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「LOVEな気持ち」

少しひんやりとした今日の天気。

今し方、降り出した雨。

冷たい雨が頬につたい、流れ落ちている。

拭いもしないで、ヤッケのフードを被った。


アスファルトの地面に、みるみる吸い込まれていく。

昨日残していったものを、全て洗い流していく。

無かったかのようには、出来ないのに、勢い良く降りつける。


夕飯の食材をスーパーへ買いに行った、帰り掛けの出来事。


冷たい雨が、黒いヤッケを濡らしていく。

昨日洗濯したばかりなのに、びっしょりと透明のものに、

覆い尽くされていく。

唯一救われたのは、未だ新しいので水玉になって張り付いて、

中に入らないように弾いてくれた。


フード越しに車のヘッドライトを見遣り、

アスファルトの地面に撒き散らされた、雨水を弾かれないように、

避けて通り帰路へと向かった。


冷たくなった雨、冷たいものを欲しなくなった己。

避けてないつもりだったが、避けざるを得なくなってしまった。


正直者が馬鹿を見ると言うが、強ち間違ってはいない。


けれども、いつまで経っても、不器用にしか生きられない。

根っから、正直にしか生きられない。


それでもなお、

素直になれって言われる理不尽さを、感じる出来事があった。


それは、完全に服従しなさいって、言われるようなもの。

素直 = 服従ではない と思う、思いたい。


新しいヤッケのお陰で、ずぶ濡れにならなくて済んだ。

雨水を弾いてくれたから。


それはまるで、中に入って来ようとしてくるものに、

抵抗しているようにも見えるが、決してそうではなく、

冷たい思いをさせないように、守ってくれているものだから。


何をどのように言われようが、今、ヤッケは脱げない。

脱がせられたくない。

それを、頑固だと言われると、それまでだが…

自分を守るもの、守ってくれるものは、最低限、必要だから。


ヤッケ、L O V E!


どこまで行っても、L O V Eなのだろう。


ほんと、不器用にしか生きられない。



温かいホットコーヒーが、恋しくなった。



貴女にも逢いたくなった。




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