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マレーシア・コタキナバルにあるボルネオ先住民族の文化体験ができるMari Mari Cultural Villageへ

マレーシアのコタキナバルはボルネオ島の北部に位置し、世界遺産のキナバル山やダイビングが満喫できる自然の宝庫だ。このコタキナバルの街中から車で約30分内陸へ行った場所にMari Mari Cultural Villageという文化村がある。ここでは、マレーシア・コタキナバルの先住民族5民族の歴史や文化体験ができ、それぞれの暮らしや試食、ショーやヘナタトゥー等もツアーに組み込まれている為、メコンデルタでの体験ツアー企画にとても参考になった。

ちなみに、サバ州には32の民族が暮らしており、農耕民族、狩猟民族、貿易商人、漁業民族など、民族ごとに生活スタイルが異なる。

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行き方
文化村ツアーは10時と14時開始と決まっているので、まずその現地ツアーの予約が必要。(宿でも予約可能)その後、文化村までの送迎車が必要な場合は同時に予約するか、タクシーやGrab等を予約していく。公共バスは無い。

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文化村入口にて。予約者の名前を伝えて、入場料(RM100/1名)を支払う。グループごとにチケットを渡され、名前を呼ばれるまでここで待つ。

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ツアーはこの順番通りに、カダザン・ドゥスン族、ルングス族、ルンダヤ族、バジャウ族、ムルッ族の村と周っていき、最後にショー体験と食事が頂ける。

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最初に、今回のドゥスン族ガイドの方から、この村での注意事項と案内がある。Mari Mariはマレー語で「こっちへ来てください」という意味らしく、ツアー中も何度も使うので覚えておいて下さい、とのこと。そして、後ほどムルッ族の村長に入村の許可を得るためのグループのリーダーもここで決める。私たちのリーダーは写真の彼だ。(たまたまガイドの一番近くに立っていて、決まったw)

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↑ちなみに、これは「地球の歩き方」のサイトで紹介されていた2016年時点での文化村内地図を転載。こうしてみると、めっちゃデザイン良くなっている!

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村の中では禁煙、一度に橋を渡るのは10名まで、そして"Take nothing but photograph leave nothing but footprints"(取っていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ)という登山やハイキングの入り口によく見る心得が。

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まずはドゥスン族の村へ。ドゥスン族は州内の最大多数民族集団で、州内人口の約30%を占めるらしい。ガイドの方がとても流暢な英語で民族や暮らしについて説明。そして、参加者からの質問を受け付ける時間もしっかり設けているプロだった。(それだけじゃなく、わからないことは「確認して後で共有します」という点に好感)

ドゥスン族は、もともと農業民族だったが、近年特に若い世代は街に出てきてホスピタリティー産業に従事する人々が多いらしい。私がキナバル山の登山に参加したときの登山ガイドもドゥスン族の方で、一緒に登頂した方々にもドゥスン族の子がいた。(その子もコタキナバルのホテル勤務)仕事も勤勉だが、意思決定力が弱く、コタキナバルでは頭の回転が早い中華系の人々が主導権を握り、従業員はドゥスン族というパターンが多いのだそう。


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家の中ではサバ名物の地酒「リヒン」を試飲することができる。さっぱりした味で美味しかった!竹をコップとして、バナナの葉をテーブルクロスとして使用しているのも可愛い。そういえば、メコンデルタでもよくバナナの葉で食べ物を包んでいるよなぁ、と思い出す。現代風に言えば、エコだし、デザイン良いけれど、これは自然と生きる、当たり前の光景なんだよなぁ。

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ガイドの方も率先して飲食に関して説明してくださった。

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ルングス族の長屋では、火をおこすのを実演してくれる。

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ルンダヤ族の家。

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繊細でカッコ良い民族柄。

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バジャウ族の家の前にある伝統料理の体験コーナー。味付けはあっさりしていたがサクサクで美味しかった。右側はカラフルな伝統蓋。

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バジャウ族の家は、他の民族の家よりも高床式でカラフル。

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これは入れ物かな?

同時に、これを書いているときに「バジャウ族」を何気なく検索していたら以下の記事が。まずは知ることから、そして書いて発信して文化を守ることを続けていきたい。


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最後に、ムルッ族の村に入るには、酋長の許可が必要で、予め決められたグループのリーダーが挨拶をする。許可が得られた後、ムル族の家に入ると、そこには何とトランポリンが。 天井の高い位置に小さな飾りが取り付けられていて、数名でジャンプをして誰かひとりがそれを掴めるようみんなで息を合わせる。実演を見ていると簡単そうに見えて、実際に参加者だけで試すも、まったく飛ばないw飾りは遥かかなた遠くへ・・・。これは狩猟民族であるムル族の風習で、高くジャンプできる人が村で偉くなる、というものに由来しているらしい。

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最後に、民族舞踊ショーの見学。後ろ側で提供されていた柑橘系の飲み物を飲みながら、今まで訪れた村の民族の方々が目の前で踊っている姿は圧巻。そして親近感。ショーを見学した後、希望者はステージ上でバンブーダンスができる。

この後、バイキング形式の飲食時間が。種類も豊富で、お腹いっぱいになった後、ガイドさんにお礼を言って別れた。

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お土産コーナーに置いてあった土産品。今まで体験してきたストーリーを含めて、何か持って帰りたいという気持ちにさせる。

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正直、最初に入場料RM100(日本円で2800円程)と聞いて、「え、高っ!」と思いながら、少し半信半疑で参加した文化村。でも参加した後に思うのは、よくオーガナイズされたツアーで、参加者への文化・自然保護の教育も徹底しており、体験内容も盛りだくさん、学ぶことが多い価値があるものだった。

日本語ツアーも開催されているみたいだけれど、是非英語のツアーに参加して詳細を学んでほしい。一緒に参加したグループには日本人の親子で参加されている方もいらっしゃって、お母さんがお子さんに英語→日本語の通訳を適宜されていた。これこそ、生きた英語を学べる、むしろ学びたくなる瞬間だろうな、と思った。


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