見出し画像

男性同士で考える#1「男性はどうして女性の話を聞けないの?」

Twitterで
「男性同士で考える」というスペースを不定期で始めました。
そこで出てきた話を記録しておこうと思い、noteに書き留めていきます。
そのときには話せなかったことも書き加えています。

はじめに

そもそもこのスペースを始めたきっかけは
相互さんのスペースで
女性同士で「どうして男性は〇〇なんだろう?」という話を
しておられたのを聞いて
「ん?これって男性の問題で、本当は男性同士で考えることがらでは?」
と思ったからでした。

女性同士で話されていた話題は
「どうして男性は、女性差別や性暴力の話になると
 話が聞けなくなるのか?」
というようなことでした。
よく言われるのは Not all men
「すべての男性が加害者なわけではない」という言葉……

そう言って
女性が語る差別の実態や、暴力への切実な訴えを
受け止めることができない男性についての疑問です。

スピーカーさんから出てきた話

今回はこんな話が出てきました。
・話の真偽を確認・判断しようとしてしまうのではないか。
・語る側の意図、ニーズがわかっていないのではないか。

男性は、女性の話を聞くときに
話の内容を“ただしく”聞こうとするなかで
「そのまま聞く」ことよりも
「確認」や「解釈」、「判断」をしようとしながら
聞いてしまうのではないか。

また、語る女性側が
語ることによって何を求めているのか、ニーズを判断することの難しさ
ただ聞いてほしいのか、解決を求めているのか……
そのあたりの食い違いによって
聞くことができていないのではないか。

考えたこと・思ったこと

確かに
自分も、女性から……に限らず
人の話を聞くときに
それが本当なのか、どういう状況なのか
できるだけ"ただしく"聞こうと慎重になることがある。

ただ
女性が自身の被差別経験や性被害経験を
男性である私(たち)に話してくれた場合
それを「本当なのか?」と疑ったり
必要以上に「どういう状況なのか?」と確認することは
”ただしい”聞き方なのだろうか?

被害者が語る経験は、その人にとっては真実で
それを疑いながら聞いたり
ましてやその人自身の責任を問うてしまったりすることは
さらに被害者を苦しませる「二次加害」になる。

また、大切に語ってくださったそのことがら
それも、おそらくほとんどの場合加害者側にいるであろう
男性である私(たち)にそれを語ってくださったとき
男性はそれを偉そうに
「確認する」「確かめる」「解釈する」「判断する」
そんな立場にはないだろう。

そのとき
男性である私(たち)に対する
語る女性側の意図、ニーズは
まず第一に
ただ、何も言わずに黙って聞くことなのだと思う。

しかしそこで、その女性の語ったことが
「それはほかでもない、男性であるお前のことだ」
と聞こえてくるとき……
Not all men「すべての男性が加害者なわけではない」
と言いたくなる。
「自分はそんなことしない/していない」と言いたくなったり
自分以外の、世の多くの男性たちを
庇いたくなるような、変な衝動に駆られることさえあったりする。

それでも
そのときに言いたくなる「でも……」という言葉は
男性である私(たち)にその経験を話してくださった
女性に向ける言葉ではない。
繰り返しになるが
「でも……」ということ――疑いや確認、解釈、判断は
女性を苦しめる「二次加害」になる。

女性差別、男性から女性への暴力があることは
否定することができない事実。
そのことを前に、男性である私(たち)にできること
それは
「でも……」という言葉を、女性に対して返さないこと。
女性差別や女性への暴力を
女性の問題ではなく、自分たち男性の問題として
ただ聞き、受け取ること。

そして何か話したくなるならば
女性に向かって話すのではなく、男性同士で話し合うこと。

今回始めたスペースも
男性同士のそのような場所になればと思っている。
もしかすると、男性と女性がお互いに安心して話すことができる
クローズな場所も必要かもしれない。


スペースで紹介した本


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?