大人の笑顔が最強エネルギー。子どもが自分らしく歩いていける理由。
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ストレスが強くかかる環境下では、その子の本来の力を発揮することが難しくなる。
人間は、緊張下において話すこと、行動すること1つ1つに躊躇してしまう。
『ゆりな先生が担当なの嫌です!信頼関係が築けません』
保育園の巡回訪問相談。
目の前の保育士の先生は不満げな表情で私を見ている。
はぁ…どうしよう。
担任の保育士︰『この子はもう年長なんです。なのに、簡単な指示もわからない。集団行動で動かないんです。だけど、私はあえて話しかけません。自分で考えて気がついて行動してほしいから。もう年長なんですから』
自分で考えて行動をできるようになってほしいなと思う先生の気持ちは分からなくもないんです。
でもね…
さっきその子のクラスを観察した様子。
制作の時間。
子ども達は完成した物を渡すため先生のいる机に向かい、列をつくる。
その子も素敵な作品を作っていた。
席を立つ。だが、列には並びにいかない。
その場で自分の作品を握りしめ、みんなが並ぶ列を見ている。
子ども達の制作物を受け取りながら、そんな彼を横目で厳しい目で見ている先生。
きっと、先生は声をかけることなく彼に動いてほしいのだろう。
先生の鋭い視線。
その視線は俯く彼にチクチク刺さっている。
息が止まるような
体の奥から血の気が引いていくような
頭がぼーっとして何も考えられなくなるような
そんな感覚が彼を襲っているのだろうか。
先生は私に言う。
『昨日の給食はなんだった?と質問してもわからないと答えるんです。壁に貼られた給食の献立表を見て言えばいいだけなのに。ひらがなは読めるはずです』
『この子、発達的に何かあるのでしょうか。あるなら検査をとって問題を解明してください』
うーん…。
私には、知的な能力の低さというより、彼が何より恐縮していて言動を躊躇しているように見える。
安心して自分のお話ができるという雰囲気を作ってあげることで彼は変われるように思えた。
これをオブラートに包んで、保育士の先生に伝えた。
その結果が、記事の冒頭である。
もし
向ける視線が優しい視線に変わったら
かける言葉がもう少し柔らかくなったら
できるか、できないかを監視の目ではなく
そっとあたたかい視線で見守れたら
彼は、怒られることにビクビクしないでお話をしたり行動したりできるようになるのだろうか。
間違うことも
失敗することも
いっぱいある
子どもだもの。
それを許して、いい方向に導いていくのが大人の役目。
優しく優しく手を引いてあげましょう。
迷ったら手を差しのべてあげましょう。
それが自分で歩いていく勇気になるから。
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