爆速経営
"だとしたら、社員の力を引き出すしかないんです。彼らが挑戦する機会をたくさん作り出して、思う存分仕事ができる環境を用意する。今より10倍挑戦して、5倍失敗して、その代わり2倍成功させていく。"2013年発刊の本書は近年のヤフーの経営改革を取材により明らかにしている一冊。
個人的にはお店で導入しているPayPayを眺めながら、ここ数年間売上や利益が向上して話題性や勢いがあるのは知りつつ、でもあまり経営に関しては知らなかったことから手にとってみました。
さて、そんな本書はスタートアップとしてのサービス開始から15期連続で増収増益を達成し、ソフトバンクの苦境をサポートできる大企業になるも【つまらない会社】となってしまっていたヤフーを、40代で抜擢された【当時最年少役員だった宮坂氏がどのように改革していったか】をインタビューを通して明らかにしているのですが。
『理念の再定義』『明確な目標』『設定した目標達成のための具体的な戦略、戦術への落とし込み』と書いていること自体は良くも悪くもオーソドックスで目新しくはないとしても、それを宮坂氏の若い熱量で【圧倒的なスピード感で取り組んだ事が】まるでビジネス小説のようなリアリティで伝わってきて【もし自分だったら?】そんな妄想をしておおいに楽しませていただきました。
一方で、主に宮脇氏他の経営陣側に話を聞いているのですが。【客観的な視点を確保したい事から】一社員とか取引先の話、失敗話にもページをさいて欲しかったなという感想もありますが、これはこれで。60代、70代だったり高齢の方が牛耳っている政治の世界より【よほど希望の持てるビジネス物語】を感じさせてくれているので、良かったかな。と。
IT企業勤めの方、ヤフーファンな方へ。また30〜40代で大企業の経営改革をどうしたら良いか?を妄想も含めてシュミレーションしたいビジネスパーソンにもオススメ。
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