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「ニート万歳!」地下室の手記

"結局のところ、諸君、何もしないのがいちばんいいのだ!意識的な惰性がいちばん!だから、地下室万歳!というわけである。"著者が42才の時に書かれた本書は【全作品を解く鍵】として有名だが、一方で、その語り手の痛々しいアンチヒーローぶりが胸に刺さる。

。。と言いつつも、語り手の大袈裟な発言、それと比較してあまりにも小心な行動はある種のユーモアの域に達して描かれていて、例えば名誉を守る為に大男に"肩をぶつけるべく"何度もすれ違う描写には想像して思わず吹き出してしまったり。

罪と罰、カラマーゾフの兄弟といった長編を読む前のウォーミングアップを探す人、または中二病をこじらせすぎた人に、あるいは太宰治の人間失格好きな誰かにもオススメ。

PS:真面目な文学批評だと、この作品(及び実際の牢獄体験)が著者の以降の名作のターニングポイントになった!とか言われてるのだけれど。いやあ。違うでしょ。「ニート」とか「妄想萌え」に辿り着いたのだと思うのです。特に「やることはやってから」延々と若い売春婦に説教する姿には「うざすぎて」泣きそうになります。

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