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緊張している人の手元

Kちゃんが2ヵ月派遣介護士を勤め上げた施設は、良いスタッフが沢山いるところだったそうだ。
施設長さんもほんとに良い人だというエピソードをいつも聞いていた。

が、いかんせん、病的に人手不足な職場だったと言う。

さて、そこを勤め上げた後、どこへ行こうか?という問題に直面しているのだけど、辞める日にKちゃんを追いかけて来た他の派遣介護士さんが『良かった!間に合った!ラインを交換しましょう!』と叫んだとか。

その方はダブルワークをしていて、もう一つの施設がとても良い施設だから!とKちゃんを紹介したかったのだと言う。

しかし、よくよく聞いてみると、そこはかつてKちゃんが内定を貰ったことがある施設だった。
そことあそこと、どちらにしよう?と悩んだ末、”あちら”の方を選んでそこを蹴ったKちゃん。

その”あちら”の方が非常にブラックな場所だったので今に至るわけだが、一度蹴ったところに紹介とは言えど採用して貰えるものかね?という危惧。

ほどなく、Kちゃんを追いかけてまでライン交換してくれたSさんのご紹介で、その施設の採用担当の方から電話がかかって来た。これから面接の日取りを決めるお電話らしい。
良かったね!Kちゃん。とりあえず面接はして貰えるんだね。

真剣な面持ちで電話を握りしめ、敬語で話しているKちゃん。緊張してるんだろうな。もう片方の手は必死でメモを取っている。

と思ったのだが、横からそのメモを覗き込んで、絶句。

何を書いているんだ、君は。

下の絵かき歌の絵は分かるけど、上に並んでる気持ち悪い絵は何???

あとから聞いたところによると、『連ドラ。(連続ドラえもんの略だそうだ。)』

なんでも、緊張しているときに連ドラを書くと心が落ち着くとのこと。大丈夫かな、この人。

無事に面接に漕ぎ着け、そこに就職できますように。

私も何か緊張をほぐすルーティン欲しいな。

『緊張しないくせに。』と言われ、なかなかの喧嘩になった。緊張しますわ。私だって。

こちらも面接待ちである。

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