【一級建築士学科試験】独学で一発合格したときの勉強法
一級建築士試験の記録 学科試験編 です。
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私は令和元年(2019年)に初受験し、
学科試験に独学で一発合格しました。
資格学校に通う方が多いと思いますが、
勉強時間やお金が捻出できない
そもそも学校に通うこと自体合わない
など、さまざまな事情があって独学を選択される方も多いと思います。
少しでもそのような方の参考になればと思い、
私が学科試験を独学で一発合格したときの勉強法を紹介しようと思います。
参考までに、
令和元年本試験での得点は下記の通りでした。
この年は合格基準点が97点と近年稀に見る高い基準点でしたが、独学でも満点近い得点を獲得することができました。
完全に新規の問題ももちろんありますが、
選択式なので、ほとんどの問題は過去問で出された内容をしっかり理解できていれば解けるようになっています。
(4択のうち3つは過去問、1つが新規問題など)
ただ令和3年の学科試験では、
特に「計画」科目が過去問だけでは太刀打ちできないほどの難易度だったようです。
過去問だけでなく最近のトレンドにも目を向けなさい、という試験元のメッセージなのか、なんとも酷な試験だなとつくづく感じます。
ただ、ほとんどが過去問ベースに試験問題が作られることは変わらないので、愚直に過去問を解きまくることが基本的な学習スタンスになると思います。
また独学は孤独な戦いになるので、
互いに高め合える独学勉強仲間を作ることで、モチベーションアップにつながります。
私は共に独学で受ける友人の存在があったからこそ合格できたと思っています。
(その友人も110点台で合格しました。)
教材について
学科試験で主に使用した教材は下記の通りです。
それでは一つずつ紹介していきます。
■ 「一級建築士」受験対策(TK office)
こちらは学科試験の過去問が収録されたiPhone専用のアプリです。
iPhoneをお持ちの方は、
まずこのアプリをダウンロードしてください。
アプリ内課金で1000円弱支払う必要がありますが、過去問の量、クオリティ、操作性、どれをとっても申し分ないほどの神アプリです。
学科対策のアプリはいくつか出されており、色々試してみましたが、これが圧倒的に使いやすいです。
法規だけは学習方法が特殊なこと、毎年法改正があることから対応していませんが、それ以外4科目の過去問16年分が収録されています。
通勤中の電車や昼休みなどのスキマ時間にこのアプリを開き、問題をどんどん流して解いていくことで、出題形式や試験範囲の大まかなイメージを掴んでいくことができます。
難易度を設定できたり、進捗度を把握できたりとゲーム感覚で気軽に勉強できるので、かなりオススメです!
■ Studyplus(Studyplus Inc.)
こちらは勉強を習慣化させるためのアプリです。
一級建築士試験の勉強は長期戦になるため、モチベーションを維持することが一番苦労するところです。
特に独学で勉強する人は、学校から与えられるノルマのようなものがないため、自分自身で学習管理をしていかなくてはなりません。
使い方はシンプルで、教材を登録し、毎回勉強した時間を記録する。これだけです。
タイマー機能もあるので、勉強を開始する前にセットしておき、終わったら止めるということを習慣化すれば、より正確に記録することができます。
その記録は、グラフでどの科目を何時間やったかが可視化されるようになっているため、客観的に自分の学習状況を把握することができます。
また、同じ達成目標を設定しているユーザー(私でいえば「建築士」)と繋がることで、その人が何の科目を何時間勉強しているのかをタイムラインで見ることができます。
一緒に独学で勉強していた友人も登録していたので、学習量を競い合ったりすることで、モチベーションを維持し続けることができました。
一級建築士以外の勉強でも使えるのでオススメです!
■ 建築関係法令集 法令編(総合資格学院)
法令集は、一級建築士試験の法規科目において、唯一持ち込みが許可されています。
法令集を出版している会社は色々あるためお好みでよいと思いますが、書店に行って、実際に手に取って確かめて、自分に合うものを選ぶことをオススメします。
口コミだけを頼りに、最初からネットで買わない方がよいでしょう。
私は色々確かめた末、総合資格学院の法令集を選びました。
法令集自体のサイズが大きく、1ページあたりの情報量が多いこと、インデックスを貼るポイントが充実しており、よく出る関連条文が引きやすいことが特徴的で、見やすさと使い勝手のよさが一番優れていたように思います。
デメリットとしては、サイズが大きく重たいため、持ち運びが大変なところです。
ただSサイズのものもあるので、確かめてみて見づらくなければそちらでもいいかもしれません。
(※ 言うまでもないと思いますが、昨今は特に法改正が多いので、最新版を購入してください)
■ 総合資格学院の教材一式(H26版)
資格学校に通う人は、強制的に資格学校から配られる最新の教材を使って学習すると思います。
逆にいえば、独学受験生は自由に教材を選ぶことができるので、多数派の通学生と差別化を図ることができます。
独学で勉強を始める前に色々調べてみると、
「15年分の過去問を完璧にすれば合格できる」
という記事をいくつか見つけました。
先述した「一級建築士」受験対策アプリでも過去問16年分が収録されているのもあり、約15年分学習できる方法を探しました。
しかし、市販の教材、大手資格学校の教材でも、過去10年分までしか対応していません。
そこで、某フリマサイトで検索してみると、
大手資格学校の教材が最新のものから数年前のものまで出品されていました。
当時受験した年の5年前(H26版)の教材一式が5000円ぐらいで出品されており、ちょうど15年前から過去問が解けるということで、迷わず購入しました。
教材内容は下記の通りです。
どの教材もとても優れているのですが、
特にトレイントレーニング(通称:トレトレ)という教材が最強です!
この本は、文字通り電車でも気軽にトレーニングができるハンドブックで、総合資格が毎年試験問題を分析し、頻出のものを一問一答形式で載せています。
試験は4択での出題ですが、1問ずつ理解することが重要なので、テンポよく学習が進められます。
特に法規に関しては、先述したアプリが対応してない分、トレトレが補ってくれます。
この本を読み倒した頃には、法令集の出番がほとんどなくなっているはずです。
法規科目は特に時間との勝負なので、いちいち法令集を引いているヒマはありません。
法規は過去問を解いた量で大部分の点数が決まるので、ごりごり過去問を解きまくりましょう。
コンパクト建築作品集は、
大多数の人が興味ないであろう建築作品をビジュアルで分かりやすく整理された本です。
これは5科目一通り終わって、本当にやることがなくなった頃に読むぐらいでいいと思います。
最初に覚えてもすぐ忘れちゃうので、最後の詰め込みで覚えてください。
なお、直近5年分の過去問については、
アプリの問題を解くだけで十分です。
というのは、
問題の問われ方は変わるにしても、問われる知識はほとんど変わらないからです。
(もちろん例外はありますが。)
したがって、古い教材で勉強しても、直近の問題でも解ける力は十分つきます。
ただし法規に関しては、毎年法改正が行われるので、最新の法令集と照らし合わせながら修正する必要があります。
■ TAC建築士講師室ブログ
こちらは、資格学校TACの講師が書いているブログです。
特に一級建築士学科試験においては、
TACの専属講師・井澤先生が書いている
・井澤式比較暗記法
・井澤式実例暗記法
がめちゃくちゃ役に立ちます。
これは、一見関係ない項目を比較して結びつけることで、知識が体系化され、受験生が間違いやすいところも暗記しやすくなるというものです。
とてもわかりやすくて、相当なボリュームなのに
無料で公開してくれています。
スキマ時間でも気軽に読めるので、
スマホのホーム画面にブックマークしておくことをオススメします。
学習スケジュールについて
一級建築士学科試験は5科目あり、それぞれ配点や難易度が異なります。
なので優先順位を決め、ざっくりでも学習計画を立てる必要があります。
勉強の進め方
勉強の進め方は人それぞれですが、
配点の大きな科目からやっつけていくことがセオリーでしょう。
30点の「法規」「構造」
25点の「施工」
20点の「計画」「環境・設備」
の順ですね。
5科目バランスよく勉強しつつも、
配点の大きな科目から先にやっつけておけば、それが大きな得点源になるため、後がラクになっていきます。
私は、配点が大きな法規と構造、施工を5月中にある程度仕上げてしまい、6月と7月の2ヶ月間で計画と環境・設備を集中して勉強しました。
往復2時間の通勤中、昼休みなどのスキマ時間は、「一級建築士受験対策アプリ」や「トレトレ」を用いて、機械的に問題を解きまくりました。
試験直前期になれば、嫌でも問題を覚えているようになっています。笑
勉強時間の目安
一般的には、初受験で学科試験に合格するために必要な勉強時間は1000〜1500時間と言われていますが、
自分に合った学習計画・方法を立て、効率的に勉強すれば1000時間も必要ないと思います。
私は7月末の試験から約6ヶ月前の1月から勉強を開始したのですが、
上で紹介したStudyplusでの記録によると、
それぞれの科目の勉強時間は下記の通りでした。
正確な数字ではありませんが、ほとんど配点の大きさに比例した勉強時間になっています。
そしてここで注目したいのは、
そのうち3割の時間は1000円もかからないアプリの問題を解いていることです。
いかに費用対効果が大きく、超優秀な教材であるかが分かります。
おわりに
一級建築士学科試験は、合格率が毎年約15〜20%となっていますが、初学者でも独学で合格することは可能です。
人によって、試験の勉強時間や進め方には大きな差が生じてくると思います。
ただ、スケジュールを立てて、焦らずに落ち着いて知識を深めていくことが重要だと思います。
学科試験に合格すれば、一級建築士試験最大の難所、設計製図試験が待っています。
まずは第一関門、学科試験合格を目指して頑張ってください!
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