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47都道府県 行ってみたい・もう一度行きたい 美術館 【九州・沖縄地方編】

 「こんな時だからこそチャレンジしてみたい、 《おうちでアートを楽しむ10の方法》」の2つ目。

② 外出できるようになったら行きたい美術館をリストアップしてみる。

今回は【九州・沖縄地方】(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)。
【北海道&東北地方編】【関東地方編】 【中部地方編】 【近畿地方編】 【中国・四国地方編】はこちら)

※ 選んだ美術館・アートスペースのポイント

・「まだ行ったことがないけれど行ってみたい美術館」と「もう一度行きたい美術館」をピックアップ(※ 行ったことがないところを優先)
・ここでしかみられない作品や特徴的なコレクションがある
・建築に特徴がある
・コアなアートファンでない方にもオススメできる

40) 福岡県:福岡アジア美術館

 古代からアジア文化の受容窓口であったという福岡市の地理的、歴史的な特質をふまえ、アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する世界に唯一の美術館です。「近代美術」、「現代アジアの作家」、「生活とアート」、「アート横断」という4つのシリーズの企画展を開催し、様々な時代・地域・ジャンルのアジア美術の魅力を紹介してするほか「福岡トリエンナーレ」の会場でもあります。東アジア・東南アジア・南アジアの23カ国からコレクションした作品だけでなく、館内には東南アジアのデザイナーによる家具が置かれたり、バングラデシュのリキシャアーティストによるペインティングが施されたりと、作品以外も楽しむことができそうです。

 このほか、磯崎新さんの建築で 日本と海外の近現代美術作品を中心に数多くコレクションする「北九州市立美術館」、三菱地所の文化支援事業のギャラリーで、現代の様々な芸術表現を、既成の評価、ジャンルにとらわれることなく紹介・発信している「三菱地所アルティアム」国内4つ目の国立博物館で 国立博物館の中で最大の敷地面積をもち 菊竹清訓さんによる建築の「九州国立博物館」なども気になる美術館です。

 また、ブリヂストンの創業者石橋正二郎が自身の出身地である久留米市に寄贈した「石橋美術館」の活動を引き継ぎ 2016年11月に開館したばかりの美術館で 特に久留米出身である青木繁、坂本繁二郎、古賀春江らのコレクションが充実した「久留米市美術館」出光興産創業者である実業家・出光佐三が長年に亘り収集した美術品を展示する「出光美術館」の分館で 日本の書画、中国・日本の陶磁器を中心としたコレクションを有し 大正期に建てられた出光興産の資材備蓄庫を改装・増築してつくられた「出光美術館(門司)」など、企業のコレクションの充実した美術館もいってみたいです。

41) 佐賀県:チームラボ かみさまがすまう森

 江戸後期に50万m2にもおよぶ敷地に作られた御船山楽園のなかで、2015年から毎年夏〜秋にかけて開催されるチームラボによる展覧会。森の中の巨石や洞窟、池や廃墟など、庭園のなかにあるさまざまなものをもモチーフに作品が展開されます。御船山そのものを作品としてライトアップするなど、非常にスケールの大きな作品に圧倒されます。また、隣接する御船山楽園ホテルのロビーでは、おなじくteamLabの「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク、Fire on Ice」が常設展示されています。

 佐賀では、他にも「アート県庁プロジェクト」として 県庁でNAKEDのプロジェクションマッピングやアーティスト「ヤマガミユキヒロ」氏による鉛筆画にプロジェクションをかけあわせた「佐賀の光景」を通年展示したりも。

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御船山楽園ホテルのロビーのteamLab「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク、Fire on Ice」(2018年撮影)

 高橋てい一さん(第一工房)+内田祥哉さんによる十字型のコンクリートを連結したような構造が特徴的な 「佐賀県立博物館」と それと連続性が感じられるような建築の「佐賀県立美術館」の建築も良かったです。

 また、美術館ではありませんが、「佐賀バルーンミュージアム」は、気球の歴史や仕組みなどをインタラクティブに体験しながら学ぶことができてとても面白いミュージアムでした。(いつか”佐賀インターナショナルバルーンフェスタ”の時期に合わせて行ってみたいです…)

42) 長崎県:長崎県美術館

長崎県美術館

長崎県美術館webページより

 2005年に開館した美術館。日本設計と隈研吾さんの手掛けた建築は、運河によって分断された2つの敷地を 美術館によってひとつにつなぐというユニークなもの。特徴的なルーバーは、木製ではなく花崗岩で作られているのだそうです。屋上は緑に覆われ、もう一つの「緑のミュージアム」となっているのだとか。外交官・須磨弥吉郎氏の寄贈したコレクションをもとに、ピカソやダリなどスペインで活躍した有名画家たちのコレクションが充実しているそうです。

 日本のガラスの発祥地である長崎らしい アンティークガラスをコレクションする「雲仙ビードロ美術館」も気になります。


43) 熊本県:つなぎ美術館

 常設作品は世界中にもほとんどないアーティスト・西野達さんの作品《達仏》が常設展示されている日本唯一の美術館。森の生木に直接彫った仏像 33体が揃います。このほか、熊本県ゆかりの作家による作品やタイ山岳民族の衣装などをコレクションしているそうです。

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《達仏》。こちらはANOMALYでの個展(2020)でのもの。

 このほか、古墳時代から現代美術までの総合美術館で全国唯一 古代芸術・装飾古墳のための特別室を持つという「熊本県立美術館」九州唯一の「現代」美術館で ジェームズ・タレル、マリーナ・アブラモヴィッチ、草間彌生さん、宮島達男さん 4人の現代アーティストのインスタレーション作品を館内に恒久展示している「熊本市現代美術館」不知火をイメージしてデザインされたという 建築家・北川原温さんによるルーバーをいくつも組み合わせたような外観が印象的な「宇城市不知火美術館」なども行ってみたい美術館です。

44) 大分県:COMICO ART MUSEUM YUFUIN

 2017年に由布院に開館した美術館。隈研吾さんによる建築の中に村上隆さんの作品や、杉本博司さんの海景シリーズが展示され、屋外には奈良美智さんの犬の立体作品も。

 FUSEさんのnoteに様子が詳しくレポートされていました。とても気持ちの良さそうな空間です。

 このほか、坂茂さんによる開放的で自然光の美しい建築が印象的で「五感で楽しむことができる」をテーマにした心地よい「大分県立美術館」別府を舞台に様々な現代アートプロジェクトを展開している「BEPPU PROJECT」そのアートフェスティバル「混浴温泉世界2012」で アーティスト廣瀬智央さんが手掛けた作品「天空の庭」と「カボスの家」は宿泊も可能ということで 一度宿泊してみたいです。

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大分県立美術館の吹き抜けのエントランスゾーンの常設展示スペースには、たっぷりと光が入り心地の良い空間です。(2018年撮影)

 また、国東半島で2014年に開催された「国東半島芸術祭」で設置された作品のいくつかは今でも鑑賞が可能で、teamLabによる「チームラボギャラリー真玉海岸」や山の山頂付近の岩場にアントニー・ゴームリーの像を設置した「千燈プロジェクト」など、見応えがあります。(本記事のトップの写真はチームラボギャラリー真玉海岸 (2014年撮影)です。)

45) 宮崎県:宮崎県立美術館

 宮崎市出身の瑛九さんの作品を1,000点近く収蔵し、常設の「瑛九展示室」も備えている美術館。オノサト・トシノブ、靉嘔、池田満寿夫など、瑛九と深い関わりがあった作家たちの作品の収集も併せて進めているそうです。また、シュルレアリスムの絵画作品や現代イタリアの彫刻作品などのコレクションが充実しているようです。

 このほか、美術館ではなく博物館的ですが、戦争末期の情勢と地元の人々の生活を肌で感じるフィールドミュージアム「にしき ひみつ基地ミュージアム」や、九州で唯一の丹下健三氏の建築作品で比較的初期の建築である「日南市文化センター」も気になる場所です。

46) 鹿児島県:霧島アートの森

 栗野岳(霧島山)麓の標高約700メートルの高原に位置する鹿児島県立の野外美術館。エントランスに草間彌生さんの巨大な立体作品「シャングリラの華」が展示されているほか、野外にも藤浩志さんやチェ・ジョンファなど、親しみやすい雰囲気で写真を撮るのも楽しい立体作品が多数。展示されている作品は、アーティストが実際にこの地を訪れ、自然や歴史的・文化的な特徴を生かしながら制作したオリジナル作品なのだそうです。コレクションのほか、オリジナルの現代アートの企画展も魅力的な美術館です。

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霧島アートの森エントランスの「シャングリラの華」/ 草間彌生 (2018年撮影)

 岩崎與八郎氏のコレクションのほか 黒田清輝・東郷青児などの鹿児島出身の芸術家の作品などがコレクションされ 槇文彦さんによる建築も魅力的な「岩崎美術館」、「黒瀬展望ミュージアム」の別名を持ち 美術館自体が東シナ海を望む展望台になっているという「笠沙美術館」、奄美の自然を描いた日本画家田中一村のコレクションを常設展示する 奄美市にある「田中一村記念美術館」も気になる美術館です。

 また、2017年から種子島で毎年開催されている「種子島宇宙芸術祭」は 本物のロケットのフェアリングを使った作品が展示されたり宇宙をテーマにした作品が制作されるほか、自然の洞窟をプラネタリウムにしたイベント「星の洞窟」なども素敵です。

47) 沖縄県:佐喜眞美術館

 丸木位里・俊夫妻の「沖縄戦の図」を中心とし、「生と死」「苦悩と救済」「人間と戦争」をテーマとしたコレクションを構築している美術館。設計は沖縄の建築家・真喜志好一さんで、屋上の階段は6月23 日(慰霊の日)の太陽の日没線にあわせてつくるなど、沖縄にこだわってつくられた美術館とのことです。

 沖縄のグスク(城)の外観や素材をモチーフとした建築が印象的で沖縄の自然・歴史・文化・芸術を一度に鑑賞できるという「沖縄県立博物館・美術館」、日本初の漆芸専門の美術館で 琉球王朝時代の漆器をはじめ 世界中の漆器を見ることができるという「浦添市美術館」も気になります。

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 47都道府県すべての行ってみたいアートスペースをアップしてきました。有名だけどまだ行ったことがない美術館、今回調べて初めて知った魅力的な美術館など、行きたい美術館は本当にたくさん。そろそろ都内でも再開する美術館が出てきて、早く様々な美術館に行きたいです。

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