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デザインの力で「働いてる人が楽しそう」「利用者さんが生き生きしてる」を伝えるために

株式会社PLASTでは、起業当初から医療や介護のイメージを変えるためにデザインの観点からアプローチを行ってきました。2021年にはデザイナーを雇用し、デザイン事務所「クリエイティブロケット」をスタートさせました。今回、そこで働くデザイナーの佐伯さんにお話をお聞きしました。

佐伯さん(クリエイティブロケット)
神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科卒業後、2021年より新卒で株式会社PLASTにて勤務。デザイナーとして社内外のパンフレットや名刺などの作成を担当し、これまでにはなかった発信の形を模索している。

「デザインを使うことに力を入れたい」に共感して

-佐伯さんが株式会社PLASTに入職されたきっかけを教えてください。

在籍していた大学で株式会社PLASTの求人を見かけたことがきっかけです。医療に関わる会社が社内広報のためにデザイナーを募集しているということで興味を持ち、社名を検索してHPから問い合わせをしました。見学も可能ということだったので、「とりあえず行ってみよう」という感じでしたね。

-株式会社PLASTはたくさんの医療や介護事業を行っているので複雑ですが、入社前から理解できましたか。

見学の際にきちんと説明をしていただいたのですが、正直あまり分からなかったです(笑)。私自身が風邪を引いたときに病院に行く程度しか医療との接点がなかったので、分からない言葉だらけでした。ただ、社長から「デザインを使うことに力を入れたい」という話を聞いたときには、「そこを手伝えるのであれば頑張りたい」という気持ちはすごくありました。応募した最終的な動機は、やりがいのある仕事なのかなと感じたことです。

-よく分からない業界で働くことに不安はありませんでしたか。

私が専門的に勉強してきたのはロゴやチラシだったので、違う仕事をしなければならなかったらどうしようという不安はありましたね。ただ、社長が「仕事をしながらスキルアップしていければいい」というスタンスだったので、「入ってから悩めばいいか」と思えたところがあります。

多くの意見を吸収しながら、少しでも良いデザインに落とし込んでいく

-実際に働きはじめて最初に取り組んだ仕事は何だったのですか。

久遠チョコレート神戸の「就労Bの利用者さん募集」のチラシでした。ラフデザインを出したときに、社長からすごいダメ出しをもらったのは記憶に残っています。今になって考えたら「まぁ、全然だな」と思うような案を出していて、やっぱり新卒レベルだったなぁと思います。

-  1枚のチラシでも技量に差が出るのですね。デザインはどういった過程で作られていくのですか。

私の直属の上司は社長になるのですが、社長からコンセプトや記載内容を受けて、私がラフを作って、ブラッシュアップさせながら完成させていきます。普段はフィジオデザインで仕事をしているので、フィジオデザインのみなさんから感想や意見をもらうこともあります。デザインを見た直感的な感想はすごく参考になるので、多くの人から意見をいただけることはありがたいですね。

-チラシやパンフレットを見た方からは、是非とも意見をいただきたいですね。ちなみに、佐伯さんはどれくらいの量の仕事に取り組んでいるのでしょうか。

何かひとつだけに取り組んでいるということはなくて、常に5つ程度が同時進行で動いています。あるものは構想を立てている、別のものは作っている、さらに別のものはフィードバックを待っている…といった状態です。一番多かったときには、外注3件と社内12件を抱えていて「もう限界です!」と社長に伝えました(苦笑)。入社した初年度は社内の広報物のみを担当していましたが、今年になってから外注も積極的に受けさせていただいています。

-それは大変ですね…想像しただけで頭がパンクします(笑)。社内でデザイナーはひとりですが、大変なのではないでしょうか。

相談相手が少ないことにつらいと感じることはありますね。例えば、私は見やすさや理解のしやすさに軸を置くのですが、社長は面白さや注目のされやすさに軸を置いています。意見が異なるときにより多くの意見を取り入れながら進めたいので、相談できる人がもう少しいるとありがたいです。最終的な完成品になるまでに不安感は常につきまとっています。

デザイナーひとりの環境で必然的にレベルアップしていく

経験年数に見合わない様々な挑戦をさせていただいていますね。例えば、入職一年目で会社紹介の冊子を担当しました。デザイナーというものは、経験年数に関わらず、数ページにわたるものを一人で担当することはほとんどありません。友人と話していたら「10ページ以上の冊子は3人ぐらいで担当するよ!」と教えてもらって、「そうだよね」となりました(笑)。

-デザイナーひとり環境はなかなか変わらないので、レベルアップしていかなければなりませんね。

フィジオデザインでもその話になったことがあります。なので、作りながらレベルアップをしていくしかないですよね。ちなみに、改めてこの冊子を見直していて「当時はやっぱり出来てなかったよね」とフィジオデザインのスタッフと話していました(笑)。今はこの冊子の改訂版を作っているのですが、私のレベルアップも感じていただけるとうれしいです。

-楽しみにしています。ちなみに、佐伯さんが一番思い出に残っている制作物はどれなのでしょうか。

社報として作ったこちらのチラシですね。

プラスト訪問看護の菴原さんなのですが、めっちゃ大変でした。ポリゴンにするために色の分割をかけ、ブロックのひとつひとつに写真から取った色をひとつずつ詰めていきました。実際の作業では「そこに色が入るの!」みたいなアクシデントが生じたりするので、とても時間がかかりました…。何時間かかったかはあんまり言えません(苦笑)。

社内だけでなく、業界全体が変わっていくために

-今後、佐伯さんはどのような仕事をしてみたいですか。

グッズ制作をやってみたいです。これまでは紙媒体の仕事しか担当してこなかったのですが、立体物を作るのも好きなので。キーホルダーとかフィギュアですかね。PLASTでガチャガチャの機械も購入したので、密かに狙っています(笑)。あと、社内のことを一目で分かるようなチラシも作りたいですね。やはり事業が複雑で分かりづらいので、チラシを通してみんながそれぞれの事業にもっと関心を持てるようにしたいです。

-取り組みたいことはたくさんありますね。PLASTではアート事業が本格化してきたので、これまでと違う展開に広がっていくことも期待しています。

あと、医療や介護のイメージを変えるというところに貢献していたいところはあります。社内はもちろん、外注先の会社さんでも「良さ」を出せるようにしていきたいですし、それを通して最終的に「働いてる人が楽しそうだね」とか「利用者さんが生き生きしてるね」といったイメージを持ってもらえるようにしたいです。

-素敵です!めちゃくちゃいい話です!

ありがとうございます。私自身が、入社するまでは医療や介護に暗めのイメージを持っていたんです。でも、働きはじめたらスタッフさんは明るくって生き生きとしていて、利用者さんと向き合っているところやスタッフ同士で相談しているところに前向きさを感じたんです。働いてみて分かったんですが、それをデザインの力で色んな人に伝えていきたいですね。

▼クリエイティブロケット

医療や福祉に特化したデザイン事業。チラシ、ポスター、ロゴ作成などを通して、働く人や業界そのもののイメージを明るく楽しいものへと変化させていくことを重視している。2022年より積極的に外部からの依頼も受けており、活動の幅を広げている。


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