マンは用意周到、「出世する人は違うな」と感心させられた。

幸い、台風は外れ当日は概ね晴れて暑かった。僕らは緑豊かな光が丘公園を散歩し、近くの喫茶店に入った。そこで彼はバッグから2種類のカードゲームを取り出した。

まずプレイしたのは「蟲神器」。これはあのダイソー発のカードゲームでなんとスターターもブースターも全て110円!スターターには構築済みデッキが2個入っているので110円で即プレイ可能。ルールは割愛するが、これが中々どうして面白いじゃない。熱くなって「ナミアゲハのりんぷんの効果発動!」と言ったところで隣の席のお兄さんが立ち上がり席を移動した。和を乱してすみません。
レアカードの高騰、結局金が物を言うこの業界で貧富の差がなく皆平等に遊べる「カードゲームの理想型」と言えるものだった。

次に「開運コロシアム」をプレイ。こちらはコロコロコミック8月号の付録だったらしい。じゃんけん要素が強く「運の値、運値(うんち)の大小で勝敗が決まる」というなんともコロコロらしいカードゲーム、あの頃から変わらぬこの香ばしさ。デッキが10枚で、一試合3分ほどで終わるので何度でもやりたくなる。付録なので10種類のカードしかなく、その中で戦略と運を駆使し戦う、こちらはカードゲームの一つの完成形である。(主観)
後日ヤフオクでゲット。

2時間ほどデュエルした後、今度は外用のホビーをしに公園へ。

彼がバッグから取り出したのは「スマッシュボマー」という見たことも聞いたこともないホビーだったが、キャラデザはシャーマンキングの武井宏之だったので当時のメーカーの本気度が伺える。

自身と相手のディスクが3枚ずつあり、手に装着したスーパーウェポン「ボマー」で相手ディスクを叩きつけ3枚ひっくり返したほうが勝ちという、いわゆる一つのメンコだ。聞くだけだとなんてことないが、実際やるとこれが異常な中毒性で、蝉がやかましく鳴く中、真夏の公園で何度勝負したか分からない。途中、フィールドを光が丘公園から上野公園に移し、僕らは辺りが真っ暗になるまでスマッシュボマーに明け暮れた。時々ボマーが地面に当たり「ビターン!!」と渇いた音がこだまするのがまた面白かった。終盤に私が2枚返しした時は三笘の1ミリか村上のサヨナラくらい盛り上がった。(体感)

朝から晩までフルに遊んだ36歳の夏、井上陽水の少年時代をかけたいくらいエモい夏の一日だった。

夏が過ぎ、風あざみ。

#夏の思い出 #休日のすごし方 #おもちゃ #カードゲーム #夏休み #少年時代

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