飛べた
台風が去って、また新しい台風が押し寄せているという沖縄。
しかし、せっかく予約してくれたことだし、飛行機も飛ぶというので、乗ってみた。
当たり前だけど、雲の上は晴天。雲海の絨毯が広がる空を久しぶりに眺めつつ、あっという間に着いた。が、そこからバスで2時間かけて美ら海へ。
途中激しく雨が降ったりもしていたが、案外まだ今のところは静か。さほど風も強くない。
そして夕暮れ時が近づいて、しかも曇っていてもそれなりに綺麗な海。ため息をついた。
曇り空なのにも関わらず気温は30℃越え。さすが沖縄。ホテルのプールでは、お爺ちゃんとお父さんがクロールで競争しているところを幼いお孫さんたちがキャーキャー言って応援しているという長閑な風景。
しかし、私はホテルに荷物を置いたらすぐ走る。
水族館は明日ゆっくり観るということになっていた。見切れないくらい広いと聞いていたから。
しかし、バスで2時間も揺られて来ると、海を眺めて、はい、ご飯食べて終わりというのは耐えられない。だから、走ったのだ。イルカを観たいがために。
歩いて10分のイルカショーへ。
ここは、公園内なので無料で、しかも真近で観れます。最終17時のショーに間に合った。
ゴンドウクジラさんもバンドウイルカさんたちも、皆が喜ぶと分かるのよね。凄い盛り上がりようだった。ガラス越しにケタケタ笑ってくれたり、わざと水ぶっかけてくれたり、サービス精神旺盛だった。
意外にも45歳~48歳のイルカさんたち。結構長生きなのですね。そりゃあもう、こちらの思惑などバレバレ。全部見透かされている。
***
ところで、沖縄は、生まれてこの方4回目。間がものすごく空いているのは、大好きなのと同時に、癒えることのない悲しみや怒りを感じる場所でもあるからだ。
石垣島、宮古島、竹富島、慶良間。
2~30年くらい前まではダイビングで訪れたけれど、美ら海は今回が初めて。
でも、やはり痛々しい爪痕を感じる。実際に感じたり見たりもする。
こんなこと書かなければ良いのだろうし、もちろん相方には口に出して言わないけれど。
沢山の記念碑、慰霊碑、お墓、それ以外でも、色んな情景や感情が頭や心に入って来るという点では苦手な場所の一つだ。
でも、苦手と言いつつも、やはり私は沖縄の大好きな部分に惹かれる。
そして、申し訳ないけれど、この場所で笑う。
決して忘れはしないけれど。
***
そんな美ら海での夕刻、申し込み先から電話がかかって来た。
明日のダイビング、予定通り決行するのだと。まじか。凄いなあ。
さすがに本当に暴風雨だったら無理でしょ?
ところで、30年ぶりとかで、潜れるのか、私。そっちの方が心配だけど。
とりあえずは、ここまで来れた奇跡に感謝。
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