朝型と夜型

明日がお休みだからと調子に乗って夜更かしをした。

朝の爽やかさは分かるのだけど、私はどちらかと言うと夜のひと時の方が好きだし、何だか楽しい。

一日が終わったという安堵感からなのか、それより何より、寝起きで頭が働かない時よりも、夜の方が意識が覚醒していてより自分らしい気がするせいなのか。

で、そうして調子に乗った前夜を過ごしての早朝５時５０分頃、施設からのオンコールが鳴った。

その内容と来たら、口頭で指示を伝えるだけというわけには行かない一大事だった。主治医にも取り急ぎ電話をして、自分もすぐに施設に向かわなければならない。

こういう時、躊躇されるのは、日曜日の朝だと言うこと。大抵の場合、先生は東京に居ない。

そして、常日頃から昼夜問わず報告のラインや電話を入れることを、非常に申し訳なく思っている。何故かというと、自分自身が、それを日々やられていて、実は、嫌だから。

先生もお疲れだろうなあ・・・と想像する。

しかし、仕事なので電話をしなければならない。起きているかなあ？と思いつつコールを鳴らすと、瞬時に『はい、もしもし？』と勢いよく出られたのでビックリする。

先生、今、どこですか？と訊きつつ、状況報告をしたところ

『あたし、今、長野のゴンドラに乗ってるところ♪』とハイテンションな返事。

朝の５時過ぎにいったい何故、長野のゴンドラに？！

どんだけ元気？（多分だけど、先生は一回りほど年上なのに。）

それはともかく、長野にいらっしゃるとのことだったので、仕方ない。私が代わりに対処します！と言うことで急ぎ施設に向かったのだが、切り際には

『高速乗ってすぐ帰るよー♪どうせ雨降って来たしねー！』と仰れていた。

”もう嫌だなあー”とか、そういう空気は一切ない。

自宅を飛び出すと、Ｋちゃんがヨロヨロついて来た。介護主任として自分も出陣すべきだと思ったのだろう。

そして、施設に向かう途中、通りかかる某公園で凄い光景を見た。結構広い公園なのだが、半端ないほど大勢の人々が、一斉にラジオ体操をしているところだった。こ、こんなに沢山居るの？！と言うほど。

するとＫちゃんが『この中に、うちの母親も居るよ。』とのこと。ええ？！そうなの？毎朝、ここに居るの？人数が多すぎて探せないけど。

何でも、ラジオ体操にも上手下手があるらしく、上手な人だと師範代にスカウトされるのだとか。

『母親は何回か頼まれていたけど、その度に断っていた。』と。

先日聴いた別の話では、卓球が上手過ぎて地区の代表で出てくれと今でも誘われているそうで、かつては中国まで行かれたとのこと。いったい、どういう世界なのだろう？分からない。

そうかと思うと、次に通りかかったテニスコートの傍では『うおりゃああ！』と、これまた凄い雄叫びが聞こえていた。見るからにお婆ちゃん？という方だったが、凄いサービスエースを決める瞬間が見えた。『うお。』

世の中には、こんなに”朝から元気軍団”が沢山いらっしゃるというのに、私という生物は、いつも朝はヨロヨロ＆ボケボケして、昼くらいまでには、やっと人間らしくなって来る。これでよく社会人やって来れたな。

これまで、朝型体質の方が何となく健康的な気がするので、色々試してみたのだが、果たしてどうだったのか？

今、こうして、全てのことが終わった夜に、気ままに楽しく、パチパチこれを打っているというこの状況が、全てを物語っている。