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世界の日常と、私の日常【忙しない心に静けさがやってくるオススメ映画4選】

私にとって映画とは、「雨の日にふと思い出して観たくなるもの」だ。雨は、時として自然の驚異や畏怖を感じるもので、同時に、自分に「家にいてもいいよ」といった安心感を与えてくれるものかもしれない。

少しずつだけれど、梅雨の時期に観た映画で、描写や言葉が美しく、「世界の日常と、私の日常」を感じたものたちを紹介したいと思う。

『聖なる呼吸:ヨガのルーツに出会う旅』 

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今、ちょうどインドのヨガアシュラムに通っているので、この映画は、とても興味深いものだった。映画というより、タイトル通りヨガのルーツに出会う旅をドキュメンタリーで編集している。

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クリシュナマチャリア
1930年代に世界に広がる現代ヨガの基盤を作った人

あぐらを組むパドマ・アーサナ
頭で立つシールシャ・アーサナ

クリシュナマチャリアの弟子アイアンガーはプネーで教えていた
(初めてプネーに来たのは1930年代)1934年に弟子入り

当時はヨガは心が病んだ人が行うものだと思われていた
クリシュナマチャリアの妻がアイアンガーの姉
パタビジョイス「ヨガは5000年前から変わらない」
ただアイアンガーが教えるヨガとは異なる

プネーからマイソールのヨガ道場の跡地

朝は王だけが指導を受ける時間だった
当時ヨガの目的は魂の追求で物質的な利益とは無縁

「当時はヨガは無償で受けるものでしたが、
今は欧米の人々がお金を払ってきます」

ヴィンヤサ・ヨガでは、ひとつのアーサナを終えたら、必ず直立姿勢に戻り、次のアーサナに入る
ヴィンヤサの由来となるヴェーダ祭式にはすべての動作に秩序があった

「マハーバラータ」など古代の叙事詩には多くのアーサナが紹介されている

バンガロールに住む長女と次女

「知識は財産であり宝」

クリシュナマチャリアは優秀な学生で六派哲学の全てを短期間で極めた。その後、ヒマラヤの洞窟に住むラーマモーハン・ブラフマチャリアの元へ。彼から3000のアーサナと呼吸法のプラーナーヤーマを学んだ。

ヨガは集中すること、サマーディはより深い集中
心と体の一体化「自分の魂に集中する」
厳しくすることは人を守ることでもある

体を動かすだけなら、ただの運動
ヨガは深く集中しながら呼吸と動きを連動させること

忙しない心に静けさがやってくる

アシュタンガ・ヨガの目的
1.体を浄化させること
2.心の動きを滅し、コントロールすること

体全体をつかい、知性を働かせる=全体論的な練習

1947年インド独立

チェンナイでは、生徒にあわせた個人指導
子どもたちと一緒に学校や寺院で講演も
三男は欧州で指導

ヨガをする理由
1.健康な体
2.健全な心(思考がクリアになり、勇気と忍耐力が備わる)
3.集中力を得ること

ヨガは神が重要なインドで生まれた 神は身近にあった

練習するほど、ブジャンガ・アーサナに近づく
自分の知覚を外の世界から引き離した状態なので
感情も落ち着いていく
精神が安定した状態で終えるとき、宗教は関係なく
魂がある場所を考える

練習により長い人生の生き方がみえてくる


『青いパパイヤの香り』 

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「記憶の中のアジア 心をこめて、つくす喜び」

この10年ほど、ずっと観たくて、ようやくAmazon Primeで発見。フランスとベトナムの共同作品で、 1951年のサイゴン(現在のホーチミン市)を設定した物語。 ベトナムでの映画ロケが難しく、フランスにセットを組んで撮影したらしい。(最近はベトナム側の規制が緩くなってきている)物語は、サイゴンのある資産家の一家に10歳の少女ムイが奉公人として雇われるところから。

全体的にセリフが少なく、心境の変化や感情の揺れを、色彩、描写、アングル、撮影、音楽、料理、隠喩などあらゆる方法で表現されている。 全てが「美しい」と感じた作品。ストーリー展開も大きなものはなく、素朴な生活だけれど、日常、庭の葉、水、境界が無い外と内の風景など、とても豊かで再びベトナムに恋に落ちる感覚。

ベトナム出身でパリ育ちの映画監督であり、脚本家のトラン・アン・ユン監督監督。「ノルウェイの森」も手掛ける。


『西の魔女が死んだ』 

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格言が至るところに散りばめられている映画。映画を見て、原作の本が読みたくなった。

人は、大人になるにつれて、人に見せたくないものが増えていくんですよ
体力、精神力を鍛える
早寝早起き、食事をよくとって、スポーツをよくし、規則正しい生活をする

意志の力:自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力
物事の正しい方向をキャッチするアンテナ

"My Sanctuary" 

自分が楽に生きる方法を選んだって、後ろめたさを感じる必要はないですよ

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『聖者たちの食卓』 

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壮大な、しかし繰り返す日常の小さな「神秘」を撮ったドキュメンタリー映画。ナレーションが全くない。会話が一切ない。それでもなぜか魅了される鮮やかな1日。

インドのシク教総本山ハリマンディル・サーヒブ(日本語「黄金寺院」)で、毎日無料で振る舞われる約10万食の食事がどのように用意され、旅行者や巡礼者、階級に関係なく提供されているのかを追っている。

昨日観た「西の魔女が死んだ」のおばあちゃんの言葉

「早寝早起き、食事をよくとって、スポーツをよくし、規則正しい生活をする」を思い出した。


時に人生を振り返って、時に世界の日常に触れて、自分の心に静けさを感じながら、また前を向いて歩いていけるような、そんな映画たち。


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