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ヒミツの書庫《小説・詩・マンガ・アニメ》

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からくり部屋の「隠し本棚」にそっと入れたい、個人的テイストのnoter創作。
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#ショートストーリー

テレパシーの作法

「お主、悩みがあるそうだな」 「あなたは誰? なぜ姿が見えないのですか?」 「私はお主の脳…

与井杏汰
10か月前
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真野さんと吉田くん 9話〜アフタークリスマス〜

12月に入り、空気はだんだんと冬らしい寒さをたたえ、街のそこかしこには、クリスマスを彩る電…

camyu
1年前
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「殺してもいいヒト。」/ショートストーリー

「ああ。」と夫がため息をついた。 朝食をテーブルに出しながら、わたしは眉をひそめた。 我が…

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『流された神様』

いつからその男が住み始めたのかは誰もわからなかった。 気がつけば、その橋の下に住み着いて…

マー君
1年前
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コピーする鏡

 その鏡が人を映すだけではなく、中の人が外に出てこられる、すなわち人をコピーできる、とい…

与井杏汰
2年前
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鴇色の便り【掌編小説】

ある冬の日。 郵便受けに一通の手紙が入っておりました。 淡い鴇色の上品な和紙を用いた封筒で…

ume15
2年前
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猫になりたいわけじゃない【短編小説】

現在中学3年生の戸川晴人は、ベッドの中で悶々と思考を巡らせていた。 晴人には今、片想いの相手がいる。同じクラスの岬夕美だ。 夕美は身長順では常に一番前になる小柄な女子で、垢抜けた派手さは無いが、リスやハムスターのような愛玩動物を思わせる可愛いらしいタイプだ。鼻に掛かった声も相まって、隠れアニヲタである晴人の好みのど真ん中なのだ。 授業中も、隙あらば対角線上の席の夕美を見ているし、家には、ひたすら岬夕美と名前を羅列したノートがある。勉強に集中している時以外は、もうずっと夕

独立国家

「阿津川さん、いますか?」  アパートの大家が玄関の扉を叩いた。  ドアを開けると、大家が…

与井杏汰
2年前
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眼科医

「次の方どうぞ」  看護師が呼びかけると、大人しそうな、そして元気のなさそうな男が診察室…

与井杏汰
2年前
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