奇妙なバランス
ケアプランを何年もの間一つも立てないケアマネさんが居た。もう退職されたけど。
サービス停止になっても叱るべき事態だと思うのだが、あらゆる人に何を言われても自身の頭の後ろを撫でて「いや~!」と愛想笑いをしているだけだった。
さらに言うと何億通りもの言い訳が続くので、ほとんどの人が関わらなくなった。
当然あらゆる人を苦しめる行為であったが、本人は高給取りなので変わる必要もなしと頭の中で整理されていたのだろう。誰も彼を変えることが出来なかったのは彼自身が変えようと思わなかったからというごくあたまりまえの理屈。
どんな変なことにもそれなりのバランスがあるようで、その施設は、長年『皆この人のことを怒っているんだから、自分もこの人のことを怒っていれば良い。私はこの人よりはましだから。』と自尊心を彼を使ってキープすることで保たれていたらしい。
はたまたある時は『仕方ないわね、もう!』と言うだけで自分は許した側に立ち優しい人を演じられるという役割も果たしていたらしい。
ところが、利用者というのは顧客であり家族は本気で彼ら彼女らを愛している。
そんな変な世界にしたまま放っておけるはずもなく、ごくあたりまえのことを言い、ごくあたりまえの行動をして、その時の私の言動がきっかけとなり、彼は退職することになった。
これまで彼に罵詈雑言を放っていた人々の多くは、それで精神の均衡を保っていたので途端に『あんな良い人を退職に追い込むなんて!』とこちらを非難し始めた。
特に動じなかった。
改善&成長を何十年も捨てていた人。改善よりも退職を選んだのは彼自身。
中には施設長に私の非情さを懸命に訴えて大泣きする人も居たが、その大泣きする情緒不安定さと、訴えていることの支離滅裂さに異常性を感じ、かえって私が言っていることを冷静に聴いてくれるようになった施設長。『そういうことに一生懸命な人は仕事しない。悪く言うだけの人も言われるに任せている人も要するに同類。』と誰もが気づく。
これまで、何かあれば上司のところへすっ飛んで行き『私は悪くないの。あの人がこうだから!』と訴える方法で生き延びて来た人々も、時間の経過と共に頭が冷えて来たのか、普通に仕事をしてくれて来ている。
わざと挨拶を返さない運動というのも無くなって来たし、おそるおそる話しかけてくれるようにもなった。
それは私が一貫して同じことを言い続けたし、誰かを味方につけるために言い訳をしに行ったりなんてことをしなかったから、
そんな騒ぎが消えて少し正常になって来た頃に、やはりまた先のケアマネさんとまったく同じような性質を持った人、ここだけに勤めて云十年の大柄男子が、全うな福祉の精神を持った女子に陰湿な嫌がらせをし続けているという事件。
先のケアマネさんが酷すぎて隠れ蓑になっていたというのもある。
『自分も新人の頃、それをやられたよ。』という人も多数。例えば別に車椅子に起こす必要がない利用者様たちを全員起こして小柄な女性職員に『全員元に戻せ。』と言っていたとか。一か月間丸々体力的に辛い入浴場勤務に閉じ込めたりとか。
そういうことをする人の絶対的な特徴というのが『絶望的に仕事ができない人』だというのも事実だ。何故ならば、何十年もそういうことをするのに知恵と体力を使って来たのだから。
数日前にこのことについても話をした。
あたかも鎖国しているかのような企業というものがあって、それなりにバランスが保たれている。わざわざそれを崩しにかかることはないと思い自分の仕事だけをしている日々が続いたのだ。人一倍揉め事が嫌いだから。私はずるいから。
ところが、物事というのは自然な方向へ流れるし、不自然なことを保とうとする人は勝手に自爆する、自滅する。それに焦って何の関係もない他人を攻撃するものだから、ますますおかしなことになる。
『はい。ストップ。おかしなことが大分ありますね。』と言わざる得なくなる。
変な鎖国状態が徐々に崩壊しようとしている今日この頃。ごめんなすって。
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