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【ニューロマーケティング】脳科学で本人も知らない「買いたい気持ち」を利用して

あけましておめでとうございます!PLEN Roboticsの新しいインターン生、ラドカです。
新年の抱負は、お届けする記事を通してたくさん学ぶこと、そして皆さんにもたくさん伝えることです!

早速ですが、皆さんはニューロマーケティングという言葉を聞いたことがありますか?
マーケティングは会社側だけではなく、消費者としても知っておきたいことがたくさんありますね。
今日はマーケティングの一種であるニューロマーケティングについて見ていきましょう!


◯ニューロマーケティングとは?

ニューロマーケティングは、近年発達しているマーケティング手法です。
「ニューロ」は「神経」を意味することから、ニューロマーケティングは脳科学の成果を利用して消費者心理や行動原理を分析し、マーケティングに応用するという方法です。

※ちなみに、脳科学は、人や動物の脳そのもの、脳の機能を研究する学問分野です。

・今までのマーケティング

今までは、アンケートヒアリングによって消費者行動を分析していました。
そこで質問です!皆さんは質問もちゃんと読まずにアンケートに答えたことはありませんか?(私は何度もあります。)
そして、アンケート調査の回答は、建て前、調査の日の感情、その日の出来事などの影響も受けます。
このような方法では、必ずしも消費者の本音を引き出しているとは言えませんね。

このようなことから、従来型リサーチは信頼性の低いデータをたくさん含んでいると言えます。

・ニューロマーケティング

信頼性の低い主観的なデータに対して、ニューロマーケティングは客観データ、つまり脳の発する生体信号の計測により、消費者の好みや無意識の心理などを可視化して定量評価するものです。
そして客観データに基づいてマーケティング施策の立案に役立てようとするものです。

ということは、本人も気づいていない無意識の本音に迫る手法ということです!

◯無意識の領域

人間は必ずしも自分の本心を把握しているとは限りません。
以下のような図を見たことのある方も多いと思いますが、我々の意識は潜在意識の上に成り立っています。

自分の意識は氷山の一角に過ぎない

人の潜在意識に潜んでいる、心の中を可視化するためには3つの指標を使います。
生理指標
行動指標
主観指標

以下はそれぞれを説明します。

①生理指標

生理指標は、人間がコントロールできない生体反応を数値化したものです。
例えば、脳波、脈拍、心拍数などが代表的なものです。

②行動指標

行動指標は、商品棚や広告を見る視線など、消費者の心身の変化を表すデータです。

③主観指標

主観指標は、アンケートやヒアリングなどの既存の調査手法です。

この主観指標を、生理指標、行動指標から得られた客観データと組み合わせて、消費者の本音に迫ります。

◯分析方法・具体例

次は、主観的なデータと客観的なデータを組み合わせてどのような分析ができるか、そしてその分析結果をマーケティングにどのように応用できるかを見ていきましょう。

例えば、広告視聴アイトラッキング(視線追跡)を使うと、この広告のどこが見られているのか、どの部分が広告にポジティブな影響を与えているのかを把握することができます。

アイトラッキング(視線追跡)

また、商品パッケージどこに視線が集中するかを見れば、人目を引くパッケージのデザインにも役立てます。

アイトラッキングの他には、脳内の血液循環量を計測すれば、脳内で活性化している部位が分かります。
マーケティングに応用すると、あるサービスを体験してもらって、消費者がそれを楽しんでいるかどうかが分かりますね。

他にも、表情分析すれば、対象の商品やその広告にどういった感情を持っているかを調べることもできます。

・表情による感情分析のプロトタイピング

PLEN Cubeでは、表情から感情分析をして、その感情に対応した音楽を流すというサービスのプロトタイピングをしたことがあります。
最終的には、実際のサービスにはなりませんでしたが、機能するプロトタイプまではできました。
しかし、人間は顔で笑って心で泣くなどのように、本当の気持ちが表情に出てこないことがあるので、精度的にまだ十分でないと判断されました。

・ニューロマーケティングの実例

ニューロマーケティングはまだ発展中の分野ですが、実は皆さんもご存知のブランドがニューロマーケティングをすでに使っています!

例えば、チョコレート菓子のスニッカーズは「お腹が空いたらスニッカーズ」というフレーズをCMなどで多用しています。
これは脳の思い込みという仕組みを利用して、無意識に働きかけ、「空腹」と「スニッカーズ」を紐づけるというブランディング戦略になります。

また、アップルのロゴのリンゴが欠けているのも、欠けた部分があることによって、強い印象が残るという脳の機能を利用したものだと言われています。

同様に、マクドナルドのロゴが赤と黄色でできているのは、幸福感や満腹感、美味しさなどの刺激を脳に与えるからと言われています。

◯ニューロマーケティングは未来なのか?

マーケティングの役割は、人に必要としていないものを買わせることです。
そのためには、ニューロマーケティングはとても有効ですが、人の内心にズカズカ入り込まれるのには抵抗感もありますね。
まだ発展途上の分野のニューロマーケティングですが、個人のプライバシーをどう保護するか、それからマインドコントロールの問題など、これから考えなければならない論点は多いです。

まとめ
ニューロマーケティングは、視線や脳内の血液循環量といった脳科学の客観データを使って、我々が商品・広告のどこを見ているか、どこを楽しんでいるかなどを可視化することにより、より効果的な宣伝を目指すものです。

マーケティングに興味のある方はこの動画も参考になると思います。

弊社PLEN RoboticsのNoteは毎週金曜日に投稿しています。来週はどんなお題になるのかな~ぜひチェックしてくださいね~

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