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10秒で読める小説

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100作書けたので、次の目標は150作!ってことでボチボチ書いていきます。
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#トイレ

【10秒で読める小説】懐かしい味

【10秒で読める小説】懐かしい味

僕は日本で人気カレー店を営む、インド人だ。

「ここのカレーは本場の味なのに、なぜか懐かしいんだよな」
客はみな、不思議そうに言う。

「アリガトウ、ゴユックリ」
と笑顔で言い、僕は厨房に戻った。

日本人である僕の妻が、仕込み用の鍋をかき混ぜながら呟く。
「肉じゃがをリメイクしたカレーが、こんなに流行るとはね」

【10秒で読める小説】祭りの始まり

【10秒で読める小説】祭りの始まり

授業中、激しい尿意に襲われた。
でも中学生にもなってトイレに行きたいとは、恥ずかしくて言えない。
パニックに陥った私は立ち上がり
「我は天狗じゃ。この娘に取り憑いた」
と叫んで教室を飛び出た。

その後、当地の天狗伝説がまことしやかに囁かれ、
天狗祭りなる行事が始まり、
二十年経った今もなお引き継がれている。

【10秒で読める小説】迫り来る奴

【10秒で読める小説】迫り来る奴

ドアには鍵がかかっていた。
私は激しく叩いた。
「早く開けて!奴がもうそこまで来てる」
「悪いが開けることはできない」
中からは無慈悲な声。

「そんな!私を見捨てるのか」
「こちらにも事情があるんでね」

ジーザス!私は右手で頭を抱えて、左手で尻を押さえた。
奴はもう、肛門に迫っていた。