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ニューヨークの書店ガイド

"2002年5月、前田直子と私はニューヨーク書店探訪を開始した。そこで見た独立系書店は、すべて『個性的』で『自己主張』があり、『元気』で『出版物が大好きな書店員がいる』本屋だった"2005年発刊の本書は、全米マス・メディアの中心、ニューヨークの個性的、専門性の強い書店を取材した一冊。

個人的に、本のあるスペースを幾つか運営していることから、ヒントを求めて本書を手にとりました。

さて、そんな本書は2002年から2005年まで3年間50回にわたり『新文化』紙に連載された『ニューヨークの街角から』を再編集、約35の書店紹介、およびオーナーインタビュー、コラムで構成されているわけですが。

『書籍と雑誌は別メディアであり、流通や小売りも完全に別なシステムであったり』また『日本独自の再販制度は当然に存在しない』といった、全く違う事情こそあれど、同じく【大型チェーン店やオンライン書店の進出におされつつも】それぞれ上手く共存したり、ミステリーやスピリチュアル、児童書専門、ブロードウェイ関係者やゲイコミュニティ、フェミニスト、HIV支援といった顧客に合わせ【特化してサバイバルしている状況】が伝わってきて、約20年前の情報であっても参考になりました。

また、日本と同じく万引犯との"戦争"といった状況も同じくあるわけですが。圧倒的にハイティーンに万引されるのが【チャールズ・ブコウスキーとウィリアム・バロウズのペーパーバック】という所に、アルコール、セックス、ドラッグといったものに【若年層が興味を示すのは共通してる】のだな。と何となく共感してしまいました。

これからの書店経営を考えている誰か、専門性の高い本のスペースをしている人や本屋好きな方へオススメ。

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