見出し画像

願い事

イルカショーなんて、大人になるまで何度も観たことがあったのに、先月品川で観た時、これまでに無いくらい感動してしまった。一生懸命でありながら、自由に見えるせいか?いや、もう、理屈じゃないか。

沖縄に到着した初日も、その翌日も、夕方になると美ら海水族館の”沖ちゃん劇場”と称するイルカショーを見に行った。こちらも色々とビックリした。イルカもゴンドウクジラくんも、人々が喜ぶのを理解しているあたりが。

ガラス越しに笑っているところなんて、皆さんのハートを鷲掴み。

華麗にジャンプしているところや、歌っているところを観ただけでも感動するのだけど、ダイビングをしたその翌日、Kちゃんが予約してくれていたイルカと一緒に泳げるところへ行ってきた。もう気絶しそうなくらい嬉しい。
それは、美ら海水族館からさほど遠くない”もとぶ元気村”というところ。

70分のプログラムだと言うので、最初に思ったのは、注意事項を説明する時間に半分くらい取られるんだろうなあと思っていた。何せ相手はデリケートな生き物だから。
ところが、説明はほんの10分くらいで、「え?もうイルカと遊べるの?」という状態。
さらには、いざ遊び始めても「まだイルカと遊べるの?」というくらい長時間に渡って一緒に泳がせて貰えた。

人間と同じで、それぞれの個性や性質があるイルカさんたちを名前で呼び、背中に乗せてくれたり、撫でさせてくれたり、握手をしてくれたり。とにかくもう、イルカたちは、とても優しかった。

クジラの中でサイズが小さいものをイルカと呼ぶだけなのだが、この種族は人や生き物をスキャンする。物質として固いとか柔らかいというのはもちろんのこと、多分、感情や想い、もしかしたらそれ以上のものをスキャンして把握してしまう。
元々は「食べられるかどうか?」という原始的な理由で発達した能力なのかも知れないが。

イルカショーのアクリル板の最前列にいたションボリした女性のところへ、48歳のバンドウイルカは何度も笑いかけに来ていた。「楽しんでるかい?」と。

そして、一緒にもとぶ村で一緒に泳いでくれたイルカたちは、Kちゃんと私を背中に乗せる時には猛スピードで振り回して喜ばせ、子供たちを乗せる時には、ゆっくりと泳いだ。

全部お見通しなのだ。

猛スピードで前方から泳いで来て私たちの足の下を通り抜けたかと思いきや、頭上を高く高くジャンプ。そしてバッシャーン!!!と水しぶきをぶっかて来る。感動と歓声の連続だった。

もとぶ元気村のイルカさんたちとの遊泳は、残念ながらカメラは持ち込めなかった。首から下げるタイプで防水されているカメラなら持ち込みOKらしい。だけど、もし持っていたとしても多分、夢中になって撮る暇はなかっただろうなあ。

今年生まれたというイルカの赤ちゃんにも会えた。
それぞれの個体に合わせた環境の海水プールがいくつもいくつも整えられていて、どの子もみんな幸せそうだった。

ちなみに、私たちがイルカと泳いだプールには、前日ダイビングしたときに居たような魚もわんさかと居たのだが、訊いてみたところ「海から勝手に入って来ちゃうんですよね。」とのこと。

イルカさん、この熱帯魚たちのことも食べるんですか?と飼育員さんに訊くと「たまに食べちゃう。(笑)」と言うのだけど、その割には魚たちの方が大勢でイルカを追いかけてついて来ている。
イルカの体についているものをクリーニングしてくれているのかな?と思う。
そして何より、イルカさんたちは飼育員さんたちの手から貰って食べるのが一番好きなのだった。

大好きなイルカと同じプールで泳げて、そしてその優しさと自由さに触れられた体験は一生の宝物になると思う。

さあ、帰らなくちゃ。
お別れは寂しかったけれど、ちゃんとお見送りしてくれた。
また会えたら良いな。

野生のイルカやクジラたちはもちろんのこと、もとぶ村のイルカたちにも色々なことがあるだろう。
でも、私も彼ら彼女らを見習って、一生懸命頑張り、一生懸命楽しんで行こう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?