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男性としてミソジニー(女性蔑視)を考える

メンズリブAMASは、男性たちが
自分たち男性が抱える生きづらさや難しさ、
「有害な男性性」といわれるような問題について
男性同士で考える、そのような場・集まりです

自分たち男性が、今の社会においてできることを
女性差別をしない」ということを大切にしながら
考え、それに取り組んでいこうとしています。
(男性のこのような活動が「女性差別」に繋がって
しまうという問題については、以前の記事をご覧ください)

今回は、私たちが気をつけたい
また無くしたいと考えている「女性差別」、
その背景にある「ミソジニー(女性蔑視)」という
ことがらについて、あらためてまとめてみたいと思います。

ミソジニーとは何か?

ミソジニー(女性蔑視)とは、
「女性を蔑視すること」を意味する言葉です。
女性への蔑視は、社会的・文化的なレベルで
存在する女性の人権に関わる問題です。

わかりやすい例としては、
女性が男性よりも低い地位に置かれたり、
性的暴力の被害に遭(いやすか)ったり、
社会的なプレッシャーによって、
女性が自分自身を表現することに
難しさを感じさせられていることなどがあります。

もっと日常的でわかりやすい例を挙げると
「女って〇〇だよね」とか
「女なんだからもっと〇〇になりなよ」とか
「女のくせに〇〇するなんて」とか
そんな風にして女性を揶揄する言葉の背後には
大抵ミソジニーが含まれています。

ミソジニー(女性蔑視)は、
一般的には男性によって行われるものです。
しかし、女性自身もその価値観に
影響されることがあります。
女性が女性自身を蔑視することは、
自分自身の権利を否定することであり、
女性の自己価値を低下させ、社会における女性の
主体性や積極性を失わせてしまうことに繋がります。

しかしそれらは、女性自身に責任があるのではなく、
男性や、男性中心の社会による「抑圧」の結果
です。
女性は男性よりも劣っていると
無意識に思い込まされているわけです。

男性の無意識のミソジニー

多くの男性の内には、
無意識のミソジニー(女性蔑視)が存在します。
例えば、女性に対して無意識に優位性を感じたり、
女性を性的対象として見たりすることが挙げられます。

メンズリブAMASの過去の記事でも
男性の、無意識のミソジニーによると思われる行動について考え
記事にも書きました。

男性によるこれらの行動や傾向は、
個人的なレベルだけでなく、
社会的なレベルでも現れることがあります。
男性の内にある無意識のミソジニーが
社会に浸透していることによって、
女性に対する不平等・差別が助長されている
のです。

例えば、女性が仕事をする際、
男性よりも低い給与を提示される場合などがそれです。
これも、女性に対する無意識のミソジニーによって、
女性が男性よりも劣っている、
仕事ができない、能力が低いというような考え方が
一般化していることによるものです。
一般化しているために、そのこと自体に
疑問すら抱かないことも
あります。

しかし、ミソジニーに基づく不平等・差別は、
女性の人権に関わる大問題
なのです。

ミソジニーに対する個人的な取り組み

ミソジニー(女性蔑視)という
女性に対する人権侵害を無くすために、
どのような取り組みができるでしょうか。
大きく分けると、
個人的な取り組みと、社会的な取り組みが考えられます。

個人的な取り組みとしては、
自分自身の考え方を変えるということが何より重要です。
自分がミソジニー的な考え方を持っているかどうかを見つめ直し、
そのような考え方を改めること、
自覚し、改めようとすることが大切です。

具体的には、
女性に対して優位性を感じたり、
女性が何かをすることに対して
否定的な見方をすることを避けること
などがあるでしょう。
無意識に、そのような思考や考え方、態度が
習慣になってはいないでしょうか。
自分の女性に対する見方を点検してみてください。

また、ミソジニーに対して学んだり
他の人と話してみたりすること
も重要です。
自分自身が持っているミソジニー的な価値観については、
無意識であるがゆえに、それに気づくことは困難です。
フェミニズムや男性学についての本を読んで学んだり、
同じような関心をもった人同士で話すことによって、
無意識に染みついた自分の価値観に
気づくことができるかもしれません。

メンズリブAMASを始めるきっかけになった
「男性同士で考える」というTwitterスペースは
まさにそのような中で始めた取り組みでした。

なかでも女性からの言葉は、
男性にとって、大きな気づきのきっかけに
なることがあると思います。
しかし、
「女性から教えてもらおう」とすることは
それ自体がミソジニー的な態度や言動に
繋がることもある
ため、おすすめしません。

まずは自分で本を読んで学んだり、
男性同士で話すなかで、少しずつ自分の無意識に
気づいていくことが大切です。
メンズリブAMASは、男性同士で
そのような取り組みをしています。

ミソジニーに対する社会的な取り組み

社会的な取り組みとしては
教育、メディア、法律など
様々なアプローチが考えられますが、
いずれにしてもそれが、女性に対する差別であり、
人権侵害であるということを忘れずに、
その是正に取り組むこと
が重要です。

教育でいえば、
ジェンダー規範について、
そのなかで差別され、抑圧され続けている
女性の状況について学ぶ必要があります。
ジェンダー規範は、性役割規範ともいわれますが、
それらは男性中心の社会において、
男性が優位になるような構造を生み出し、
維持するように働いています。
それは、男性自身の生きづらさにも繋がっています。

また、女性の権利について、
男女平等についての理解を深めることで、
ミソジニー的な価値観に抵抗することができます。
「権利」(Rights)とは、「正しいこと」
「あたりまえ」のことを意味します。
男女が平等であることこそ「正しいこと」であり、
男性も女性も等しく尊重されることは
「あたりまえ」のこと
です。
その「あたりまえ」が実現していないのが現状なのです。

また、メディアにおいては、
女性を性的対象として扱ったり、
女性を暴力的に描写されることが
あたりまえとされています。
これらの大問題に対しては、
広告業界やエンターテインメント産業が
自主的に行う取り組みのほか、
女性の人権の視点に立った法的規制も必要でしょう。

法律による規制について、
性的暴力やハラスメントに対する法的規制は、
特に職場における女性の安全を守るために必要不可欠です。
実際、企業においては、
女性に対する差別的な行動が禁止されています。
ハラスメントや女性への差別的な待遇が発生した場合は、
企業側が適切な対応を行うことが求められます。

また、職場に関わらず
女性の権利に関する法律の整備も必要です。
「女性差別禁止法」の制定が求められます。
ミソジニー的な価値観に基づく差別や暴力行為は、
重大な人権侵害
であるとして裁かれるべきです。

まとめ・おわりに

ミソジニー(女性蔑視)は、
女性に対する差別的な態度や言動を意味します。
女性が社会的地位を向上させる中、
男女の不平等は減少してきたとも言われていますが、
それでもミソジニーは、私たちの無意識や
社会・文化の中に、根強く残り続けています

そのことが、男女平等の実現を
非常に困難にさせています。

ミソジニーに対する個人的な取り組みとしては、
自分自身が持っているミソジニー的な価値観を見直し、
改めることが重要で、
社会的な取り組みとしては、教育、メディア、
法律などの規制によって、
ミソジニーを是正することが求められます。

女性は男性と同じ権利を持ち、
安心・安全に、幸せに生きる権利があります

ミソジニーが減少し、女性差別が無くなることで、
女性が今よりももっと自由に、
安心して生きることができる社会が
実現されることを願います。
そのために、男性としてできる取り組みを
続けていきたいと思います。


ミソジニーについて知る・気づくためにおすすめの本


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