【読書】ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代
日本の労働環境が劇的に変容しつつあります。引退まで同じ会社で働き続ける人は少なく、ジョブ型雇用が進んでいることがニュースで放映され、目にする機会も増えてきました。
ちなみにジョブ型雇用とは、従業員に対して職務内容を明確に定義し、労働時間ではなく成果で評価する雇用制度のことで、欧米諸国で広く普及しています。
厚生労働省の資料・報告書でも副業・兼業・フリーランスといった多様な働き方に向けた環境整備に動き出し、誰にも出番と役割があり、働きがいと生きがいを感じることができる社会の実現に取り組んでいることがわかります。
多様性の中からこそ新しいアイデアが生まれ、小さな成功やイノベーションが沸き起こる。一人一人の個性と変化のあるライフステージに応じた多様な働き方が共存することで日本は長い低迷から復活していけるのはないでしょうか。
そんなこと言っても自分は個性がないし、今のままでいいや。とお考えの方も多いと思います。
自分に合っていないことであれば、無理矢理行動に起こす必要はないと思いますが、現状を変えたいと考えている人も多いはず。
今回、”ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代”という書籍を読みましたので、紹介したいと思います。
1. オリジナルな人はリスクテイカー?
世間から見て成功している人はリスクを恐れない勇敢な人だと思われがちですが、実際はそんなことがなく普通の人であるとこの書籍は説いています。
様々な著名人はオリジナルで才能に溢れた人と思われますが、その人達もそうではなく平凡な人間です。
平凡の人間とは、リスクを恐れて、事を成すときには恐怖と戦います。
著者のアダム・グラントは組織心理学に精通しており、オリジナルな人たちがなぜオリジナルになれたのかを科学的な手法でアプローチをして共通点を明らかにしていました。起業家を追跡調査したところ、本業を続けながら起業した人は、起業に専念した人よりも33%も失敗の確率が低かったのです。
リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高いということになります。
2. 天才だからアイデアが浮かぶ?
個性を活かして、人と違うことをやってみたいと一度は考えることもあると思います。
そう思ってもオリジナルなアイデアが浮かんでこないことって良くあります。
本書ではオリジナルなアイデアの生み出し方も説いています。
それは、大量にアイデアを創作すること。これが大事です。
多くの人が斬新なものに到達できないのは、アイデアをちょっとしか出しておらず、その少数のアイデアを完璧に磨き上げることにとらわれています。
作曲で有名なベートーベンも大量に創った曲の数曲が皆さんにも知られている曲であったり、発明家で有名なエジソンも上手くいかなかった方法・創作が圧倒的に多くなっています。
ある分野における天才的な創作者は、同じ分野に取り組む他の人たちよりも、とくに創作の質が優れているというわけではないのです。
3. まとめ
オリジナルな人とは”みずからのビジョンを率先して実現させていく人”のことです。
”今あるもの”をそのまま使うのではなく、みずから行動を起こして、よりよい選択肢がないかを探し求めます。
最低所得者層は一貫して、最高所得者層よりも”現状を維持する傾向があるそうです。
オリジナルな人は失敗することよりも、やってみないことのほうが後悔すると考えているのです。
本書の一文が印象に残りましたので、引用いたします。
ー以下、引用文ー
はみ出す人こそ時代をつくる。
世界を創造するものは、自主的に考える人であり、”好奇心が強い”、”まわりに同調しない”、”反抗的”という三つの特質がある。
オリジナルな人たちは、あえて苦しい戦いを選び、理想の世界を実現しようと取り組んでいる。
人生を向上させ、より多くの自由を得るために行動することによって、一時的に快楽を捨て、みずからの幸福を後回しにしているかもしれない。
しかし長い目でみると、彼らは世界をもっと素晴らしい場所にするチャンスを手にするだろう。
オリジナルでいることは、幸せにいたる道としては、けっして簡単なものではないですが、それを追い求めることの幸せは何にも代えがたいものである。
皆さまの理想のライフスタイルの実現の一助になれば幸いです。
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